BUZZER OF YOUTH

Satoshi

文字の大きさ
上 下
209 / 268
第4章 集大成・ウィンターカップ

第207話 2人の殺戮本能

しおりを挟む
チーム メンバープロフィール

新海しんかい 千尋ちひろ

桐神学園高等学校3年
175㎝66kg

誕生日:8/20

血液型:O

特徴:ツンツンと逆だった短い髪が特徴。ポイントガードではあるが得点力にも優れており、コンボガードとしての側面が強い。実際、中学の時にガードとしてコンビを組んでいた翔太もコンボガードである。
9歳歳の離れた兄(奏大かなた)がおり、兄に憧れてバスケを始めた。兄も桐神学園OBであり、全国ベスト4の実績を持つ。

特技:あっち向いてホイが異常に強い

趣味:アニメ鑑賞

得意教科:化学

苦手教科:物理

得意なプレイ:アシスト、ランニングプレー

バスケを始めたきっかけ:小学校の時に兄のプレーを見て

密かな悩み:理系選択のくせに物理が苦手



-----------------------------























櫻田のスリーポイントが決まり、点差はまた1桁に。







第2Q 残り5:13

星垓      41
桐神学園    33







星垓

11 中山 慎太郎  169㎝ 1年
14 篠田 武蔵   182㎝ 1年
9 真田 直斗   184㎝ 2年
4 新城 敦史   185㎝ 3年
7 髙木 悠介   199㎝ 3年



桐神学園

13 秦野 武史   187㎝ 2年
9 佐藤 昌平   184㎝ 3年
14 櫻田 祥人   184㎝ 1年
4 長崎 健正   187㎝ 3年
11 桝田 一輝   188㎝ 2年







星垓のオフェンス。









慎太郎がボールを運ぶ。








桐神ディフェンスのマークは、慎太郎に秦野、武蔵に佐藤、真田に櫻田、新城に長崎、髙木に桝田。











珍しくポジション通りのマッチアップ。











キュキュッ!








秦野、先程の仕返しかのようにプレッシャーをかける。













慎太郎(確かにデカいし周りは見えづらいけど…正直プレッシャーで言ったら洛阪の塚森・笹本や北陵の三上、舟栄の近藤の方が数段上だ…なにより普段練習してる新城さんの方が余程手強い)










慎太郎、いとも簡単にいなす。










ビッ!











慎太郎、ウイングの武蔵にパス。









バチッ!









武蔵、咄嗟にミドルポスト方向に弾く。









弾いた先には、再び慎太郎が走り込んでいた。












武蔵(なんだ今の慎太郎のパス…)











慎太郎、シュートの構え。











秦野「ちょこまかと…」










桝田「鬱陶しい!」











追ってきた秦野に加えて、桝田もヘルプに出る。













フワッ…













慎太郎、リングへとふわりとしたパス。












桐神ディフェンスがリングの方を向くと、髙木が宙を舞っていた。













櫻田「チッ」
(普通のパスだったらカットするか、シュート前にボールを奪うかできるのに…よりによってアリウープパスかよ…)












ヘルプに来ていた櫻田、届かない為為す術がない。
















ガシッ!
















ドッガァァァァアアアアアアアアア!!!!!














髙木、強烈なボースハンドでのアリウープダンクを叩き込む。













第2Q 残り4:57

星垓      43
桐神学園    33












長崎「リスタート!」













ブン!














長崎、コート中央付近の秦野に長めのパス。












新城「戻れ!」














櫻田「遅い」













櫻田が前線に走っている。













秦野、櫻田にパス。















バチッ!!













秦野「!?」











パスしようとしたボールが弾かれ、見当違いの方向に転がる。













秦野「くっ」












秦野、ボールを拾う。













バチッ!












