BUZZER OF YOUTH

Satoshi

文字の大きさ
上 下
237 / 268
第4章 集大成・ウィンターカップ

第235話 次元が違う

しおりを挟む
チーム メンバープロフィール

笹本ささもと あゆむ

洛阪高等学校3年
181㎝77kg

誕生日:7/13

血液型:O

特徴:パーマがややかかったショートヘアが特徴。身体能力に優れたコンボガードでダンクも軽々とする程。勤勉かつ冷静で勝負所では高松も舌を巻く強心臓ぶりを発揮する事もある。また非常に耳がいい。本人曰く靴などの擦れる音などでコートの状況を把握している為視野が広いとの事。

特技:体育館のバッシュの擦れるスキール音や足音で誰なのかわかる

趣味:バスケをしていようといまいと、体育館にいること

得意教科:数学

苦手教科:特になし

得意なプレイ:基本的になんでも

バスケを始めたきっかけ:小4でミニバスに入団して

密かな悩み:新チームになった時に主将をやりたくないのだが、先輩達からはほぼ満場一致で指名されそうな空気になってる事



-----------------------------
















第1Q終了

星垓        31
工芸館       21









山下「第1Q前半は互角…でもそこから星垓が突き放した」










中嶋「僅か4分足らずで14-5のラン…波に乗った星垓はやはり強い」










村上「得点もそうだが、失点もしっかり防いでる。何か手を打たないと工芸館はここからみるみる離されていくぞ」
(とは言え…打つ手があるのかは疑問だが)














果たして第2Q、村上の懸念通りとなった。

















スパァッッ!!!!













「北条のスリー!!!!」










「ダンクにスリーに…何でもありだアイツ!」















涼真がその得点力でチームに勢いをつける。














第2Q 残り6:11

星垓        48
工芸館       25














涼真、この時点で既に21得点。












1年生ながらその圧倒的な得点力を惜しみなく披露していた。











髙木は6得点、9リバウンドを記録。









それだけでなくマリックからオフェンスファウルを誘発するなど、第1Q後半からマリックに1得点も許さない好ディフェンスを見せる。

















ブーッ!













交代メンバーチェンジ星垓!」















神崎に替えて、須川を投入。














新城、真田に替えて慎太郎、翔太を投入。














サイズは小さくなったものの、スピードは先程のラインナップよりも上。














バシィッ!












髙木がディフェンスリバウンド。
これで10リバウンド。














素早く慎太郎にアウトレットパス。














慎太郎「走れ!!」













慎太郎が猛スピードでボールを運ぶのと同時に涼真、翔太が真っ先に走る。












ディフェンスに戻れているのは、マリックと辻本のみ。














新城「アウトナンバーだ!攻めきれ!」














慎太郎、前線の涼真にパス。














バチッ!












涼真、弾くようにパス。












翔太が走り込み、レイアップを打たんとする。














バッ!












マリックがブロックに跳ぶ。













本山「よし!」
(これは止めただろ!)














だが












翔太、マリックに身体を預けながらゴール下をくぐり抜け、バックシュート。












マリックのブロックは届かない。












マリック「くっ…」














ガシィッ!!!!












翔太「いてっ」












止めようと無理をするあまり、翔太に強く接触。














ピピーッ!!!!















バス!!!















審判の笛が鳴る中、ボールはボードに当たりリングを通過。















審判「ファウル!黄色5番マリック!バスケットカウントワンスロー!」















星垓メンバー「「「よーし!!!!」」」













春香「すごい!翔太君…!」
(あれだけ身長差があるのに)















優花「やったやった!」











糸織里「よかったね、かののん」











華音「…うん!」←翔太と付き合ってる













マリック「…」
(小さいのに速いし上手い…!日本人でもこれだけやれるなんて…)











ファウルを宣告され、手を挙げるマリック。











オフィシャルに表示されているファウル数は「3」。
※5つで退場













辻本「まずいな…ファウル抑えろよ、マリック」











マリック「はい」

















スパッ!












翔太はワンスローもきっちり決める。














辻本「リスタート!」














辻本、ボールを運ぶ。















キュキュッ!











慎太郎が厳しいディフェンス。











辻本「チッ」
(振り切れない)

















辻本、なんとか8秒ギリギリでボールをフロントコートに運ぶ。














中澤「星垓が誇る1年チョロQコンビだ。振り切るのも捕まえるのも大変だぜ?」













バチッ!










慎太郎、ボールを弾く。













辻本「あぶねっ」













なんとかボールを保持するも、ドリブルを止めてしまった辻本。











キュキュッ!












たちまち慎太郎にプレッシャーをかけられる。











他の星垓メンバーはパスコースを消し、苦し紛れのパスをカットせんと待ち構える。













佐藤「辻本だけにやらせるな!動くぞ!」












工芸館メンバー、懸命に走りボールを受けようとするも、星垓メンバーの機動力の前にボールを受けられない。













5秒オーバータイムギリギリで本山が至近距離まで走りなんとかボールを受ける。













キュキュッ!!













ここには翔太の激しいディフェンス。













ブーッ!!!













辻本「!?」







本山「!?」












審判「24秒!オーバータイム!」















立花「も、もう?」







辻本「ディフェンスをかわすだけで精一杯だったってのに…」









本山「じ…次元が違う」












第3シードにして優勝候補の一角である星垓のディフェンスの強度にバックコート陣、言葉を無くす。














慎太郎「攻めるぞ!1本!」













慎太郎が声を出す。











ダム!













