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第4章 集大成・ウィンターカップ
第225話 トライアングルオフェンス
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チーム メンバープロフィール
本庄 智洋
舟栄高等学校2年
191㎝85kg
誕生日:8/27
血液型:AB
特徴:ツーブロックに逆立った髪の毛が特徴。
飄々としつつ天然な性格で、周囲からはよく何考えてるかわからないと言われる。しばしば寝坊したり忘れ物したりとやらかすらしく、同級生の日置と櫻井曰く「バスケ以外ではマジで尊敬できない」との事。
その反面バスケにおいてスイッチが入ると霧谷も舌を巻く程の得点力と支配力を発揮する為、チームでは霧谷と双璧を成すダブルエースとして見られている。
勉強の成績は全教科上の下くらい。主将の岩倉とは同じ中学の先輩後輩。
特技:本人曰く「バスケしかない」
趣味:本人曰く「別にない」
得意教科:特になし
苦手教科:特になし
得意なプレイ:ダンク以外
バスケを始めたきっかけ:中学入学時になんとなく
密かな悩み:悩みがないのが悩み
-----------------------------
-翌日-
最初に両チーム共にアップをこなした後はハーフゲームでの試合を3試合こなす日程。
両チーム、スタメンがコートに出てくる。
星垓(ユニフォーム白)
4 新城 敦史 185㎝ 3年
9 真田 直斗 185㎝ 2年
10 北条 涼真 191㎝ 1年
8 神崎 健太 193㎝ 2年
7 髙木 悠介 199㎝ 3年
舟栄(ユニフォーム緑)※オフィシャルは「青」で呼ぶ
6 近藤 太一 3年 180㎝
4 岩倉 翔大 3年 187㎝
11 本庄 智洋 2年 191㎝
7 霧谷 昭哉 3年 196㎝
5 永島 隼人 3年 199㎝
慎太郎(身長差はほとんどないけど…フィジカルの差は歴然だ…)
※マッチアップの体重
近藤 79kg vs 新城 75kg
岩倉 84kg vs 真田 72kg
本庄 85kg vs 神崎 83kg
霧谷 100kg vs 涼真 81kg
永島 105kg vs 髙木 93kg
慎太郎(体重で勝ってるマッチアップは1つもない。涼真とガードの近藤さんの体重が釣り合うくらいだ…霧谷さんとの体重差は20kg近くもあるし)
ビッ!
髙木と永島が構えるセンターサークル中央でジャンプボールが投げ上げられる。
バチッ!!
ジャンプボールは互角。
バチッ!
新城と近藤が競り合い
ズザァッ!!
近藤がボールを取る。
新城「くっ」
新城は、近藤のフィジカルに競り合いで負ける形に。
新城(練習での1対1でも厄介だったが…試合になると更に強い!)
近藤「よし!1本だ!」
ビッ!
言いつつ近藤がウイングにパスを出す。
これを岩倉が受け、すかさずインサイド、右のミドルポストに入ってきた永島にパス。
永島、周囲を見つつシュートチャンスを伺う。
逆サイドでは、ウイングで本庄が神崎の厳しいマークを受け
コーナーで霧谷は涼真にマークされている。
ビッ!
永島、ウイングの近藤にパスを戻す。
近藤は永島にパスが入った後、岩倉とポジションチェンジしていた。
本庄「ヘイ!」
永島がローポストに降り、そこに貼ったスクリーンをつかって本庄が逆サイドから右コーナーへと切れ込んできた。
近藤(よし)
ビッ!
ボールは、コーナーの本庄ではなく、逆サイド、左ミドルポストへ。
そこには、霧谷が走り込みポストアップ。
それと同時に岩倉が霧谷から 手渡しでボールを受け、ゴール下に切れ込みレイアップを狙う。
涼真「くっ」
涼真、やむを得ずスイッチし岩倉のシュートをブロックする為に跳ぶ。
岩倉「跳んだな?」
ビッ!
岩倉、ロールし走り込んだ霧谷へリターンパス。
マッチアップは、スイッチした真田。
真田「…!!」
バス!!
