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第4章 集大成・ウィンターカップ
第248話 黄色信号
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チーム メンバープロフィール
雨宮 裕史
紅泉高校3年
198㎝110kg
誕生日:6/8
血液型:B
特徴: 角刈りに鋭い目付きが特徴。縦にも横にも大柄な体格を持ち(とは言ってもそこまで太っている訳では無い)、更に短気かつ傲慢な性格。
ディフェンスではバレーのスパイクのようなブロックを武器にしており、平面のディフェンスも強いのだが並外れたパワーとラフプレーによって相手選手を吹っ飛ばす事も少なくなく、インサイドでのディフェンスはハードなファウルも含め恐れられている。
長身ながらスリーも上手く成功率、本数は葛山、橋本に次ぐ。弱点はフリースローの確率がやや低めな事。
夏は京洋戦の前半で足を捻挫し途中退場。
特技:小さい子をあやすのが得意
趣味:筋トレ、料理
得意教科:化学、英語
苦手教科:古典
得意なプレイ:ディフェンス、パワープレー、スリーポイント
バスケを始めたきっかけ:小1でミニバスに入団して
密かな悩み:よく相撲部屋や格闘技にスカウトされるが、格闘技はそこまで好きじゃないしやりたくない
-----------------------------
ウィンターカップ3回戦、北陵vs紅泉の試合。
前半終了
北陵 36
紅泉 44
堂林(追いつけねえか…)
堂林、明らかにイライラしつつ焦っている。
筒井「ラフプレーもここまでとはな…正直格下だと思ってて油断があったかもしれねえ」
堂林「とにかく伊達がいねえんだ…後半はその分も俺が点を取る。後はディフェンス…失点をどう防ぐかだ」
三上「ファウルが込み始めてるからな。フィジカルも強いしむしろディフェンスの問題の方が大きいかも」
この時点で、三上と劉はファウル3つ。筒井と野村、堂林が2つ。
対して紅泉は、ノーファウルの選手こそいないものの、3ファウル犯している選手は0。
納見監督「一旦仕切りなおそう。伊達はいないしファウルも嵩んでいるが…逆転が不可能という点差でもない。パワーで負けているなら、スピードと技術で勝負するのが定石だ。ダーティーな相手だがそれを怖がって萎縮していては何も始まらない。お前達が勝っている場所で勝負しなさい」
ブーッ!!!
後半開始のブザーが鳴る。
紅泉
4 橋本 輝樹 179㎝ 3年
7 森島 海斗 184㎝ 3年
8 葛山 丈 189㎝ 3年
12 遠藤 賢治 187㎝ 2年
5 雨宮 裕史 198㎝ 3年
北陵
5 三上 直哉 184㎝ 3年
6 堂林 和樹 190㎝ 3年
4 筒井 辰也 194㎝ 3年
11 野村 勇吾 196㎝ 1年
10 劉 子轩 203㎝ 2年
堂林「メンバーが代わってきたな」
(あの12番は得点力があるとは聞いているが…7番はどんな選手なんだ?)
紅泉ボールからスタート。
橋本「よし!1本!」
橋本の声を受けて紅泉メンバーが動く。
橋本「…お」
トップの位置で堂林が橋本と対峙。
そのやや後ろには三上が控えている。
ゴール下とローポスト付近では筒井、劉、野村が1列に並ぶ。
北陵メンバーは1-1-3ゾーンを構えている。
橋本(なるほど、雨宮にパワーで負けているインサイドを重点的に固めて外は堂林、三上の2人のディフェンスで封じに来たか…だが)
ビッ!
橋本、右ウイングの遠藤とパス交換。
右ローポストには雨宮
左のウイングに葛山、左コーナーに森島が待っている。
何度目かのパス交換の後
ビッ!
橋本、ノールックで突如左ウイングの葛山にパスを出す。
ダム!!!
前列の堂林、三上の2人は逆サイドで備えていた為に葛山のドライブインを許す。
キュキュッ!!!
後列の筒井、劉が打たせまいとケアに出る。
堂林「!」
(そういう事か…!って事はあいつはシューター…!)
ビッ!!
葛山、コーナーへパス。
待ち構えていた森島が受け取る。
筒井「やべえ…」
(ノーマーク…!)
トップをケアする堂林、三上はコーナーまではカバーし切れない。
そしてゾーンの左サイドと中央を守る筒井、劉は葛山のカバーをした為にディフェンスが遅れている。
コーナーの森島をマークできるディフェンスは、誰もいなかった。
スパァッ!!!!
