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第4章 集大成・ウィンターカップ
第244話 最初で最後の揃い踏み
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チーム メンバープロフィール
松本 香音
星垓高校3年
177㎝??kg(女子なので体重は割愛)
誕生日:11/24
血液型:O
バストサイズ:C
特徴:長い髪を後ろでローポニーテールにしているのが特徴。身長もさることながら身体も肩幅がやや広くフィジカルが強い。そのフィジカルでゴール下を支え続けてきたインサイドの大黒柱。だがインサイドだけでなくミドルシュートも得意としている。慎太郎からは「大魔神」と呼ばれ恐れられている。
尚、慎太郎がうっかり本人の前で大魔神と呼んだ際、松本が幼い頃から習っている空手でボコされた。
特技:空手(既に有段者)
趣味:ファッション誌を読むこと
得意教科:数学
苦手教科:英語
得意なプレイ:リバウンド、ブロック
バスケを始めたきっかけ:中学で勧誘されて
密かな悩み:女子にしては背が高いのでそれをネタにされると傷つく
-----------------------------
第4Q 残り2:41
星垓 84
明桜 73
唐沢「さて、これから話すのは実質最後の作戦です」
矢島「実質?」
唐沢「残り時間的に今から遂行してもらう作戦を実行できたなら逆転されることはないからですね」
唐沢、作戦板を取り出す。
唐沢「コートに出るのは…まずは北条君」
そう言ってマグネットを作戦板上、センターライン付近に置く。
それだけで一同、何のセットを使うのか察する。
唐沢「インサイドに最初にセットする3人…そのうち1人目のシューターは新城君。そしてスクリーナーは須川君と髙木君」
マグネットを置いていく。
唐沢「そしてスローインは中山君」
新城「このセットを最大限活かせるメンバーですね」
唐沢「まずはこのセットで、ダメでも北条、新城、髙木の個人技で突破を試みる」
星垓メンバー「「「はい!!」」」
唐沢「シュートが決められなかった場合、ディフェンスはマンツーマン。ですが決まった場合は1度限りマッチアップゾーンを敷きましょう。
そしてその次のオフェンス。明桜に決められても守りきっても、星垓が誇る切り込み隊長、北条君にピストルオフェンスで切り開いてもらいます」
涼真「速攻に行かず…時間を潰すって事ですね。その上で点も取りに行くと」
唐沢「その通りです」
新城「その後は…?」
唐沢「以上です」
髙木「…へ?」
唐沢「その時点で点差が2桁ならば…ディレイドオフェンスを仕掛けなるべく時間を使って攻撃する。
その時点で残り時間は2分を切るでしょうから相手に追いつくだけの時間は残ってない。追いつくために明桜に残された手はファウルゲームに来るしかないって事です。
幸いフリースローが苦手なメンバーはこの5人にはいない。落ち着いてプレーすれば大丈夫です」
ブーッ!!!
タイムアウトが開ける。
星垓はセットオフェンスのフォーメーション。
ハイポストに髙木、新城、須川が並び
慎太郎がスローイン。
涼真はセンターライン付近で待機している。
小池「これは…?」
(初めて見るセットだ…)
近藤「これは…」
霧谷「うちとの練習試合でも使ってきたセットだな」
審判が慎太郎にボールを手渡す。
その瞬間、新城が髙木、須川のスクリーンを使い慎太郎からボールを受けようと動く。
大川(シュータープレー!)
須川「ヘイ!」
大川が着いて行ったのを見て、外に出た須川が慎太郎からボールを受ける。
その瞬間
ダッ!!!
涼真、突如として最高速でダッシュ。
そのまま須川からボールを受ける。
スクリーンをかけた髙木は新城とは逆サイドのコーナーに向かい、中川をインサイドから釣り出す。
小池「しまった…!」
(本命はそっちか…!)
ボールを受けた涼真、邪魔する者は誰もいない。
ドッッッッガァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!