舟栄メンバー「「「よーし!!!」」」
霧谷、真田の上からシュートを決める。
前半 残り9:42
星垓 0
舟栄 2
真田「いやいや…あれは無理っす」
(俺は体重はないけど、足腰は踏ん張れるからパワーでも対抗できる…と思いたいけど霧谷は無理があるっしょ…)
新城「取り返すぞ!1本!」
新城、フロントコートに着くとすぐさまドライブ。
そこに髙木のスクリーンがセットされている。
近藤「チッ」
(髙木相手じゃパワーでファイトオーバーするのは無理か)
髙木には真田がスクリーン。
星垓が最初のオフェンスオプションに選んだのは、新城、髙木、真田のスペインピックからの髙木のインサイドだった。
しかし…
ガン!!
スイッチした近藤とヘルプに来た霧谷のディフェンスの前にシュートが外れる。
スペインピックをいち早く察知した霧谷は、近藤1人では髙木を守りきれないと判断し即座にヘルプに走った。
リバウンドは永島。
近藤「行くぞ!」
近藤がボールを受け、ドリブルしながら指示を出す。
だが星垓は戻りが早く速攻は止められる。
近藤、右ウイングでドリブルキープ。
永島は先程と同じく右ローポストでポストアップし、本庄は逆サイドからゴール下を通り右コーナーへ。
ビッ!
近藤はローポストの永島にパスを入れた。
ダッ!
本庄、永島の脇を通り抜けるようにカット。
そのままハンドオフでボールを受ける「シザースカット」の動き。
ダム!!
永島、ボールを渡すと見せかけ逆方向に力強いドリブル。
髙木「しまった…!」
髙木は本庄のカットにつられ、ヘルプを構えてしまっていた。
バス!!
永島、体勢が不十分だった髙木との1対1からゴール下を決める。
唐沢「…」
(まさか…舟栄のやっているこのオフェンスは…)
直後の星垓のオフェンス。
新城のドライブから真田にパスが通り
ビッ!
涼真「ナイスパス!」
スパッ!
走り込んだ涼真がミドルシュートを決める。
近藤「1本!」
近藤、再びトップではなくボール運びからウイングへ。
唐沢(やはり…)
近藤、トップの岩倉にパス。
そこから永島、近藤がコーナーに走る。
そして
ガシィッ!!
神崎「く…!」
永島と近藤、そこからスクリーン。
本庄、2枚のスクリーンを使い右ウイングでフリーに。
ビッ!
そこへ岩倉からパスが入る。
新城(シュータープレー?)
新城、スイッチして懸命に追いつくも
ビッ!
ボールはインサイドへ。
そこには、永島がコーナーに走り空いたローポストでポストアップした霧谷。
ダム!!!
バス!!!
涼真「ぐはっ…」
霧谷、ワンドリブルで涼真を押し込みシュートを決める。
唐沢(有り得ない…確かに強力なオフェンスですが…この短期間でどうやって…?)
その後も近藤がウイングにボールを運ぶパターンから、多彩なパターンで舟栄は得点を量産し続けた。
星垓もスペインピック、スタックアウトに加え県大会決勝や練習試合で見せたセットプレー等で得点を返すも、舟栄のオフェンスをなかなか止めることができず
ブーッ!!!
試合終了
星垓 38
舟栄 48
ハーフゲームで敗北。
佐藤「1試合終わって昼時になったので、休憩してからメンバーも入れ替えたりして次のゲームに入りましょう」
唐沢「承知しました」
-昼休み-
髙木「くそ…ディフェンスの強度は相変わらずだが…なんだったんだあのオフェンスは」
中澤「最初見ててフリーオフェンスかと思ったんだけど、オフェンスの起点はいつも右ウイングの近藤なんだよな」
新城「オフェンスパターンが多すぎる上に全員がフィニッシャーになってくる。霧谷と本庄以外も点を取ってきやがる」
真田「ディフェンスもこっちのスペインピック中心に対策してきましたね…本庄以外全員フィジカルが凄いから近藤さんでも髙木さんのパワーにある程度対抗してくる」
慎太郎「もしかしてあれって、トライアングルオフェンスってやつっすかね」
※トライアングルオフェンス
現実のNBAにおいて2度の3連覇を果たしたシカゴ・ブルズ、5度の優勝を果たしたロサンゼルス・レイカーズが使用したシステム。
コート上にいる5人の選手全員を協力させ、非常に多様なバリエーションによって相手の防御の的を絞らせず、効率的に得点するシステムである。
その名の通り選手が三角形を作るように位置し、コート上の5人全員があらかじめ決められた一連の動きに従って移動し、防御側の隙を作り出すのが特徴。