第3Q 残り9:43
北陵 36
紅泉 47
北陵、仕切り直したかった後半早々に失点。
点差はついに2桁に。
三上「取り返そう!1本!」
紅泉のディフェンスはマンツーマン。
堂林には、今しがたスリーを決めた森島がついている。
葛山は筒井を、遠藤は野村をマーク。
北陵は第3Qの最初、点を取ると宣言した堂林にボールを託す。
キュキュッ!
森島、堂林がボールを持つと厳しいマーク。
抜かれる事を厭わずボールに積極的に手を出していく。
堂林(スリーは打たせねえつもりか…)
ダム!!!
堂林、ドライブで抜きに行く。
ガッ!!
森島、身体をぶつけながら並走。
堂林(こいつも当たってきやがる…)
バッ!
堂林、競り合いながらもレイアップに跳ぶ。
バッ!
森島もブロックせんと跳ぶ。
その手は、堂林の構えたシュートよりも上。
筒井「なっ…」
(ジャンプ力が高い…!6㎝しか差がないとはいえ堂林と競る高さなんて…!)
バコォッ!
ガッシィィ!!!!
森島、堂林ごとボールを叩きつけるようなブロック。
堂林「がっ…!?」
バッタァーン!!!!
堂林、フロアに叩きつけられる。
ピピーッ!!!
当然、ファウルの笛が鳴る。
審判「ファウル!白7番!」
三上「大丈夫か?堂林?」
堂林「ああ…」
(前半は俺のマークが葛山だったのもあって比較的ラフプレーは食らってこなかったが…そうかこいつもそういうプレイヤーなのか)
堂林、叩きつけられ打ち付けた肘のあたりをさすりつつフリースローレーンへ。
スパッ!
スパッ!!
堂林は2本とも決める。
第3Q 残り9:30
北陵 38
紅泉 47
続いての紅泉のオフェンス。
インサイドの雨宮にボールが入る。
筒井「囲め!」
劉と筒井のダブルチームでインサイドをケア。
ビッ!
雨宮、冷静に外へパス。
ミドルレンジ、ほぼノーマークで遠藤がボールを受ける。
ダム!!
三上がチェックに行くも、カウンターのドライブで抜かれる。
フワッ…!
遠藤、インサイドのヘルプが来る前に高くボールを浮かせブロックをかわす。
パスッ…!
柔らかく静かにネットを揺らしていく。
野村(今の1本でわかる。こいつ単純に上手い…点を取るセンスはかなりありそうだ)
インサイドのパワーとラフプレーを封じようとゾーンディフェンスに切り替え、オフェンスも堂林主体で攻めた北陵の目論見は外れた。
堂林には3&Dタイプでラフプレーも用いる控えの3年生・森島に徹底マークさせ、スリーを激しいディフェンスで封じ、ドライブはハードファウルで封じる。
ディフェンスではゾーンにした北陵を嘲笑うように紅泉の選手が中距離のミドルシュートやスリーを射抜いてくる。
そして、得点源はそれだけではなかった。
スパァッ!!!
「何いいいいい!?」
「センターがスリーポイントを打って決めてきた!?」
「あいつ、あんなゴツい身体して外からも打てるのかよ!?」
雨宮までもが外からスリーを打ってきた。
堂林(チッ…なるほど全員が内外から点を取れる攻撃型のラインナップって訳か…さっきの6番や10番はあまり点を取ってくるタイプじゃなかった…点差をある程度つけたらこのラインナップにして突き放す戦法だったって事か)
紅泉のオフェンシブなラインナップに対して北陵はなかなか点差を詰められない。
だが、活路がなかった訳ではない。
ダム!!!
スイッチから堂林と遠藤が対峙し、堂林が遠藤を抜く。
ビッ!
ヘルプが来る前にストップからのジャンプシュート。
スパッ!!
北陵メンバー「「「よーし!!!」」」
筒井(なるほど…!この12番はディフェンスは…下手ではないが、他の4人と比べると1段階劣る。このポジションから攻め込むのがいいかもしれん)
北陵はここから遠藤の所で堂林のスピードのミスマッチ、フロントコートの選手で高さのミスマッチを突きに行く。
特に高さ、パワー、スキルの揃った筒井のドライブが効果的に決まり
第3Q 残り4:32
北陵 52
紅泉 58
点差が詰まっていく。
ディフェンスで北陵の標的にされた遠藤が取り返すべく動くも空回りし、流れが北陵に傾いていた。
遠藤「ぐ…すみません」
雨宮「ドンマイ。流石に試合巧者の北陵だ。立て続けに狙ってきたな」
橋本「お前の売りはオフェンスだろ、取り返せ」
遠藤「うす」
橋本「遠藤、あれ、やってみろ」
遠藤「う、うす!」
橋本「よし!1本返していくぞ!」
橋本が声を出す。
だがボールを運ぶのは橋本ではなく、遠藤。
遠藤、トップでのボールキープから緩やかに右ウイングへスライドしていく。
ゾーン前列の三上、きっちりとついていく。
堂林「三上!」
三上「!?」
ガシィッ!