ボースハンドでスラムダンク。
第4Q 残り2:36
星垓 86
明桜 73
星垓メンバー「「「っしゃああああ!!!!」」」
ベンチメンバーも観客席も、拳を握ったり拍手したり両手を突き上げたりと総立ちになる。
残り2分半で13点差。
中嶋「ここであのセットオフェンス…明桜は一気に苦しくなった」
山下「これはもう…奇跡でも起こらない限りひっくり返らない」
村上「しかも…」
小池「!?」
眼前には、1-3-1のゾーン。
涼真を中央に慎太郎を最前線に置き、両ウイングを新城と須川が守る。
そして最後列には髙木。
大川「こ、ここで…」
松島「マッチアップゾーン…」
小池「やられた…流石に唐沢先生だ…」
(采配に一部の隙もない…)
明桜がどれだけボールと人を動かそうともこれまで以上にディフェンスに隙が産まれない。
山下「どうして…?」
村上「簡単な話だ。マッチアップゾーンの肝はパスコースに身体を入れ、ボールとマークマン両方に目を光らせる『オンザライン・アップザライン』だって事は前にも説明しただろ?」
山下「は、はい」
(そう言えば言われたような…って程度だけど)
村上「これに対してプリンストンオフェンスはバックドアカットを多用するオフェンスだ。
バックドアカットを成功させるには主に、ディフェンスがマークマンから目を切った隙を狙う必要がある。だがマッチアップゾーンはパスコースを消すと同時にボールとマークマン、両方に常に目を光らせるディフェンスだ」
山下「あ…!」
中嶋「言わば『天敵』なんですよ。プリンストンオフェンスにとってマッチアップゾーンってのは。
仮に裏を取られても、ゾーンである以上ヘルプはカバーしやすい」
山下「なら…マッチアップゾーンをずっとやってれば失点はもっと防げたのでは…」
村上「そこが唐沢監督の狡猾な所だな」
ブーッ!!!
ガンッ!
小池が24秒ギリギリでディフェンスをかわしきれぬまま打ったシュートが外れる。
小池(くそ…その気になればマッチアップゾーンをもっと多用する事もできたろうに…1番されて嫌なディフェンスをあえてここぞって場面までのワンポイントに取っておいて心を折りにくるなんて…)
バシッ!
リバウンドは髙木。
ビッ!
涼真がボールを受け取り、ボールを運ぶ。
そしてそこに新城がスクリーンに来る。
大川(またピストル…でもわかってればやられねえ!)
だがここで、大川も予想しなかった事が起こる。
新城のスクリーンの後ろに、須川が更にスクリーン。
ダム!!
2枚のスクリーンを使い、涼真がドライブ。
やや遅れて新城が須川のスクリーンを使い、ゴール下にダイブ。
大川(なんだそりゃ…これはまるで…)
バス!!
涼真のパスを受けた新城がレイアップを決める。
小池「ピストルオフェンスとスペインピックを足したみたいだ…」
(悔しいがあらゆる面で星垓が1枚上手か…)
小池、電光掲示板を見る。
第4Q 残り1:59
星垓 88
明桜 73
小池「…フッ」
小池、僅かに笑みを見せる。
悔しげに、それでいて充実感を見せて。
小池「詰めるぞ!1本!」
大川「時間ない!空いたら打つぞ!」
だが、星垓のディフェンスは隙を見せない。
ノーマークが生まれない。
ガンッ!!
結果、タフショットで終わってしまう。
中川「おおおおおおおおおおっ!!!!」
髙木「負けるか!!!!」
バチッ!!
中川と髙木がリバウンドを争い、2人とも弾き
低い位置で慎太郎がルーズボールをかっ攫う。
小池「くっ…」
バチッ!!
ピピーッ!!!
審判「ファウル!赤7番!」
慎太郎に1歩遅れた小池が慎太郎の手を叩きファウルに。
ブーッ!!!
