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第4章 集大成・ウィンターカップ
第197話 湘洋大付属に勝つためには
しおりを挟むチーム メンバープロフィール
米田 昌幸
桐神学園高等学校3年
193㎝90kg
誕生日:5/17
血液型:B
特徴:ベリーショートよりやや長めの髪。痩せ型で引き締まり爽やかに見えるが、ボディビルダーばりの筋肉の鎧を纏っている。身長こそセンターとしては低いものの、フィジカルと機動力を併せ持ったプレイヤー。スリーポイントこそ打たないがミドルレンジは攻撃を信条とする桐神の選手らしく高確率で決める。
姉が2人おり、1人は社会人で1人は大学2年生。下の姉は涼真の姉と同じ大学のバスケ部(関東1部の強豪・白峰大学。尚男子も関東1部の強豪)でチームメイト。
卒業後は関東4部で埼玉の大宮大学へ進学予定(国立なのでこれから受験)。
尚、上の姉も大宮大学出身。
特技:逆立ち耐久
趣味:筋トレ
得意教科:政経、倫理
苦手教科:数学
得意なプレイ:リバウンド、ランニングプレー
バスケを始めたきっかけ:姉に半ば無理やりミニバスに連れていかれて
密かな悩み:2人の姉に昔恐怖を植え付けられたせいか、絶対に逆らえない
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第2Q 残り4:51
桐神学園 48
湘洋大付属 47
桐神学園
13 秦野 武史 187㎝ 2年
15 新海 千尋 175㎝ 1年
14 櫻田 祥人 184㎝ 1年
4 長崎 健正 187㎝ 3年
7 米田 昌幸 193㎝ 3年
湘洋大付属
14 山本 晋吾 175㎝ 1年
6 平井 圭太郎 181㎝ 3年
7 日下部 亘 186㎝ 3年
4 徳山 勝美 193㎝ 3年
5 中西 岳 203㎝ 3年
桐神学園の背中を捉えるも、インサイドの要・中西が3ファウル。
桐神学園のオフェンスから試合再開。
櫻田(チッ…替えねえのかよ…)
唐沢「機動力に勝る桐神学園にとって最後に厄介な存在なのがゴール下、リバウンドにブロックに奮闘する中西君。確かに彼をファウルトラブルで追い出せれば桐神学園の優位は揺るがないでしょう。
桐神のシュート力なら外中心のプランでも良かった中、スラッシャータイプ4人であえてインサイドを攻めたのはこの為でしたか」
長崎(何よりこのQ、相手に18点も許してる上にこっちは8点しか取れてねえ…点を取らないとな)
ビッ!
秦野から左ウイングの櫻田にボールが入る。
櫻田(早いとこゴール下の脅威を…コートから追い出す!)
クッ…
櫻田、ボールを貰って即、シュートモーション。
平井「打たせん!」
ダム!!!
ブロックに平井が跳んだところをカウンターで抜く。
そのままペイントエリアに侵入する櫻田、ヘルプに出てきた中西と1対1。
長崎「(ダメだ!勝負を急ぎ過ぎるな!)櫻田!」
櫻田、ドライブから急ストップ。
そして、ジャンプシュートの構え。
中西、距離を詰めつつシュートチェック。
クッ…
櫻田、フェイクを1つ入れる。
そのままピボットで1歩踏み出し、ステップインのシュート。
だが。
櫻田「!?」
(跳んでない…?読まれてた…!?)
中西(見え見えなんだよ、勝負を急いだな、1年)
バゴォッ!!!
中西のブロックを浴びる。
こぼれ球は徳山が拾う。
長崎「戻れ!!」
ブンッ!!!
徳山、前線に大きなパス。
そこには、平井が走っていた。
不意を疲れた桐神メンバー、ディフェンスに戻るのが遅れる。
バス!!
桐神メンバーがゴール下まで戻る中、平井が速攻からレイアップを決める。
第2Q 残り4:34
桐神学園 48
湘洋大付属 49
櫻田(くそ…そう簡単にはいかねえか…安直過ぎた)
櫻田、オフェンスに向かいつつ長崎に声をかける。
櫻田「すみません、俺のミスです」
長崎「わかってんならいい。切り替えろ」
櫻田「はい!」
だが、桐神学園はここから更に攻めあぐねる。
桐神学園にとって、エースがブロックを浴びた事の意味は大きかった。
インサイドに行ったら中西のブロックが待っている。その意識が刷り込まれてしまった。
だが、湘洋大付属もこれをきっかけに流れを持ってくるには至らない。
桐神の機動力に手を焼き、肝心のオフェンスがあまり機能していないのである。
前半の残り4分半、桐神学園が上げたゴールは長崎のミドルシュート1本のみ。
湘洋大付属も、徳山のタフなミドルシュートと中西がオフェンスリバウンドから決めた2ゴールのみ。
ブーッ!!!!