反面そのシステムは複雑で、理解して一連の動きを修得し、適切にパスやカット、スクリーンといった技術をこなせないと効果が発揮されない。各選手の一連の動きも相手の動きによって変化させるので臨機応変な判断力、高度なバスケットIQが必要。
また、特定の得点力のある選手に長くボールを持たせておけないという短所もある。
新城「トライアングルオフェンスって…あの有名な?」
髙木「でもあれって、凄く難しいって話だろ?オフェンスパターンが電話帳くらいの厚さあるとか聞いたことあるし」
そこに、唐沢がやって来る。
唐沢「各自、昼ごはんは食べ終わりましたか?」
新城「はい」
唐沢「では午後の試合の話をしましょう」
唐沢、作戦板を取り出し選手に説明を始める。
唐沢「まずはこちらのオフェンス。舟栄は県大会で相模や桐神がしてきたように、こちらのスペインピックやスタックアウトに対してオフェンスの選択をこちらに誘導させる守り方をしている。相模や桐神はアウトサイドに誘導してきましたが…舟栄はあえて髙木君のインサイドに誘導してきている」
新城「なるほど…フィジカルのある舟栄ならインサイドで髙木を囲めば潰せる確率も高いと踏んでの事っすね」
唐沢「そうです。アウトサイドはそもそも選択肢としてゴール下の次のセカンドオプションになる事が多い。ならばアウトサイドはそもそも打たせず、自分達の得意なインサイドでの攻防を受けて立つ方が失点を減らせるという事です。これに関しては簡単です。相手のやりたいディフェンスをさせなければいい。
そこで…新城君と北条君を中心に練習してきたあれをお披露目しましょうか」
新城「はい」
涼真「わかりました」
唐沢「そしてこちらのディフェンスの話。舟栄が採用しているオフェンス、あれはトライアングルオフェンスと言われるものです」
慎太郎(やっぱりそうか…)
唐沢「あのオフェンスは非常に守るのが難しい。こちらがオフェンスパターンを誘導しようとしても常に2、3個は選択肢の猶予がある。セットオフェンスとは違いあれは『オフェンスシステム』なのでゾーンでもマンツーマンでも関係ない」
矢島「ならどうしたら…」
唐沢「トライアングルオフェンスといえど万能ではない。長所はもちろん大きいですが弱点も0ではない。次の20分でその弱点を狙っていきましょう」
次のハーフゲーム
星垓の反撃が始まる。
……To be continued
本庄 智洋
舟栄高等学校2年
191㎝85kg
誕生日:8/27
血液型:AB
特徴:ツーブロックに逆立った髪の毛が特徴。
飄々としつつ天然な性格で、周囲からはよく何考えてるかわからないと言われる。しばしば寝坊したり忘れ物したりとやらかすらしく、同級生の日置と櫻井曰く「バスケ以外ではマジで尊敬できない」との事。
その反面バスケにおいてスイッチが入ると霧谷も舌を巻く程の得点力と支配力を発揮する為、チームでは霧谷と双璧を成すダブルエースとして見られている。
勉強の成績は全教科上の下くらい。主将の岩倉とは同じ中学の先輩後輩。
特技:本人曰く「バスケしかない」
趣味:本人曰く「別にない」
得意教科:特になし
苦手教科:特になし
得意なプレイ:ダンク以外
バスケを始めたきっかけ:中学入学時になんとなく
密かな悩み:悩みがないのが悩み
-----------------------------
-翌日-
最初に両チーム共にアップをこなした後はハーフゲームでの試合を3試合こなす日程。
両チーム、スタメンがコートに出てくる。
星垓(ユニフォーム白)
4 新城 敦史 185㎝ 3年
9 真田 直斗 185㎝ 2年
10 北条 涼真 191㎝ 1年
8 神崎 健太 193㎝ 2年
7 髙木 悠介 199㎝ 3年
舟栄(ユニフォーム緑)※オフィシャルは「青」で呼ぶ
6 近藤 太一 3年 180㎝
4 岩倉 翔大 3年 187㎝
11 本庄 智洋 2年 191㎝
7 霧谷 昭哉 3年 196㎝
5 永島 隼人 3年 199㎝
慎太郎(身長差はほとんどないけど…フィジカルの差は歴然だ…)
※マッチアップの体重
近藤 79kg vs 新城 75kg
岩倉 84kg vs 真田 72kg
本庄 85kg vs 神崎 83kg
霧谷 100kg vs 涼真 81kg
永島 105kg vs 髙木 93kg
慎太郎(体重で勝ってるマッチアップは1つもない。涼真とガードの近藤さんの体重が釣り合うくらいだ…霧谷さんとの体重差は20kg近くもあるし)
ビッ!
