BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第4章 集大成・ウィンターカップ

第234話 男子の初戦

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チーム メンバープロフィール

田村たむら 大和やまと

洛阪高等学校3年
196㎝90kg

誕生日:1/17

血液型:A

特徴:ストレートなサラサラヘアーのごく普通の髪型。洛阪の選手だけあってオールラウンダーだが、特にディフェンス力は全国でも屈指の実力を持つ。涼真にインターハイで63得点を許すまではマッチアップ相手に25得点以上を許した事はなかった。
洛阪では塚森らと一緒に高松によく振り回されている。
卒業後は関東1部、大洋文化大学への進学が決まっている。

特技:細かい作業

趣味:漫画を読む事

得意教科:英語

苦手教科:特になし

得意なプレイ:ディフェンス

バスケを始めたきっかけ:小1でミニバスに入団して

密かな悩み:高松が起きないと大谷が運ぶ事になるのだが、それを支えるのは大抵田村



-----------------------------
















ビッ!











レフェリーがボールを投げ上げる。














バチッ!















マリックと髙木、高さは互角。














マリック「!?」
(日本人と互角…?)














髙木「チッ」
(反応はこっちが良かったが…)











ズザァッ!!









バシッ!











このボールを真田が飛び込んで取る。
















新城「ナイスだ。1本!」












新城、真田からボールを受けトップでドリブルキープ。






星垓(ユニフォーム白)

4 新城 敦史       185㎝ 3年
9 真田 直斗       185㎝ 2年
10 北条 涼真       191㎝ 1年
8 神崎 健太       193㎝ 2年
7 髙木 悠介       199㎝ 3年



工芸館(ユニフォーム黄色)

4 辻本 孝志       178㎝ 3年
8 本山 颯太       174㎝ 3年
6 立花 悠斗       182㎝ 3年
7 佐藤 翼        184㎝ 3年
5 アレックス・ マリック 201㎝ 2年






新城(さて、どこで攻めようか…)











工芸館のディフェンスはポジション通りのマンツーマン。












エースの涼真には立花が厳しいフェイスガード。











インサイドでは髙木にマリックがピッタリマーク。











真田には本山がフェイスガード。













新城(うちの得点源をしっかりマークしてる。これは研究してきてるな)













ダム!!












新城、ドライブ。













辻本「く…」
(ドライブのキレは流石だ…!)















ガシッ!












神崎のスクリーンで新城が辻本のマークを振り切る。











佐藤がヘルプに来る前にジャンプシュート。














ガッ!!












新城「!」











佐藤、ブロックは間に合わずも新城の目線を塞いでいた。













リバウンドはマリック。












マリック「1本取ろう!」
※日本への留学前から日本語を勉強していた為、日本語が堪能なマリック













辻本「1本!」












辻本がボールを運ぶ。










ビッ!










辻本、ローポストに構えたマリックにボールを入れる。












マリック、背中で髙木のディフェンスの位置を確認。











ダム!!












マリック、スピンムーブで髙木の背後に回り込み、ゴール下へ。











バス!!!












髙木、懸命に手を伸ばすもゴール下を決められる。











髙木「高え…!」














工芸館メンバー「「「よーしっ!!!!」」」










第1Q 残り9:30

星垓        0
工芸館       2












髙木「くそ…」












新城「切り替えるぞ!1本!」











新城、声を出す。













だがボールを運んでいるのは、新城ではなく涼真。













立花(こいつがポイントガードをするのか?)













涼真、右サイドにボールを運ぶ。












遅れてトップに髙木が入ってくる。










それに釣られ、マリックもトップで髙木をマーク。












ダム!










涼真、そこからドライブ。













立花(速…)












ガシィッ!










立花、新城のスクリーンにかかる。













涼真、辻本にマークされながらも離陸。











ビッ!













涼真、辻本が伸ばした手の遥か上でレイアップをリリース。











バス!!












第1Q 残り9:13

星垓        2
工芸館       2













ここから暫くは点の取り合いになる。













マリックが髙木の上からゴールを決めれば、涼真がヘルプに来たマリックのブロックをスクープショットでかわし、ゴールを決める。













星垓のメンバーが固さが取れていない事もあり、互角の展開に。















第1Q 残り4:30

星垓        17
工芸館       16














唐沢「…」














ダム!!













マリック、髙木に対して再びポストアップからスピンムーブ。













だが髙木、これに対して反応し抜かせない。














ピタ!













マリック、ボールを両手で保持しドリブルを止める。













涼真「…!」

















慎太郎「お…?」
(涼真が一昨日気にしてたプレーだな)
















ビッ!












マリック、そこから外の本山にパス。












だがここは真田がキッチリマークしシュートを打たせない。
















マリック「ヘイ!」













マリック、再びローポストでボールを要求。












新城「切れてスペースを空けるんじゃなく、またポストアップ…?」
















バチッ!!











真田「余所見は禁物!」














本山がパスを入れるか迷った隙を突き、真田がボールを弾く。

















だがこのボールはラインを割り、アウトオブバウンズ。














ブーッ!!!