三上、いつの間にかコーナーからスクリーンに来ていた森島にぶつかる。
三上「ぐ…!」
(荒っぽいスクリーンだ…ファウルじゃねえのか?)
笛は鳴らない。
これにより、遠藤は右ウイングでノーマーク。
堂林「まずい…!」
堂林がヘルプに出ようとするも、距離がある為間に合わない。
ビッ!!
遠藤、スリーポイントシュート。
スパァッ!!!!
紅泉メンバー「「「よーし!!!!」」」
紅泉のベンチメンバーが一斉に立ち上がる。
遠藤「っしゃ!」
遠藤、軽くガッツポーズしながらディフェンスに戻る。
第3Q 残り4:19
北陵 52
紅泉 61
シンプルにスクリーンをかけてのプルアップでのスリーポイント。
だが北陵はボールマンにこそマークしていたものの、インサイドを固めていた。
結果、外のシュートを打ちやすい状況ができていた。
このプレーから、紅泉が一気に攻め立てる。
ディフェンスでは遠藤を他の4人が上手くカバーし、北陵に攻撃の糸口を掴ませない。
オフェンスでは遠藤のスリーポイントを皮切りに外のシュートが立て続けに決まる。
インサイドでは攻めきれなかったものの、スリーポイントを残り4分から遠藤が再び1本、森島が1本、橋本が1本決める。
対して北陵は、堂林がドライブから打ったタフなプルアップミドルシュートでの2点のみ。
ブーッ!!!
第3Q 終了
北陵 54
紅泉 70
試合の3/4が終わり、北陵まさかの16点ビハインド。
ベスト8進出へ黄色信号が点灯したところに
第4Q開始早々から悪夢が襲う。
……To be continued
雨宮 裕史
紅泉高校3年
198㎝110kg
誕生日:6/8
血液型:B
特徴: 角刈りに鋭い目付きが特徴。縦にも横にも大柄な体格を持ち(とは言ってもそこまで太っている訳では無い)、更に短気かつ傲慢な性格。
ディフェンスではバレーのスパイクのようなブロックを武器にしており、平面のディフェンスも強いのだが並外れたパワーとラフプレーによって相手選手を吹っ飛ばす事も少なくなく、インサイドでのディフェンスはハードなファウルも含め恐れられている。
長身ながらスリーも上手く成功率、本数は葛山、橋本に次ぐ。弱点はフリースローの確率がやや低めな事。
夏は京洋戦の前半で足を捻挫し途中退場。
特技:小さい子をあやすのが得意
趣味:筋トレ、料理
得意教科:化学、英語
苦手教科:古典
得意なプレイ:ディフェンス、パワープレー、スリーポイント
バスケを始めたきっかけ:小1でミニバスに入団して
密かな悩み:よく相撲部屋や格闘技にスカウトされるが、格闘技はそこまで好きじゃないしやりたくない
-----------------------------
ウィンターカップ3回戦、北陵vs紅泉の試合。
前半終了
北陵 36
紅泉 44
堂林(追いつけねえか…)
堂林、明らかにイライラしつつ焦っている。
筒井「ラフプレーもここまでとはな…正直格下だと思ってて油断があったかもしれねえ」
堂林「とにかく伊達がいねえんだ…後半はその分も俺が点を取る。後はディフェンス…失点をどう防ぐかだ」
三上「ファウルが込み始めてるからな。フィジカルも強いしむしろディフェンスの問題の方が大きいかも」
この時点で、三上と劉はファウル3つ。筒井と野村、堂林が2つ。
対して紅泉は、ノーファウルの選手こそいないものの、3ファウル犯している選手は0。
納見監督「一旦仕切りなおそう。伊達はいないしファウルも嵩んでいるが…逆転が不可能という点差でもない。パワーで負けているなら、スピードと技術で勝負するのが定石だ。ダーティーな相手だがそれを怖がって萎縮していては何も始まらない。お前達が勝っている場所で勝負しなさい」
ブーッ!!!