髙木と永島が構えるセンターサークル中央でジャンプボールが投げ上げられる。
バチッ!!
ジャンプボールは互角。
バチッ!
新城と近藤が競り合い
ズザァッ!!
近藤がボールを取る。
新城「くっ」
新城は、近藤のフィジカルに競り合いで負ける形に。
新城(練習での1対1でも厄介だったが…試合になると更に強い!)
近藤「よし!1本だ!」
ビッ!
言いつつ近藤がウイングにパスを出す。
これを岩倉が受け、すかさずインサイド、右のミドルポストに入ってきた永島にパス。
永島、周囲を見つつシュートチャンスを伺う。
逆サイドでは、ウイングで本庄が神崎の厳しいマークを受け
コーナーで霧谷は涼真にマークされている。
ビッ!
永島、ウイングの近藤にパスを戻す。
近藤は永島にパスが入った後、岩倉とポジションチェンジしていた。
本庄「ヘイ!」
永島がローポストに降り、そこに貼ったスクリーンをつかって本庄が逆サイドから右コーナーへと切れ込んできた。
近藤(よし)
ビッ!
ボールは、コーナーの本庄ではなく、逆サイド、左ミドルポストへ。
そこには、霧谷が走り込みポストアップ。
それと同時に岩倉が霧谷から 手渡しでボールを受け、ゴール下に切れ込みレイアップを狙う。
涼真「くっ」
涼真、やむを得ずスイッチし岩倉のシュートをブロックする為に跳ぶ。
岩倉「跳んだな?」
ビッ!
岩倉、ロールし走り込んだ霧谷へリターンパス。
マッチアップは、スイッチした真田。
真田「…!!」
バス!!
舟栄メンバー「「「よーし!!!」」」
霧谷、真田の上からシュートを決める。
前半 残り9:42
星垓 0
舟栄 2
真田「いやいや…あれは無理っす」
(俺は体重はないけど、足腰は踏ん張れるからパワーでも対抗できる…と思いたいけど霧谷は無理があるっしょ…)
新城「取り返すぞ!1本!」
新城、フロントコートに着くとすぐさまドライブ。
そこに髙木のスクリーンがセットされている。
近藤「チッ」
(髙木相手じゃパワーでファイトオーバーするのは無理か)
髙木には真田がスクリーン。
星垓が最初のオフェンスオプションに選んだのは、新城、髙木、真田のスペインピックからの髙木のインサイドだった。
しかし…
ガン!!
スイッチした近藤とヘルプに来た霧谷のディフェンスの前にシュートが外れる。
スペインピックをいち早く察知した霧谷は、近藤1人では髙木を守りきれないと判断し即座にヘルプに走った。
リバウンドは永島。
近藤「行くぞ!」
近藤がボールを受け、ドリブルしながら指示を出す。
だが星垓は戻りが早く速攻は止められる。
近藤、右ウイングでドリブルキープ。
永島は先程と同じく右ローポストでポストアップし、本庄は逆サイドからゴール下を通り右コーナーへ。
ビッ!
近藤はローポストの永島にパスを入れた。
ダッ!
本庄、永島の脇を通り抜けるようにカット。
そのままハンドオフでボールを受ける「シザースカット」の動き。
ダム!!
永島、ボールを渡すと見せかけ逆方向に力強いドリブル。
髙木「しまった…!」
髙木は本庄のカットにつられ、ヘルプを構えてしまっていた。
バス!!
永島、体勢が不十分だった髙木との1対1からゴール下を決める。
唐沢「…」
(まさか…舟栄のやっているこのオフェンスは…)
直後の星垓のオフェンス。
新城のドライブから真田にパスが通り
ビッ!
涼真「ナイスパス!」
スパッ!
走り込んだ涼真がミドルシュートを決める。
近藤「1本!」
近藤、再びトップではなくボール運びからウイングへ。
唐沢(やはり…)
近藤、トップの岩倉にパス。
そこから永島、近藤がコーナーに走る。
そして
ガシィッ!!
神崎「く…!」
永島と近藤、そこからスクリーン。
本庄、2枚のスクリーンを使い右ウイングでフリーに。
ビッ!
そこへ岩倉からパスが入る。
新城(シュータープレー?)
新城、スイッチして懸命に追いつくも
ビッ!