オフィシャル「タイムアウト!赤!」
第4Q 残り1:40
星垓 88
明桜 73
明桜、最後のタイムアウト。
勝敗は、ほぼ決した。
ここからの逆転は99%ない。
いや、唐沢監督の打つ手を考えれば100%かもしれない。
それでも明桜のメンバーは、目に光るものがありつつも前を向く。
唐沢「素晴らしいゲーム、素晴らしい対戦相手でした。ではここから最後まで気を抜かず…ディレイドでオフェンスを終わらせ、しっかり守る。これだけです」
星垓メンバー「「「はい!!」」」
唐沢「さて北条君、君はあと1リバウンドで2試合連続のトリプルダブルがかかってます。残り時間を考えれば充分に達成できる。聞いた話だと日本でバスケットボールが始まって以来、高校バスケで2試合連続トリプルダブルを達成した選手はいないそうです」
涼真「…待ってください」
唐沢「何です?」
涼真「俺は記録なんて正直どうでもいいっす。それよりも1つ忘れてやしませんか?先生」
唐沢「…と言いますと?」
涼真「…昨年…1年前の今日、同じ舞台、同じ相手に悔しい思いしたのは誰っすか?」
唐沢「…」
涼真「この試合、スタッツで言えば俺の数字が抜きん出てるとしても…3年生が要所を締めてくれたから今のこの状況があります。
だからこそ俺は…3年生が昨年のリベンジを果たして明桜を倒す姿を見たい。
って訳で俺は明日に備えて残り時間、ベンチに座らせてもらっても良いですよね」
中澤「お前…」
矢島「出てれば史上初の偉業のチャンスがあるってのに…ま、お前らしいけどな」
唐沢「では残り時間、勝負の5人は…ガードに中澤君、矢島君。センターに髙木君。
そしてフォワードに…新城君と…小宮山君」
3年生「「「はい!!!」」」
唐沢「メンバーが代わろうともやるべき事は変わりません。指示は1つだけです」
唐沢、3年生全員の顔を見た後、指示を出す。
唐沢「残り時間を悔いなくプレーし、そして勝ってきなさい」
3年生「「「はい!!!!!」」」
星垓
5 中澤 透 177㎝ 3年
6 矢島 薫 181㎝ 3年
4 新城 敦史 185㎝ 3年
18 小宮山 悟 182㎝ 3年
7 髙木 悠介 199㎝ 3年
明桜
7 小池 達海 178㎝ 3年
4 大川 博司 184㎝ 3年
9 松島 淳平 188㎝ 3年
15 内野 祐希 187㎝ 3年
14 中川 大和 196㎝ 3年
村上「両チーム3年生だけの構成になったな」
山下「星垓は県大会では18番の小宮山君が出れませんでしたよね…なんかようやく、って感じがします」
髙木「やっと…やっとこの5人で戦えるな」
中澤「初じゃないか?このラインナップ」
矢島「明日以降の相手を考えると、このラインナップは最初で最後かもな」
小宮山「ああ…たった1分半…でも、生涯忘れられない時間になりそうだ」
新城「よーし…行くぞお前ら!」
3年生「「「おう!!!」」」
……To be continued
松本 香音
星垓高校3年
177㎝??kg(女子なので体重は割愛)
誕生日:11/24
血液型:O
バストサイズ:C
特徴:長い髪を後ろでローポニーテールにしているのが特徴。身長もさることながら身体も肩幅がやや広くフィジカルが強い。そのフィジカルでゴール下を支え続けてきたインサイドの大黒柱。だがインサイドだけでなくミドルシュートも得意としている。慎太郎からは「大魔神」と呼ばれ恐れられている。
尚、慎太郎がうっかり本人の前で大魔神と呼んだ際、松本が幼い頃から習っている空手でボコされた。
特技:空手(既に有段者)
趣味:ファッション誌を読むこと
得意教科:数学
苦手教科:英語
得意なプレイ:リバウンド、ブロック
バスケを始めたきっかけ:中学で勧誘されて
密かな悩み:女子にしては背が高いのでそれをネタにされると傷つく
-----------------------------
第4Q 残り2:41
星垓 84
明桜 73
唐沢「さて、これから話すのは実質最後の作戦です」
矢島「実質?」
唐沢「残り時間的に今から遂行してもらう作戦を実行できたなら逆転されることはないからですね」
唐沢、作戦板を取り出す。
唐沢「コートに出るのは…まずは北条君」
そう言ってマグネットを作戦板上、センターライン付近に置く。
それだけで一同、何のセットを使うのか察する。
唐沢「インサイドに最初にセットする3人…そのうち1人目のシューターは新城君。そしてスクリーナーは須川君と髙木君」
マグネットを置いていく。
唐沢「そしてスローインは中山君」
新城「このセットを最大限活かせるメンバーですね」
唐沢「まずはこのセットで、ダメでも北条、新城、髙木の個人技で突破を試みる」
星垓メンバー「「「はい!!」」」
唐沢「シュートが決められなかった場合、ディフェンスはマンツーマン。ですが決まった場合は1度限りマッチアップゾーンを敷きましょう。
そしてその次のオフェンス。明桜に決められても守りきっても、星垓が誇る切り込み隊長、北条君にピストルオフェンスで切り開いてもらいます」
涼真「速攻に行かず…時間を潰すって事ですね。その上で点も取りに行くと」
唐沢「その通りです」
新城「その後は…?」
唐沢「以上です」
髙木「…へ?」
唐沢「その時点で点差が2桁ならば…ディレイドオフェンスを仕掛けなるべく時間を使って攻撃する。
その時点で残り時間は2分を切るでしょうから相手に追いつくだけの時間は残ってない。追いつくために明桜に残された手はファウルゲームに来るしかないって事です。
幸いフリースローが苦手なメンバーはこの5人にはいない。落ち着いてプレーすれば大丈夫です」
ブーッ!!!
