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第4章 集大成・ウィンターカップ
第189話 唐沢監督の言葉
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他チーム メンバープロフィール
梅村 聡紀
東裁大相模高等学校1年
198㎝92kg
誕生日:3/29
血液型:B
特徴:横を刈り上げたオシャレ坊主頭に、外国人と言っても通用するような彫りの深い顔が特徴。チームでは既に得点源で大黒柱のような存在だが、先輩達によくいじられているが可愛がられてもいる。人一倍厚い情を持つ梅村はそんな先輩達を慕っている。
中学時代からインサイドでは攻守で無類の強さを発揮し、対抗できるインサイドプレイヤーはルーキーながら高校生でもほんのひと握り。中等部の時は陸上部にも所属しており、走り高跳びの県記録保持者。
父が機械を扱うエンジニアであり、自分も機械を扱う仕事に就きたいと考えている。尚成績は赤点ギリギリ。
特技:走り高跳び
趣味:機械いじり
得意教科:物理、数学
苦手教科:物理と数学以外ほぼ全部
得意なプレイ:リバウンド、ブロック、ボースハンドダンク
バスケを始めたきっかけ:小4の時にミニバスの監督にすすめられて
密かな悩み:よくいろんな所に頭をぶつける
-----------------------------
第3Q 残り7:30
星垓 54
東裁大相模 45
星垓
4 新城 敦史 185㎝ 3年
14 篠田 武蔵 182㎝ 1年
15 小笠原 大樹 188㎝ 1年
8 神崎 健太 191㎝ 2年
7 髙木 悠介 199㎝ 3年
東裁大相模
11 今野 正志 176㎝ 2年
14 椿 卓馬 182㎝ 1年
4 阿部 理人 186㎝ 3年
8 村越 悠聖 188㎝ 3年
15 梅村 聡紀 198㎝ 1年
新城「1本!」
ビッ!
新城、ウイングの武蔵にパスをしてすぐに逆サイドに走る。
武蔵、左ミドルポストの大樹にボールを入れる。
ビッ!
間髪入れずハイポストに走り込んだ神崎にパス。
星垓の早いボール回しに相模のゾーンは迅速に対応する。
誰も休まない。
その瞬間、ゾーンに穴があく為である。
そして、24秒タイマー残り6秒
トップで新城がボールを受ける。
椿「チェック!」
外からも打てる新城に、椿がチェックに入る。
髙木がすかさずスクリーンに行く。
ダム!
ビッ!
新城、髙木のスクリーンで一瞬ノーマークになった瞬間を狙い、プルアップでスリーポイント。
ガン!!
春香「ああん、惜しい…」
美保「これも流れが悪いから…?」
リバウンドは梅村。
続く相模のオフェンス。
スパァッッ!!!!
「来たぁ!椿のスリー!」
スクリーンでポップしていた椿がオープンになったのを見逃さず、今野がアシスト。
阿部(いいぞ…!少しずつ流れを引き寄せ始めた!)
星垓は新城のプルアップ、ドライブと髙木のインサイドでしぶとく得点し、ディフェンスでも相模のオフェンスを完全には止められないものの粘る。
それでも、流れを引き寄せた相模の勢いは止められない。
この第3Q、相模は星垓を押した。
ブーッ!!!