秦野「なっ…」











手に収まったボールが、再び弾かれた。














慎太郎「オラオラ!しつこいぜ?俺は」















だが、この弾いたボールは佐藤が手にする。











慎太郎「チッ」












新城(す…)









真田(すげえな…)














河合【桐神学園がリスタートから速攻に行こうという場面でしたが…中山のナイスディフェンス。速攻は阻まれました】





杉山【今のパスを櫻田君に通されていたらディフェンスが戻っていなかったので2失点確実でしたからね。素晴らしいディフェンスです】














満月「なんか中山君って、形は違うけど涼真君そっくりだよね」









涼真「そうか?」










満月「うん、涼真君は点取られた直後にすかさず取り返して、中山君は味方が点を取った直後にディフェンスで相手の流れを断ち切って…2人とも流れを強引に持ってくるとこ」









糸織里「いつものうまっちの役割を、形は違うけど慎ちゃまがやってるって訳ですね」










春香「けど涼ちゃんも慎ちゃんもそのタイミングが絶妙だよね、なんか…チームが欲しい所でそういうビッグプレーをするとこが」










美保「もしかしたら慎太郎君にもあるのかもね、北条君と同じ、殺戮本能キラーインスティンクトが」


























スパァッッツ!!!










一同「「「!?」」」













第2Q 残り4:37

星垓      43
桐神学園    36







「うわあああああ!?ここで櫻田!!」






「すげえ速さのステップバックのスリーだ!あんなの止められねえ!」












武蔵「くっそおおおお!」









武蔵、懸命に食らいつくも止められなかった。













慎太郎「櫻田…!」












櫻田「残念だったな中山。せっかく速攻を止めた所悪いが…無意味になっちまったな」














慎太郎「上等だ!」














慎太郎、ボールを運ぶ。









マークは櫻田。













ビッ!!












櫻田「!?」














新城「は!?」











真田「バカ…」















慎太郎、櫻田を目の前にしていきなりスリーポイント。
マークしていた櫻田を含め、会場の全員が虚を突かれた。














スパァッッツ!!!!














第2Q 残り4:32

星垓      46
桐神学園    36













河合【中山のスリーポイント!すぐに取り返しました!これで10点差!】




杉山【無茶なスリーに見えましたが、思い切りもリズムも悪くなかったんですよね。桐神学園からしたら大きなダメージでしょう】
















慎太郎「駆け引きってのはなぁ、『そんな手は打つ訳ねえ』って思わしたらその時点で勝ちなんだよ、櫻田」




















カチン!
















これが、櫻田の導火線に火を着けた。














着けてしまった。
















続く桐神学園のオフェンス、櫻田はスクリーンを使いボールを受ける。










マークは、スイッチした慎太郎。













ダム!!












櫻田のドライブ。













慎太郎も微塵も離れずに着いて行く。













ダム!











キュッ!













櫻田、ステップバックでスリーポイントラインの外に出る。











慎太郎(打ってくる…!)













瞬時に距離を詰めた慎太郎、ブロックは届かない為ボールを上げる瞬間を狙う。










櫻田(かかった)













バチッ!!











櫻田、ボールを保持する手をわざと慎太郎の伸ばした手に当てに行く。












慎太郎「な…」
(しまった…)










櫻田、シュートモーションへ行く。









ピピーッ!!!













櫻田「くっ」
(ダメか)













櫻田、慎太郎が手を叩いたのと無理にシュートに行った事でボールコントロールを失い、ボールがこぼれる。
だが、審判の笛が鳴った。









はたから見れば、慎太郎が櫻田の手を叩いたプレー。
だが実際は、櫻田の技術スキルで慎太郎が誘い込まれていた。














審判「ファウル!白11番慎太郎!スリースロー!」












櫻田にフリースロー3本が与えられる。













慎太郎「ぐ…すみません」







新城「ドンマイ。よくあれで済ませたよ」






髙木「櫻田がフリースローを外すとはまず思えんが…フィールドゴールでのスリーを決められるよりマシだ。ファウルと引き換えだが流れは変わらないからな」





真田「まだファウル1つ目だしな」


















スパッ!!