後半開始のブザーが鳴る。
紅泉
4 橋本 輝樹 179㎝ 3年
7 森島 海斗 184㎝ 3年
8 葛山 丈 189㎝ 3年
12 遠藤 賢治 187㎝ 2年
5 雨宮 裕史 198㎝ 3年
北陵
5 三上 直哉 184㎝ 3年
6 堂林 和樹 190㎝ 3年
4 筒井 辰也 194㎝ 3年
11 野村 勇吾 196㎝ 1年
10 劉 子轩 203㎝ 2年
堂林「メンバーが代わってきたな」
(あの12番は得点力があるとは聞いているが…7番はどんな選手なんだ?)
紅泉ボールからスタート。
橋本「よし!1本!」
橋本の声を受けて紅泉メンバーが動く。
橋本「…お」
トップの位置で堂林が橋本と対峙。
そのやや後ろには三上が控えている。
ゴール下とローポスト付近では筒井、劉、野村が1列に並ぶ。
北陵メンバーは1-1-3ゾーンを構えている。
橋本(なるほど、雨宮にパワーで負けているインサイドを重点的に固めて外は堂林、三上の2人のディフェンスで封じに来たか…だが)
ビッ!
橋本、右ウイングの遠藤とパス交換。
右ローポストには雨宮
左のウイングに葛山、左コーナーに森島が待っている。
何度目かのパス交換の後
ビッ!
橋本、ノールックで突如左ウイングの葛山にパスを出す。
ダム!!!
前列の堂林、三上の2人は逆サイドで備えていた為に葛山のドライブインを許す。
キュキュッ!!!
後列の筒井、劉が打たせまいとケアに出る。
堂林「!」
(そういう事か…!って事はあいつはシューター…!)
ビッ!!
葛山、コーナーへパス。
待ち構えていた森島が受け取る。
筒井「やべえ…」
(ノーマーク…!)
トップをケアする堂林、三上はコーナーまではカバーし切れない。
そしてゾーンの左サイドと中央を守る筒井、劉は葛山のカバーをした為にディフェンスが遅れている。
コーナーの森島をマークできるディフェンスは、誰もいなかった。
スパァッ!!!!
第3Q 残り9:43
北陵 36
紅泉 47
北陵、仕切り直したかった後半早々に失点。
点差はついに2桁に。
三上「取り返そう!1本!」
紅泉のディフェンスはマンツーマン。
堂林には、今しがたスリーを決めた森島がついている。
葛山は筒井を、遠藤は野村をマーク。
北陵は第3Qの最初、点を取ると宣言した堂林にボールを託す。
キュキュッ!
森島、堂林がボールを持つと厳しいマーク。
抜かれる事を厭わずボールに積極的に手を出していく。
堂林(スリーは打たせねえつもりか…)
ダム!!!
堂林、ドライブで抜きに行く。
ガッ!!
森島、身体をぶつけながら並走。
堂林(こいつも当たってきやがる…)
バッ!
堂林、競り合いながらもレイアップに跳ぶ。
バッ!
森島もブロックせんと跳ぶ。
その手は、堂林の構えたシュートよりも上。
筒井「なっ…」
(ジャンプ力が高い…!6㎝しか差がないとはいえ堂林と競る高さなんて…!)
バコォッ!
ガッシィィ!!!!
森島、堂林ごとボールを叩きつけるようなブロック。
堂林「がっ…!?」
バッタァーン!!!!
堂林、フロアに叩きつけられる。
ピピーッ!!!
当然、ファウルの笛が鳴る。
審判「ファウル!白7番!」
三上「大丈夫か?堂林?」
堂林「ああ…」
(前半は俺のマークが葛山だったのもあって比較的ラフプレーは食らってこなかったが…そうかこいつもそういうプレイヤーなのか)
堂林、叩きつけられ打ち付けた肘のあたりをさすりつつフリースローレーンへ。
スパッ!
スパッ!!
堂林は2本とも決める。
第3Q 残り9:30
北陵 38
紅泉 47
続いての紅泉のオフェンス。
インサイドの雨宮にボールが入る。
筒井「囲め!」
劉と筒井のダブルチームでインサイドをケア。
ビッ!
雨宮、冷静に外へパス。
ミドルレンジ、ほぼノーマークで遠藤がボールを受ける。
ダム!!
三上がチェックに行くも、カウンターのドライブで抜かれる。
フワッ…!
遠藤、インサイドのヘルプが来る前に高くボールを浮かせブロックをかわす。
パスッ…!