第3Q終了
星垓 63
東裁大相模 58
逆転こそしなかったもののこのQ、星垓の16点に対し相模は24点を積み上げた。
-相模ベンチ-
北田「よしよし!流れが来てる!」
村越「シュートタッチもいい。オフェンスは問題ないな」
阿部「でも忘れんな。それでも逆転できてねえんだ。
流れが来てるのに要所で粘られて逆転まで行かせてもらえてない。流石に全国ベスト4ともなると勝ち越すのも簡単じゃない。まだまだ走っていかないとな」
梅村「ゴール下は絶対譲らねえ!勝って全国に行くんだ!」
今野「夏は勝てたんだ。全国ベスト4とはいえ同じ高校生、不可能じゃない」
椿「先輩達の全国ラストチャンス…絶対物にする!」
原「そうとも。残り10分、東裁大相模の全部を出してこい!お前達ならやれる!」
相模メンバー「「「はい!!!」」」
阿部(確かに流れはこっちにあるし、僅差で追い詰めている。でも何だ…?この変な感じ…)
押せ押せな雰囲気の中、阿部だけが何かを感じ取っていた。
が、それに相模メンバーが気づくのはもう少し後。
-星垓ベンチ-
髙木「ああ、クソっ…」
流れの悪さを表すかのような、髙木のフラストレーション。
中澤「落ち着けよ、髙木」
大樹「でも実際、夏もこうだったじゃないすか?後半相模に流れが行って、それを取り戻せなくて…負けた」
唐沢「そうでしたね。あの時はリードされ続けてたのを第3Qの終わりに逆転して…これからという時に第4Q開始早々に相模に連続得点を許し、負けた。ですがあの時と違う箇所もありますよ」
新城「そういえば…まだリードしてるのは星垓ですね」
唐沢「私が第3Qのタイムアウトで言った事を覚えていますか?」
一同、唐沢の言葉を思い出す。
-第3Q、タイムアウト時-
唐沢「相模はリードされて、オフェンスで連携という強みを使ってきました。3年生からすれば6年間ほぼ同じメンバーでプレーしてきたその連携ははっきり言って星垓よりも上です」
一同「「「……」」」
唐沢「でも焦る事はない。君達がしっかりとやるべき事をやり、集中力を切らす事無くゲームを進めていれば」
新城「という事は、耐えて耐えてこっちに流れが来るのを待つと?」
唐沢「そういう事です。バスケの試合で一方的にどちらかが40分流れを持っているなんて事はそう起こらない。場合によっては逆転される事もあるでしょう。でもそこで焦ったりキレたりして集中力を欠けば相手の思うつぼです。そのためにディフェンスと安定感のあるこのメンバーで耐えます」
真田「そして、流れが来たら…」
唐沢、頷く。
唐沢「そう。勝負をかけます。それから…」
-再び星垓ベンチ-
唐沢「そしてここまできちんと耐えてきた。ここでイライラしてもいい事なんて1つもない」
髙木「ぐ…はい…」
唐沢「相手の流れがどこまで続くかはわからない。逆転される事もあるでしょう。ですが君達は私の想定より遥かに持ち堪えていますよ」
大樹「そ、そうなんですか?」
唐沢「そうですとも。やはりインターハイでも国体でもベスト4を経験したメンバーは経験値が違う。私の予想を超えてしっかりと我慢し、時に狡猾なプレーで危機を脱しています」
唐沢監督のこの言葉で、メンバーの顔つきが変わる。
新城(いける…!相模も色々背負ってんだろうが…負けたくないのはこっちも同じだ!こっちには夏も秋も全国ベスト4の名将・唐沢監督がいるんだよ!)
ブーッ!!!
第4Q開始のブザーが鳴る。
両チームともメンバーは変わらない。
最終Qは、相模のスローインからスタート。
椿が今野にボールを入れる。
今野「1本!」
阿部(そういや、これだけ押せ押せなのに星垓はなんら策を用意してきてない。逆に相模も星垓が動かないのをいい事に策を継続したままだ…何か引っかかる…)
椿「阿部さん!動いて!」
阿部「っと!」
(いかんいかん!集中だ!)
このオフェンスでは、外に開いた椿がシュート。
スパァッッ!!
「よーし!スリーポイント!」
相模、第4Q最初のオフェンスを成功。
第4Q 残り9:43
星垓 63
東裁大相模 61
武蔵「くっ…!」
武蔵が懸命にチェックし、タフショット気味になるも椿はスリーを決め切る。
新城「武蔵!切り替えろ!」
武蔵「はい!」
武蔵、即切り替えてオフェンスに走る。
紗妃「ああもう!決められちゃった!」
美保「まずいよまずいよ…」
涼真「…」
春香「…どうしたの涼ちゃん?」
涼真「いや…随分切り替えが早いなって」
満月「どゆこと?」
涼真「今のディフェンス、決められはしたけど場面場面でちゃんと守れてる上にタフショットだったんだよ。結果的に点を取られたけど、なんつーか…それを完全に仕方ないと割り切ってるというか…切り替えにメリハリがありすぎるというか…」
糸織里「むささび君がですか?」
美保「ぷっ…むささびって…」
糸織里「メリハリがあるのはいい事では?」
涼真「そうなんだけど…」
(唐沢監督が何か言ったのかな?)