前半終了
桐神学園 50
湘洋大付属 53
山下「残り4分半で湘洋大付属がついに逆転…ですがそこから両チーム得点が伸びなかったわね…」
中嶋「おそらく、あそこで中西君を替えなかったからですね」
山下「どういう事?」
中嶋「湘洋大付属を相手取る上で厄介なのはそのフィジカルと組織力。とりわけインサイドの中西君のサイズとディフェンスの威圧感は相手チームにとって最大の脅威と言っても過言ではない。
湘洋の得点が伸びてなかった中、4ファウルを犯すリスクを負ってでも出した結果、両チーム得点が止まり拮抗した。
逆に下げて温存していたら桐神の猛攻を食らい再起不能なダメージを負っていたかもしれない。結果オーライとはいえこれは大きい」
山下「中西君を追い出す事ができなければ…桐神には苦しい展開が待ってるという事ね」
中嶋「湘洋としては無理をする必要はない。インサイドで有利ならば、リバウンドも取れる可能性は高いし中で点も取れる」
新城「前半終わって結局湘洋がリードか…やはり全体的にサイズがあるチームとはいえ…中西がいるのは脅威だな」
髙木「フィジカルで対抗できるセンターが桐神にはいないからな。特にペイントエリア内ではあいつの守備から逃れるのは至難の技だ」
涼真「…」
涼真の目は、桐神学園のベンチを見ている。
そこには、夏には見なかった面々。
おそらくこの冬からベンチ入りしたのだろう。
身長は、涼真よりも大きいだろうか。
涼真(相模の中等部からも何人か桐神に行ってる。インサイドに梅村がいたから目立たなかったけど…あいつらは出てこないのか?)
慎太郎「それにしても…やっぱりセンターが強いとチームが安定するな。星垓しかり、湘洋大付属しかり」
満月「私もインサイドに奈津実とかが構えてるから気持ちよくスリーポイント打てるしね」
奈津実「そう?もっと褒めてくれてもいいよ」
奈津実、ちょっと嬉しそう。
糸織里「私的には、小さいチームがおっきいチームを倒すのを見たいですね!何か手はないんですか?のりちゃん先生?」
唐沢「…では渡辺さん、桐神学園が湘洋大付属に勝ってる部分ってどこだと思いますか?」
糸織里「…顔!!!」
ズコーッ!!!!
一同、ズッコケる。
糸織里「あはは…冗談です…」
※バスケとは無関係だが、湘洋大付属メンバーはどちらかと言うとゴツい系が多く、桐神学園には爽やか系が多い為あながち間違ってはいない←
美保「前半は少なくとも足?というかは桐神が勝ってたよね、ドライブにも湘洋はあまりついていけてなかったし」
満月「あとはシュートかな…湘洋も外から得点できるチームになってきたとは言っても…まだまだ桐神より入ってるイメージはないかも」
唐沢「そう、正にその2点において桐神学園は明らかに勝っている。なら、その長所を活かす為には…?」
糸織里「うーん…5人ともすっごく走れて外からも打てるメンバーにして、湘洋大付属の選手を疲れさせる…とか?」
春香「でもそれだと、ディフェンスだとインサイドはやられ放題なんじゃない?」
華音「リバウンドも取れんしね」
糸織里「うぐ…」
唐沢「いや、渡辺さんの言った手が最善手です」
美保「そ、そうなんですか?」
唐沢「少なくとも私なら、そうします」
ブーッ!!!
後半開始のブザーが鳴る。
桐神学園
13 秦野 武史 187㎝ 2年
9 佐藤 昌平 184㎝ 3年
14 櫻田 祥人 184㎝ 1年
4 長崎 健正 187㎝ 3年
11 枡田 一輝 188㎝ 2年
湘洋大付属
14 山本 晋吾 175㎝ 1年
6 平井 圭太郎 181㎝ 3年
7 日下部 亘 186㎝ 3年
4 徳山 勝美 193㎝ 3年
5 中西 岳 203㎝ 3年
徳山「何っ!?」
徳山、予想外の桐神のメンバー構成に驚く。
山下「これは…?」
中嶋「これまた極端な…」
ゲームメンバー全員が180㎝台という極端なメンバー構成。
唐沢「ほう…」
涼真「こりゃ面白いメンバー構成だな」
(交代で入ってきた佐藤さん、枡田さんも機動力と外のシュート力は申し分ない。ミスマッチ覚悟で機動力を極限まで上げてきたな)
唐沢(なるほど…宮藤先生は「ポジションレス・バスケット」で勝負ですか。どう転ぶかはやってみないとわかりませんが…部の悪い賭けではない)
糸織里「すごい!のりちゃん先生の言った通りですね!」
唐沢「まあ、新海君まで下げるとは思ってませんでしたがね。ガードは秦野君だけで充分と見てフォワードタイプを4枚起用してきましたね」
第3Qは湘洋大付属のスローインから始まる。
そしてこの第3Q、湘洋大付属、そして見ていた星垓は思い知る。
ポジションレス・バスケットの恐ろしさを。
……To be continued
応援ありがとうございます!
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