タイムアウトが開ける。
星垓はセットオフェンスのフォーメーション。
ハイポストに髙木、新城、須川が並び
慎太郎がスローイン。
涼真はセンターライン付近で待機している。
小池「これは…?」
(初めて見るセットだ…)
近藤「これは…」
霧谷「うちとの練習試合でも使ってきたセットだな」
審判が慎太郎にボールを手渡す。
その瞬間、新城が髙木、須川のスクリーンを使い慎太郎からボールを受けようと動く。
大川(シュータープレー!)
須川「ヘイ!」
大川が着いて行ったのを見て、外に出た須川が慎太郎からボールを受ける。
その瞬間
ダッ!!!
涼真、突如として最高速でダッシュ。
そのまま須川からボールを受ける。
スクリーンをかけた髙木は新城とは逆サイドのコーナーに向かい、中川をインサイドから釣り出す。
小池「しまった…!」
(本命はそっちか…!)
ボールを受けた涼真、邪魔する者は誰もいない。
ドッッッッガァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!
ボースハンドでスラムダンク。
第4Q 残り2:36
星垓 86
明桜 73
星垓メンバー「「「っしゃああああ!!!!」」」
ベンチメンバーも観客席も、拳を握ったり拍手したり両手を突き上げたりと総立ちになる。
残り2分半で13点差。
中嶋「ここであのセットオフェンス…明桜は一気に苦しくなった」
山下「これはもう…奇跡でも起こらない限りひっくり返らない」
村上「しかも…」
小池「!?」
眼前には、1-3-1のゾーン。
涼真を中央に慎太郎を最前線に置き、両ウイングを新城と須川が守る。
そして最後列には髙木。
大川「こ、ここで…」
松島「マッチアップゾーン…」
小池「やられた…流石に唐沢先生だ…」
(采配に一部の隙もない…)
明桜がどれだけボールと人を動かそうともこれまで以上にディフェンスに隙が産まれない。
山下「どうして…?」
村上「簡単な話だ。マッチアップゾーンの肝はパスコースに身体を入れ、ボールとマークマン両方に目を光らせる『オンザライン・アップザライン』だって事は前にも説明しただろ?」
山下「は、はい」
(そう言えば言われたような…って程度だけど)
村上「これに対してプリンストンオフェンスはバックドアカットを多用するオフェンスだ。
バックドアカットを成功させるには主に、ディフェンスがマークマンから目を切った隙を狙う必要がある。だがマッチアップゾーンはパスコースを消すと同時にボールとマークマン、両方に常に目を光らせるディフェンスだ」
山下「あ…!」
中嶋「言わば『天敵』なんですよ。プリンストンオフェンスにとってマッチアップゾーンってのは。
仮に裏を取られても、ゾーンである以上ヘルプはカバーしやすい」
山下「なら…マッチアップゾーンをずっとやってれば失点はもっと防げたのでは…」
村上「そこが唐沢監督の狡猾な所だな」
ブーッ!!!
ガンッ!
小池が24秒ギリギリでディフェンスをかわしきれぬまま打ったシュートが外れる。
小池(くそ…その気になればマッチアップゾーンをもっと多用する事もできたろうに…1番されて嫌なディフェンスをあえてここぞって場面までのワンポイントに取っておいて心を折りにくるなんて…)
バシッ!
リバウンドは髙木。
ビッ!
涼真がボールを受け取り、ボールを運ぶ。
そしてそこに新城がスクリーンに来る。
大川(またピストル…でもわかってればやられねえ!)
だがここで、大川も予想しなかった事が起こる。
新城のスクリーンの後ろに、須川が更にスクリーン。
ダム!!