奈津実「そういえば第3Qも、ちゃんとシュートチェックしてても決められたり、きちんとオフェンス組み立ててもシュートが嫌われたり…流れがこっちにないからこそ起きる失敗、って感じだったかも」
涼真(まさか先生…この展開を読んでいた…?)
バス!!
続いての星垓のオフェンスは、髙木が梅村との1対1を制し得点を上げる。
第4Q 残り9:24
星垓 65
東裁大相模 61
梅村「負けるか!取られたら取り返す!」
ドッガァァアアアアアアアアア!!!!
梅村、髙木のお株を奪うような華麗なステップワークで髙木のディフェンスをかわし、強烈なボースハンドダンクをかます。
第4Q 残り9:09
星垓 65
東裁大相模 63
試合はここから、シーソーゲームに。
どちらかが決めればすかさず返し
どちらかが止めれば、ディフェンスで取り返す。
だが、外のシュートが当たっている相模は、少しずつ差を詰める。
そして、第4Qも折り返しが近づく頃
スパァッッ!!!
「よーし!村越のスリー!」
「よく決めた!これで逆転だ!」
第4Q 残り6:06
星垓 72
東裁大相模 74
相模がついに逆転。
星垓はこの間、髙木のバスケットカウントやゴール下等、髙木でしか点が取れず。
加えて外のシュートに当たりが来ず、ついに相模に逆転を許した。
それでも星垓のメンバーは、慌てる様子がない。
唐沢(そろそろ…何かをきっかけに流れが途切れるはず…見た所流れが良くて誤魔化せているけれど、相模の選手は疲れてきていると見える。特に、髙木君のインサイドアタックをずっと相手取っている梅村君…)
そして…
ガン!!!
梅村「あ…!」
髙木のディフェンスをかわした梅村が、ゴール下を狙うもフィニッシュで手元が狂いシュートを外す。
唐沢(来た!)
バシィッ!
リバウンドは髙木。
髙木(ここだ!)
ブン!!!
髙木、片手で前線にボールをぶん投げる。
そこには、同じくここをチャンスと見た新城が走っていた。
新城「ドンピシャだ!」
バス!!
新城、楽々レイアップを決める。
第4Q 残り5:32
星垓 74
東裁大相模 74
……To be continued
梅村 聡紀
東裁大相模高等学校1年
198㎝92kg
誕生日:3/29
血液型:B
特徴:横を刈り上げたオシャレ坊主頭に、外国人と言っても通用するような彫りの深い顔が特徴。チームでは既に得点源で大黒柱のような存在だが、先輩達によくいじられているが可愛がられてもいる。人一倍厚い情を持つ梅村はそんな先輩達を慕っている。
中学時代からインサイドでは攻守で無類の強さを発揮し、対抗できるインサイドプレイヤーはルーキーながら高校生でもほんのひと握り。中等部の時は陸上部にも所属しており、走り高跳びの県記録保持者。
父が機械を扱うエンジニアであり、自分も機械を扱う仕事に就きたいと考えている。尚成績は赤点ギリギリ。
特技:走り高跳び
趣味:機械いじり
得意教科:物理、数学
苦手教科:物理と数学以外ほぼ全部
得意なプレイ:リバウンド、ブロック、ボースハンドダンク
バスケを始めたきっかけ:小4の時にミニバスの監督にすすめられて
密かな悩み:よくいろんな所に頭をぶつける
-----------------------------
第3Q 残り7:30
星垓 54
東裁大相模 45
星垓
4 新城 敦史 185㎝ 3年
14 篠田 武蔵 182㎝ 1年
15 小笠原 大樹 188㎝ 1年
8 神崎 健太 191㎝ 2年
7 髙木 悠介 199㎝ 3年
東裁大相模
11 今野 正志 176㎝ 2年
14 椿 卓馬 182㎝ 1年
4 阿部 理人 186㎝ 3年
8 村越 悠聖 188㎝ 3年
15 梅村 聡紀 198㎝ 1年
新城「1本!」
ビッ!
新城、ウイングの武蔵にパスをしてすぐに逆サイドに走る。
武蔵、左ミドルポストの大樹にボールを入れる。
ビッ!