だが、ボールを運ぶのは涼真。













そこに翔太がスクリーンをかけにくるいわゆる「インバートスクリーン」の形。











辻本(まただ…このガードのスクリーンでハンドラーが抜く形…)











立花、本山が涼真へ意識を向けた瞬間













ビッ!












涼真は瞬時にロールでインサイドへ切れ込んだ翔太へパス。












本山「(しまった…)ヘルプ頼む!」












だが、ゴール下にはマリックはじめ誰もいない。












マリックはトップで髙木のマークで釣り出され、他の選手は逆サイドでのスクリーンプレーに気を取られヘルプに備えていなかった。














バス!!











翔太、楽々レイアップを決める。














涼真の得点力を気にすれば、他の選手が涼真のパスを受け得点する。












そしてディフェンスでも、慎太郎と翔太の高速ガードコンビの前に工芸館は難しいシュートを選択させられ、得点が伸びない。














ガン!













バシッ!











外れたシュートのリバウンドを、涼真が取る。

















梅村「涼真のやつ、リバウンドも強くなったな…」










村越「身体が明らかにビルドアップしてるからな。それだけじゃなく身体の軸がブレてない。体幹も鍛えたみたいだな」













マリック「…!」
(俺がこんなにリバウンドを取れないなんて…!)













初戦で22リバウンドを記録したマリック。












だがこの日は、髙木や神崎、須川、涼真に競り負ける場面も多く未だ3リバウンドに抑えられている。













そして…


















第2Q 残り3:01

星垓        59
工芸館       28













バシィッ!











涼真がまたしてもディフェンスリバウンドを奪取。












マリックの伸ばした手より更に上でボールを弾き、2度目のジャンプで掴み取る。













マリック(くそ…!何なんだこの選手は…!?何でもありなのか…?)









明らかにフラストレーションの溜まってきたマリック。





















涼真は得点こそ21で止まっていたものの、既に6アシスト、8リバウンド。
















残り4分の時点で慎太郎に替えてコートに戻った新城がボールを運ぶ。













右ウイングにボールを運んだ新城に対し涼真がスクリーン。














ビッ!












ロールした涼真にパス。














マリック「止めてやる…!」











マリック、髙木のマークを外しゴール下へ走っていた。














バッ!











涼真、右手でボールを振りかぶりながら跳躍。














バッ!!






マリックもブロックせんと跳ぶ。












高さは互角。














だが






















クイッ!












涼真、振りかぶっていたボールを右手で持ち替え

















フワッ…














手首のスナップのみでフワリと浮かせる。













このシュートがマリックのブロックを超えていく。
















バチッ!!













一瞬遅れて、マリックの手が涼真の手を叩いた。
















ピピーッ!!!













マリック(しまった…!)
















審判の笛が鳴る中



















パサッ…













優しく静かに、ボールがリングを通過した。



















審判「ファウル!黄色5番マリック!バスケットカウントワンスロー!」






















「うおおおおおおおおおお!?」








「スゲェプレーが出た!」








「完全にボールをハンドボールみたいに掴んでたぞ!?どんな手のデカさと握力だよ!?」








「いや、その後のシュートのコントロールもヤバいだろあれ!?」










「しかも…!!!」


















オフィシャル席に表示されているファウル数は「4」。














山下「ここでマリック君がファウルトラブル…」














中嶋「まだ前半も終わってませんが…これは大きい…大きすぎる」













村上「ほぼ決まったな」
















審判「ワンスロー!」













会場内がどよめく中、涼真は審判からボールを受け取りフリースロー。



















スパッ!!













3点プレーを完成。














第2Q 残り2:52

星垓        62
工芸館       28
















ブーッ!!















オフィシャル「交代メンバーチェンジ黄色工芸館!」













マリックがベンチに下がる。













替わって入ったのは、山田という名のせいぜい190㎝程のセンター。














工芸館は、マリックが欠けていつも通りのオフェンスができない。



















バコォッ!!!













インサイドで果敢に攻め込むも髙木のブロックに叩き落とされる。













新城「走れ!」










こぼれ球を拾った新城、そのままボールを運ぶ。











新城の声で星垓メンバーが走る。















新城から、コート中央を走る涼真へ。














涼真から、更に前を走る翔太へ。



















バス!!!













速攻から翔太がレイアップを決める。














前半残り1分で辻本がタフなスリーをねじ込むも、星垓のオフェンスを止める事ができなかった。












涼真は残りの3分弱で、更に2アシストを記録。













前半だけで24得点、9アシスト、8リバウンドと完全に試合を支配した。































ブーッ!!!!
















前半終了

星垓        70
工芸館       31














マリック「…」
(シード校だろうと日本人相手なら身体能力でどうにでもなると思ってた…甘かった…強さの次元が違う…バスケットボールの理解度でも戦術でも、1人1人の完成度も…)













マリック、星垓ベンチを見る。












そこには、ドリンクを飲みつつ新城と会話している涼真。














マリック(おまけに身体能力も遜色ないとなれば…勝てる訳が無い)





















……To be continued
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

俺だけレベルアップが止まらない

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:34

魔力ゼロの天才、魔法学園に通う下級貴族に転生し無双する

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:1,774

可愛い幼馴染はヤンデレでした

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:106pt お気に入り:80

遠別最終便

ミステリー / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:3

妹の妊娠と未来への絆

恋愛 / 完結 24h.ポイント:198pt お気に入り:32

処理中です...