櫻田はフリースローを3本きっちり決める。













第2Q 残り4:20

星垓      46
桐神学園    39












慎太郎「くそ…」
(流れは変わらないけど…結果的に3点奪われちまった)














櫻田「わかったか中山、駆け引きってのはなぁ『あのプレーをしてくるかもしれない』って思わしたらその時点で勝ちなんだよ」

















河合【フリースロー3本きっちり決めてきました、1年生エースの櫻田。点差は再び7点差】



杉山【彼もまた欲しい所で点を取ってきましたね。エースに相応しい堂々たる活躍。まだ1年生だと思うと恐ろしい選手です】










小春「ここにもいたね、殺戮本能キラーインスティンクトの持ち主」







佳奈絵「なんか、櫻田君と中山君の争いみたいになってきたね…もぐもぐ」←たまごサンドイッチ






華音(食べてばっかやわ、この子…)















試合は、佳奈絵のこの言葉通りに推移した。












慎太郎が得点、パスに躍動すれば














櫻田は得意のスリーポイントを武器に内外で得点を重ねる。


















櫻田にマークが集中すれば、他メンバーも機動力を活かしてチャンスを狙う。














結果、残り4分からは壮絶な点の取り合いとなった。















第2Q 残り28.7

星垓      63
桐神学園    55














ダム!!












長崎がドライブで新城相手に仕掛ける。











バッ!!











長崎、新城同時に跳ぶ。











クィッ!














フワッ…!









新城「!」






長崎、空中でクラッチを入れ、ボールをふわりと浮かせる。













パサッ…!!











静かにネットの中央をくぐる。


















第2Q 残り22.0

星垓      63
桐神学園    57
















新城「取り返すぞ!」










長崎「ここを止めてもう一本詰める!」















慎太郎がボールを運ぶ。













秦野、パスにもドリブルにもシュートにも備えた位置取り。











涼真「ま、それしかねえよな」
(速さでも技術スキルでも慎太郎が上って認めた上での選択だろうな)













慎太郎、武蔵にパス。















バチッ!









再びダイレクトに弾いたパスでのリターンを、ミドルポスト付近に走り込みながら受ける。















ビッ!!













インサイドの髙木にパス。












桝田「打たせん!」








キュキュッ!









桝田はもちろん、他の選手も寄ってくる。














ビッ!














髙木、冷静に左ウイングへアウトレットパス。














そこには、ノーマークの新城。












櫻田「長崎さんは…?」













長崎はインサイド、武蔵のスクリーンで行く手を阻まれていた。


















ビッ!








新城、スリーポイントシュート。
























スパァッッツ!!!













星垓メンバー「「「よっしゃ、来たああああ!!!!!」」」
















そして、桐神学園のリスタートから間もなく




















ブーッ!!!!













前半終了

星垓      66
桐神学園    57















前半終了のブザーが鳴る。


















……To be continued
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

切り札の男

古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。 ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。 理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。 そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。 その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。 彼はその挑発に乗ってしまうが…… 小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。

ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした

黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。 日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。 ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。 人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。 そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。 太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。 青春インターネットラブコメ! ここに開幕! ※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。

亡き少女のためのベルガマスク

二階堂シア
青春
春若 杏梨(はるわか あんり)は聖ヴェリーヌ高等学校音楽科ピアノ専攻の1年生。 彼女はある日を境に、人前でピアノが弾けなくなってしまった。 風紀の厳しい高校で、髪を金色に染めて校則を破る杏梨は、クラスでも浮いている存在だ。 何度注意しても全く聞き入れる様子のない杏梨に業を煮やした教師は、彼女に『一ヶ月礼拝堂で祈りを捧げる』よう反省を促す。 仕方なく訪れた礼拝堂の告解室には、謎の男がいて……? 互いに顔は見ずに会話を交わすだけの、一ヶ月限定の不思議な関係が始まる。 これは、彼女の『再生』と彼の『贖罪』の物語。

小学生をもう一度

廣瀬純一
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

処理中です...