間髪入れずハイポストに走り込んだ神崎にパス。
星垓の早いボール回しに相模のゾーンは迅速に対応する。
誰も休まない。
その瞬間、ゾーンに穴があく為である。
そして、24秒タイマー残り6秒
トップで新城がボールを受ける。
椿「チェック!」
外からも打てる新城に、椿がチェックに入る。
髙木がすかさずスクリーンに行く。
ダム!
ビッ!
新城、髙木のスクリーンで一瞬ノーマークになった瞬間を狙い、プルアップでスリーポイント。
ガン!!
春香「ああん、惜しい…」
美保「これも流れが悪いから…?」
リバウンドは梅村。
続く相模のオフェンス。
スパァッッ!!!!
「来たぁ!椿のスリー!」
スクリーンでポップしていた椿がオープンになったのを見逃さず、今野がアシスト。
阿部(いいぞ…!少しずつ流れを引き寄せ始めた!)
星垓は新城のプルアップ、ドライブと髙木のインサイドでしぶとく得点し、ディフェンスでも相模のオフェンスを完全には止められないものの粘る。
それでも、流れを引き寄せた相模の勢いは止められない。
この第3Q、相模は星垓を押した。
ブーッ!!!
第3Q終了
星垓 63
東裁大相模 58
逆転こそしなかったもののこのQ、星垓の16点に対し相模は24点を積み上げた。
-相模ベンチ-
北田「よしよし!流れが来てる!」
村越「シュートタッチもいい。オフェンスは問題ないな」
阿部「でも忘れんな。それでも逆転できてねえんだ。
流れが来てるのに要所で粘られて逆転まで行かせてもらえてない。流石に全国ベスト4ともなると勝ち越すのも簡単じゃない。まだまだ走っていかないとな」
梅村「ゴール下は絶対譲らねえ!勝って全国に行くんだ!」
今野「夏は勝てたんだ。全国ベスト4とはいえ同じ高校生、不可能じゃない」
椿「先輩達の全国ラストチャンス…絶対物にする!」
原「そうとも。残り10分、東裁大相模の全部を出してこい!お前達ならやれる!」
相模メンバー「「「はい!!!」」」
阿部(確かに流れはこっちにあるし、僅差で追い詰めている。でも何だ…?この変な感じ…)
押せ押せな雰囲気の中、阿部だけが何かを感じ取っていた。
が、それに相模メンバーが気づくのはもう少し後。
-星垓ベンチ-
髙木「ああ、クソっ…」
流れの悪さを表すかのような、髙木のフラストレーション。
中澤「落ち着けよ、髙木」
大樹「でも実際、夏もこうだったじゃないすか?後半相模に流れが行って、それを取り戻せなくて…負けた」
唐沢「そうでしたね。あの時はリードされ続けてたのを第3Qの終わりに逆転して…これからという時に第4Q開始早々に相模に連続得点を許し、負けた。ですがあの時と違う箇所もありますよ」
新城「そういえば…まだリードしてるのは星垓ですね」
唐沢「私が第3Qのタイムアウトで言った事を覚えていますか?」
一同、唐沢の言葉を思い出す。
-第3Q、タイムアウト時-
唐沢「相模はリードされて、オフェンスで連携という強みを使ってきました。3年生からすれば6年間ほぼ同じメンバーでプレーしてきたその連携ははっきり言って星垓よりも上です」
一同「「「……」」」
唐沢「でも焦る事はない。君達がしっかりとやるべき事をやり、集中力を切らす事無くゲームを進めていれば」
新城「という事は、耐えて耐えてこっちに流れが来るのを待つと?」
唐沢「そういう事です。バスケの試合で一方的にどちらかが40分流れを持っているなんて事はそう起こらない。場合によっては逆転される事もあるでしょう。でもそこで焦ったりキレたりして集中力を欠けば相手の思うつぼです。そのためにディフェンスと安定感のあるこのメンバーで耐えます」
真田「そして、流れが来たら…」
唐沢、頷く。
唐沢「そう。勝負をかけます。それから…」
-再び星垓ベンチ-
唐沢「そしてここまできちんと耐えてきた。ここでイライラしてもいい事なんて1つもない」
髙木「ぐ…はい…」
唐沢「相手の流れがどこまで続くかはわからない。逆転される事もあるでしょう。ですが君達は私の想定より遥かに持ち堪えていますよ」
大樹「そ、そうなんですか?」
唐沢「そうですとも。やはりインターハイでも国体でもベスト4を経験したメンバーは経験値が違う。私の予想を超えてしっかりと我慢し、時に狡猾なプレーで危機を脱しています」
唐沢監督のこの言葉で、メンバーの顔つきが変わる。
新城(いける…!相模も色々背負ってんだろうが…負けたくないのはこっちも同じだ!こっちには夏も秋も全国ベスト4の名将・唐沢監督がいるんだよ!)