2枚のスクリーンを使い、涼真がドライブ。
やや遅れて新城が須川のスクリーンを使い、ゴール下にダイブ。
大川(なんだそりゃ…これはまるで…)
バス!!
涼真のパスを受けた新城がレイアップを決める。
小池「ピストルオフェンスとスペインピックを足したみたいだ…」
(悔しいがあらゆる面で星垓が1枚上手か…)
小池、電光掲示板を見る。
第4Q 残り1:59
星垓 88
明桜 73
小池「…フッ」
小池、僅かに笑みを見せる。
悔しげに、それでいて充実感を見せて。
小池「詰めるぞ!1本!」
大川「時間ない!空いたら打つぞ!」
だが、星垓のディフェンスは隙を見せない。
ノーマークが生まれない。
ガンッ!!
結果、タフショットで終わってしまう。
中川「おおおおおおおおおおっ!!!!」
髙木「負けるか!!!!」
バチッ!!
中川と髙木がリバウンドを争い、2人とも弾き
低い位置で慎太郎がルーズボールをかっ攫う。
小池「くっ…」
バチッ!!
ピピーッ!!!
審判「ファウル!赤7番!」
慎太郎に1歩遅れた小池が慎太郎の手を叩きファウルに。
ブーッ!!!
オフィシャル「タイムアウト!赤!」
第4Q 残り1:40
星垓 88
明桜 73
明桜、最後のタイムアウト。
勝敗は、ほぼ決した。
ここからの逆転は99%ない。
いや、唐沢監督の打つ手を考えれば100%かもしれない。
それでも明桜のメンバーは、目に光るものがありつつも前を向く。
唐沢「素晴らしいゲーム、素晴らしい対戦相手でした。ではここから最後まで気を抜かず…ディレイドでオフェンスを終わらせ、しっかり守る。これだけです」
星垓メンバー「「「はい!!」」」
唐沢「さて北条君、君はあと1リバウンドで2試合連続のトリプルダブルがかかってます。残り時間を考えれば充分に達成できる。聞いた話だと日本でバスケットボールが始まって以来、高校バスケで2試合連続トリプルダブルを達成した選手はいないそうです」
涼真「…待ってください」
唐沢「何です?」
涼真「俺は記録なんて正直どうでもいいっす。それよりも1つ忘れてやしませんか?先生」
唐沢「…と言いますと?」
涼真「…昨年…1年前の今日、同じ舞台、同じ相手に悔しい思いしたのは誰っすか?」
唐沢「…」
涼真「この試合、スタッツで言えば俺の数字が抜きん出てるとしても…3年生が要所を締めてくれたから今のこの状況があります。
だからこそ俺は…3年生が昨年のリベンジを果たして明桜を倒す姿を見たい。
って訳で俺は明日に備えて残り時間、ベンチに座らせてもらっても良いですよね」
中澤「お前…」
矢島「出てれば史上初の偉業のチャンスがあるってのに…ま、お前らしいけどな」
唐沢「では残り時間、勝負の5人は…ガードに中澤君、矢島君。センターに髙木君。
そしてフォワードに…新城君と…小宮山君」
3年生「「「はい!!!」」」
唐沢「メンバーが代わろうともやるべき事は変わりません。指示は1つだけです」
唐沢、3年生全員の顔を見た後、指示を出す。
唐沢「残り時間を悔いなくプレーし、そして勝ってきなさい」
3年生「「「はい!!!!!」」」
星垓
5 中澤 透 177㎝ 3年
6 矢島 薫 181㎝ 3年
4 新城 敦史 185㎝ 3年
18 小宮山 悟 182㎝ 3年
7 髙木 悠介 199㎝ 3年
明桜
7 小池 達海 178㎝ 3年
4 大川 博司 184㎝ 3年
9 松島 淳平 188㎝ 3年
15 内野 祐希 187㎝ 3年
14 中川 大和 196㎝ 3年
村上「両チーム3年生だけの構成になったな」
山下「星垓は県大会では18番の小宮山君が出れませんでしたよね…なんかようやく、って感じがします」
髙木「やっと…やっとこの5人で戦えるな」
中澤「初じゃないか?このラインナップ」
矢島「明日以降の相手を考えると、このラインナップは最初で最後かもな」
小宮山「ああ…たった1分半…でも、生涯忘れられない時間になりそうだ」
新城「よーし…行くぞお前ら!」
3年生「「「おう!!!」」」
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