ボールはインサイドへ。
そこには、永島がコーナーに走り空いたローポストでポストアップした霧谷。
ダム!!!
バス!!!
涼真「ぐはっ…」
霧谷、ワンドリブルで涼真を押し込みシュートを決める。
唐沢(有り得ない…確かに強力なオフェンスですが…この短期間でどうやって…?)
その後も近藤がウイングにボールを運ぶパターンから、多彩なパターンで舟栄は得点を量産し続けた。
星垓もスペインピック、スタックアウトに加え県大会決勝や練習試合で見せたセットプレー等で得点を返すも、舟栄のオフェンスをなかなか止めることができず
ブーッ!!!
試合終了
星垓 38
舟栄 48
ハーフゲームで敗北。
佐藤「1試合終わって昼時になったので、休憩してからメンバーも入れ替えたりして次のゲームに入りましょう」
唐沢「承知しました」
-昼休み-
髙木「くそ…ディフェンスの強度は相変わらずだが…なんだったんだあのオフェンスは」
中澤「最初見ててフリーオフェンスかと思ったんだけど、オフェンスの起点はいつも右ウイングの近藤なんだよな」
新城「オフェンスパターンが多すぎる上に全員がフィニッシャーになってくる。霧谷と本庄以外も点を取ってきやがる」
真田「ディフェンスもこっちのスペインピック中心に対策してきましたね…本庄以外全員フィジカルが凄いから近藤さんでも髙木さんのパワーにある程度対抗してくる」
慎太郎「もしかしてあれって、トライアングルオフェンスってやつっすかね」
※トライアングルオフェンス
現実のNBAにおいて2度の3連覇を果たしたシカゴ・ブルズ、5度の優勝を果たしたロサンゼルス・レイカーズが使用したシステム。
コート上にいる5人の選手全員を協力させ、非常に多様なバリエーションによって相手の防御の的を絞らせず、効率的に得点するシステムである。
その名の通り選手が三角形を作るように位置し、コート上の5人全員があらかじめ決められた一連の動きに従って移動し、防御側の隙を作り出すのが特徴。
反面そのシステムは複雑で、理解して一連の動きを修得し、適切にパスやカット、スクリーンといった技術をこなせないと効果が発揮されない。各選手の一連の動きも相手の動きによって変化させるので臨機応変な判断力、高度なバスケットIQが必要。
また、特定の得点力のある選手に長くボールを持たせておけないという短所もある。
新城「トライアングルオフェンスって…あの有名な?」
髙木「でもあれって、凄く難しいって話だろ?オフェンスパターンが電話帳くらいの厚さあるとか聞いたことあるし」
そこに、唐沢がやって来る。
唐沢「各自、昼ごはんは食べ終わりましたか?」
新城「はい」
唐沢「では午後の試合の話をしましょう」
唐沢、作戦板を取り出し選手に説明を始める。
唐沢「まずはこちらのオフェンス。舟栄は県大会で相模や桐神がしてきたように、こちらのスペインピックやスタックアウトに対してオフェンスの選択をこちらに誘導させる守り方をしている。相模や桐神はアウトサイドに誘導してきましたが…舟栄はあえて髙木君のインサイドに誘導してきている」
新城「なるほど…フィジカルのある舟栄ならインサイドで髙木を囲めば潰せる確率も高いと踏んでの事っすね」
唐沢「そうです。アウトサイドはそもそも選択肢としてゴール下の次のセカンドオプションになる事が多い。ならばアウトサイドはそもそも打たせず、自分達の得意なインサイドでの攻防を受けて立つ方が失点を減らせるという事です。これに関しては簡単です。相手のやりたいディフェンスをさせなければいい。
そこで…新城君と北条君を中心に練習してきたあれをお披露目しましょうか」
新城「はい」
涼真「わかりました」
唐沢「そしてこちらのディフェンスの話。舟栄が採用しているオフェンス、あれはトライアングルオフェンスと言われるものです」
慎太郎(やっぱりそうか…)
唐沢「あのオフェンスは非常に守るのが難しい。こちらがオフェンスパターンを誘導しようとしても常に2、3個は選択肢の猶予がある。セットオフェンスとは違いあれは『オフェンスシステム』なのでゾーンでもマンツーマンでも関係ない」
矢島「ならどうしたら…」
唐沢「トライアングルオフェンスといえど万能ではない。長所はもちろん大きいですが弱点も0ではない。次の20分でその弱点を狙っていきましょう」
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