柔らかく静かにネットを揺らしていく。
野村(今の1本でわかる。こいつ単純に上手い…点を取るセンスはかなりありそうだ)
インサイドのパワーとラフプレーを封じようとゾーンディフェンスに切り替え、オフェンスも堂林主体で攻めた北陵の目論見は外れた。
堂林には3&Dタイプでラフプレーも用いる控えの3年生・森島に徹底マークさせ、スリーを激しいディフェンスで封じ、ドライブはハードファウルで封じる。
ディフェンスではゾーンにした北陵を嘲笑うように紅泉の選手が中距離のミドルシュートやスリーを射抜いてくる。
そして、得点源はそれだけではなかった。
スパァッ!!!
「何いいいいい!?」
「センターがスリーポイントを打って決めてきた!?」
「あいつ、あんなゴツい身体して外からも打てるのかよ!?」
雨宮までもが外からスリーを打ってきた。
堂林(チッ…なるほど全員が内外から点を取れる攻撃型のラインナップって訳か…さっきの6番や10番はあまり点を取ってくるタイプじゃなかった…点差をある程度つけたらこのラインナップにして突き放す戦法だったって事か)
紅泉のオフェンシブなラインナップに対して北陵はなかなか点差を詰められない。
だが、活路がなかった訳ではない。
ダム!!!
スイッチから堂林と遠藤が対峙し、堂林が遠藤を抜く。
ビッ!
ヘルプが来る前にストップからのジャンプシュート。
スパッ!!
北陵メンバー「「「よーし!!!」」」
筒井(なるほど…!この12番はディフェンスは…下手ではないが、他の4人と比べると1段階劣る。このポジションから攻め込むのがいいかもしれん)
北陵はここから遠藤の所で堂林のスピードのミスマッチ、フロントコートの選手で高さのミスマッチを突きに行く。
特に高さ、パワー、スキルの揃った筒井のドライブが効果的に決まり
第3Q 残り4:32
北陵 52
紅泉 58
点差が詰まっていく。
ディフェンスで北陵の標的にされた遠藤が取り返すべく動くも空回りし、流れが北陵に傾いていた。
遠藤「ぐ…すみません」
雨宮「ドンマイ。流石に試合巧者の北陵だ。立て続けに狙ってきたな」
橋本「お前の売りはオフェンスだろ、取り返せ」
遠藤「うす」
橋本「遠藤、あれ、やってみろ」
遠藤「う、うす!」
橋本「よし!1本返していくぞ!」
橋本が声を出す。
だがボールを運ぶのは橋本ではなく、遠藤。
遠藤、トップでのボールキープから緩やかに右ウイングへスライドしていく。
ゾーン前列の三上、きっちりとついていく。
堂林「三上!」
三上「!?」
ガシィッ!
三上、いつの間にかコーナーからスクリーンに来ていた森島にぶつかる。
三上「ぐ…!」
(荒っぽいスクリーンだ…ファウルじゃねえのか?)
笛は鳴らない。
これにより、遠藤は右ウイングでノーマーク。
堂林「まずい…!」
堂林がヘルプに出ようとするも、距離がある為間に合わない。
ビッ!!
遠藤、スリーポイントシュート。
スパァッ!!!!
紅泉メンバー「「「よーし!!!!」」」
紅泉のベンチメンバーが一斉に立ち上がる。
遠藤「っしゃ!」
遠藤、軽くガッツポーズしながらディフェンスに戻る。
第3Q 残り4:19
北陵 52
紅泉 61
シンプルにスクリーンをかけてのプルアップでのスリーポイント。
だが北陵はボールマンにこそマークしていたものの、インサイドを固めていた。
結果、外のシュートを打ちやすい状況ができていた。
このプレーから、紅泉が一気に攻め立てる。
ディフェンスでは遠藤を他の4人が上手くカバーし、北陵に攻撃の糸口を掴ませない。
オフェンスでは遠藤のスリーポイントを皮切りに外のシュートが立て続けに決まる。
インサイドでは攻めきれなかったものの、スリーポイントを残り4分から遠藤が再び1本、森島が1本、橋本が1本決める。
対して北陵は、堂林がドライブから打ったタフなプルアップミドルシュートでの2点のみ。
ブーッ!!!
第3Q 終了
北陵 54
紅泉 70
試合の3/4が終わり、北陵まさかの16点ビハインド。
ベスト8進出へ黄色信号が点灯したところに
第4Q開始早々から悪夢が襲う。
……To be continued
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