オフィシャル「タイムアウト!星垓!」














第1Q 残り4:19

星垓        17
工芸館       16















唐沢、選手をベンチに座らせる。
















唐沢「どうです?ウインターカップの雰囲気は」













新城「攻めれてないって事はないですけど…インサイドがデカくて守備範囲も広いせいかまだまだ縮こまってる感じがしますね」












髙木「もう10点、あのセネガル人に許してるしな…」













唐沢「そうですね。では…あのセンターについて話しましょう」












唐沢、作戦板を取り出す。













唐沢「相手のセンター…マリック君は確かに身体能力も体の作りも日本人離れしている。ですがそのプレーはまだまだ未熟です。
現にオフェンスのパターンはセカンドブレイクで走り込んできてのレイアップ、ローポストでポストアップしてのアタック、ドライブでのレイアップの3パターンしかない」












髙木「確かに…」










神崎「初戦の映像でも同じでしたね」











唐沢「インサイドアタックやドライブで突くドリブルも1回しか毎回してこない。そこを止められるとボールを保持し、高さにまかせてシュートを打つかパスを選択している。
テクニックで髙木君を華麗に抜き去るようなプレーはできない。そしてゴールから遠すぎる時はパワードリブルで押し込む事もしてこない。つまり高さでは勝てなくても、パワーとテクニックでは圧倒的に髙木君が上って事です」













涼真(なるほど、やっぱりできないからドリブルを止めるし、立ち往生するんだな)












真田「んじゃ、やる事は決まってきましたね」











髙木「俺がマリックを1対1で抑え込めばいいって事だな」













新城「スピードもそこそこだが、来るとわかってるプレーにやられやしねえだろ?髙木」













髙木「もちろんだ」












唐沢「それでいい。相手はマリック君にとにかく1度預け、そこで決められればよし。ダメでも他のシューターが外から射抜くプランでいる。
パスアウトにも注意すること」













星垓メンバー「「「はい!!」」」













唐沢「そしてオフェンスは今のところこのままで問題ない。相手はスペインピック、ピストルオフェンス、スタックアウトに対応しきれてはいません。
まずはディフェンス。ここで失点をしっかり防いで主導権を握りましょう」












星垓メンバー「「「はい!!!」」」

















ブーッ!













タイムアウトがあける。















唐沢「あ、そうそう」












唐沢、ベンチを見る。














唐沢「中山君、須川君、日向君。それと小笠原君。君たちはいつでも出れるよう準備しておいてください」











須川「承知しました」







慎太郎「了解っす」









唐沢「ベンチから出場したら各々、やるべき事はわかってますね?」











大樹「もちろんです!」












翔太「準備できてます」

















唐沢「よろしい」


















工芸館ボールから試合再開。













辻本「時間ないぞ!」













24秒タイマーは残り9秒。














スローインからボールを受けた辻本、すかさずローポストのマリックにボールを入れる。












ダム!










マリック、再びドリブルで髙木をかわそうと試みる。













だがドリブルを突いた先には髙木が既に回り込んでいる。














マリック「ぐ…」











マリック、ドリブルを止める。











マリック(ダメだ…この位置じゃ攻められない)












5…4…
















24秒タイマーが見る見る0に向かっていく。










すかさず星垓の残りの4人がディフェンスのプレッシャーを強め、パスを出させない。












マリック(パスコースもない!)















ピーッ!!!













審判「3秒!オーバータイム!」
※オフェンスはボールを持っていようといまいとペイントエリアの四角形に3秒を超えて留まってはいけない。














中澤「よしよし!グッディだ髙木!」












矢島「まずは1本止めた!」













星垓のスローイン。













今度は新城がボールを運ぶ。












新城には真田がスクリーンに来る。











本山(またこのパターンか…!)











新城、真田のスクリーンから横にスライドしただけ。










真田はそのまま、トップの髙木にスクリーン。











髙木、そこから更に新城へスクリーンに行く。












ダム!!!














新城、今度こそ髙木のスクリーンを使ってドライブ。











そこからロールした髙木へとパスが入る。










マリック「打たせない…!」











ガシィッ!











目の前には、涼真のスクリーン。












髙木、ゴール下でノーマーク。



















ドッガァァァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!














ボースハンドダンクでフィニッシュ。














佐藤「く…!」










本山「強え…」











辻本「切り替えるぞ!1本!」














立花が辻本にリスタートのパスを入れる。

















バチィッ!














真田「油断大敵!」














真田がボールを弾く。












両チームがボールの行方を追う中、ボールは…工芸館に取って最も嫌な男の元へ転がり込んだ。














涼真「よし」














涼真、ワンドリブルから跳躍。












マリック「させない!」















反応したマリック、横からブロックに跳ぶ。













涼真(だろうと思ったぜ)














ガシィッ!!!













涼真とマリック、空中で交錯。













マリック「!?」













マリックは、空中で涼真と接触しバランスを崩した。












マリック(なんてパワー…!)














涼真、空中で微塵も揺るがず。
















ピーッ!!!
















審判の笛が鳴る中
















ドッッガァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!

















強烈なワンハンドダンクを叩き込む。
















マリックは着地し膝をついている。














涼真は両足で着地し、審判の方を見る。














審判「ファウル!黄色5番マリック!バスケットカウントワンスロー!」

















「うおおおおおおお!?」









「すげえダンク!」









「留学生が吹っ飛ばされただと!?」














霧谷「魅せてくれるじゃねえか、北条」
















堂林「秋よりパワーも上がったか…いや、身体の使い方が今までと違う。また上手くなりやがったな」











武田「面白ぇ…準決勝が楽しみだ。それまでコケんなよ、涼真」
(とはいえ、あれはすげえな)

















見ていた者達の度肝を抜くスーパープレー、炸裂。














涼真のこのダンクで、星垓は更に勢いに乗る。













ディフェンスでは髙木がマリックをシャットアウトし、第1Qの残りで無得点に抑える。












そこからのパスも防がれ、工芸館は時折入るミドルシュートやスリーでしか点が取れない。













そして、新城、涼真、髙木がオフェンスで躍動。










工芸館を一気に突き放す。

















ブーッ!















第1Q終了

星垓        31
工芸館       21

















……To be continued
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