ブーッ!!!
第4Q開始のブザーが鳴る。
両チームともメンバーは変わらない。
最終Qは、相模のスローインからスタート。
椿が今野にボールを入れる。
今野「1本!」
阿部(そういや、これだけ押せ押せなのに星垓はなんら策を用意してきてない。逆に相模も星垓が動かないのをいい事に策を継続したままだ…何か引っかかる…)
椿「阿部さん!動いて!」
阿部「っと!」
(いかんいかん!集中だ!)
このオフェンスでは、外に開いた椿がシュート。
スパァッッ!!
「よーし!スリーポイント!」
相模、第4Q最初のオフェンスを成功。
第4Q 残り9:43
星垓 63
東裁大相模 61
武蔵「くっ…!」
武蔵が懸命にチェックし、タフショット気味になるも椿はスリーを決め切る。
新城「武蔵!切り替えろ!」
武蔵「はい!」
武蔵、即切り替えてオフェンスに走る。
紗妃「ああもう!決められちゃった!」
美保「まずいよまずいよ…」
涼真「…」
春香「…どうしたの涼ちゃん?」
涼真「いや…随分切り替えが早いなって」
満月「どゆこと?」
涼真「今のディフェンス、決められはしたけど場面場面でちゃんと守れてる上にタフショットだったんだよ。結果的に点を取られたけど、なんつーか…それを完全に仕方ないと割り切ってるというか…切り替えにメリハリがありすぎるというか…」
糸織里「むささび君がですか?」
美保「ぷっ…むささびって…」
糸織里「メリハリがあるのはいい事では?」
涼真「そうなんだけど…」
(唐沢監督が何か言ったのかな?)
奈津実「そういえば第3Qも、ちゃんとシュートチェックしてても決められたり、きちんとオフェンス組み立ててもシュートが嫌われたり…流れがこっちにないからこそ起きる失敗、って感じだったかも」
涼真(まさか先生…この展開を読んでいた…?)
バス!!
続いての星垓のオフェンスは、髙木が梅村との1対1を制し得点を上げる。
第4Q 残り9:24
星垓 65
東裁大相模 61
梅村「負けるか!取られたら取り返す!」
ドッガァァアアアアアアアアア!!!!
梅村、髙木のお株を奪うような華麗なステップワークで髙木のディフェンスをかわし、強烈なボースハンドダンクをかます。
第4Q 残り9:09
星垓 65
東裁大相模 63
試合はここから、シーソーゲームに。
どちらかが決めればすかさず返し
どちらかが止めれば、ディフェンスで取り返す。
だが、外のシュートが当たっている相模は、少しずつ差を詰める。
そして、第4Qも折り返しが近づく頃
スパァッッ!!!
「よーし!村越のスリー!」
「よく決めた!これで逆転だ!」
第4Q 残り6:06
星垓 72
東裁大相模 74
相模がついに逆転。
星垓はこの間、髙木のバスケットカウントやゴール下等、髙木でしか点が取れず。
加えて外のシュートに当たりが来ず、ついに相模に逆転を許した。
それでも星垓のメンバーは、慌てる様子がない。
唐沢(そろそろ…何かをきっかけに流れが途切れるはず…見た所流れが良くて誤魔化せているけれど、相模の選手は疲れてきていると見える。特に、髙木君のインサイドアタックをずっと相手取っている梅村君…)
そして…
ガン!!!
梅村「あ…!」
髙木のディフェンスをかわした梅村が、ゴール下を狙うもフィニッシュで手元が狂いシュートを外す。
唐沢(来た!)
バシィッ!
リバウンドは髙木。
髙木(ここだ!)
ブン!!!
髙木、片手で前線にボールをぶん投げる。
そこには、同じくここをチャンスと見た新城が走っていた。
新城「ドンピシャだ!」
バス!!
新城、楽々レイアップを決める。
第4Q 残り5:32
星垓 74
東裁大相模 74
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