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第3章 最初で最後の国体
第157話 国体選考開始
しおりを挟む8月も第2週
インターハイ後のオフも明け、練習が再開された。
その練習後のミーティング。
唐沢「さて、秋の国民体育大会まであと2ヶ月弱、ウィンターカップ予選まであと3ヶ月です。
そこでお知らせなのですが、今週末に国体に神奈川県代表として出場する選手を選考する合宿が1泊2日であるのですが…我が星垓からは7名が招集されました」
一同「「「!?」」」
新城「7名ですか!?」
(そんなに大勢呼ばれる事があるのか…?)
髙木「昨年呼ばれたのは俺と新城、それに1つ上のキャプテンだけだったからな」
唐沢「ではこの場で発表します」
一同「「「………」」」
一同、静かに聞き入る。
唐沢「まず1人目、新城君」
新城「はい!」
パチパチパチ…
誰からともなく拍手がおこる。
唐沢、拍手が止むのを待って話す。
唐沢「2人目は髙木君」
髙木「はい」
パチパチパチ…
再び拍手。
唐沢「続いて3人目、神崎君」
神崎「は、はい!!」
中澤「おお!神崎が入ったか!」
矢島「出世したなぁ!おい」
パチパチパチ…!
どよめきの後、拍手がおこる。
唐沢「4人目は真田君」
真田「はい!」
パチパチパチ…
三石「まあ、順当っちゃ順当か」
福島「本代表なれるようにがんばれよ?」
真田「ああ、ありがとう」
唐沢「続いて…北条君」
涼真「はい」
パチパチパチ…
髙木「ま、そりゃそうだよな」
新城「しかし…1年の涼真がもう呼ばれたって事は…」
唐沢「6人目、中山君」
慎太郎「は、はい!」
パチパチパチ…
新城「やっぱりか」
唐沢「最後、皆藤君」
髙木「おお!賢か!」
中澤「確かに最近、一段と上手くなってきてるもんな」
矢島「北陵戦でも出番は多かったしな」
唐沢「今回招集を受けたのは、ベスト8の各校から30名。各校を代表する実力者ばかりです。
国体候補になったメンバーは、この選考を成長の機会とし、選ばれなかったメンバーも国体候補メンバーを追い抜くつもりで励んで下さい」
一同「「「はい!!!!」」」
体育館にあるホワイトボードには、国体候補の招集を受けたメンバーが張り出されている。
国体招集メンバー
新城 敦史 (星垓3年) 184㎝ PG、SG
髙木 悠介 (星垓3年) 198㎝ PF、C
徳山 勝美 (湘洋大付属3年) 192㎝ SF、PF
中西 岳 (湘洋大付属3年) 201㎝ C
平井 圭太郎 (湘洋大付属3年) 181㎝ PG、SG
日下部 亘 (湘洋大付属3年) 185㎝ SG、SF
阿部 理人 (東裁大相模3年) 185㎝ SG、SF
北田 剛毅 (東裁大相模3年) 180㎝ PG、SG
村越 悠聖 (東裁大相模3年) 188㎝ SF、PF
長崎 健正 (桐神学園3年) 185㎝ SG、SF
青木 洸夜 (桐神学園3年) 186㎝ PF、C
米田 昌幸 (桐神学園3年) 191㎝ PF、C
長谷川 卓治 (法帝大付属三3年)183㎝ SG、SF
大崎 和哉 (法帝大付属三3年)189㎝ PF、C
竹前 祐悟 (法帝大付属三3年)177㎝ PG
神指 良輔 (慶鵬義塾3年) 188㎝ SF、PF
平政 晃 (平塚学院3年) 182㎝ SG、SF
北村 和司 (藤宮東3年) 172㎝ PG
神崎 健太 (星垓2年) 191㎝ PF
真田 直斗 (星垓2年) 183㎝ SG
今野 正志 (東裁大相模2年) 174㎝ PG
原 ダニエル (藤宮東2年) 188㎝ SF、PF、C
北条 涼真 (星垓1年) 188㎝ PG、SG、SF、PF
中山 慎太郎 (星垓1年) 169㎝ PG
皆藤 賢 (星垓1年) 198㎝ C
織田 雄太 (湘洋大付属1年) 196㎝ SF、PF、C
田口 高太郎 (湘洋大付属1年) 199㎝ C
梅村 聡紀 (東裁大相模1年) 195㎝ PF、C
櫻田 祥人 (桐神学園1年) 184㎝ SG、SF
長谷川 翔紀 (法帝大付属三1年)183㎝ SG、SF
ミーティングが終わり、メンバー表を改めて見る星垓メンバー。
神崎「こうやって見ると2年生が圧倒的に少ないですね」
中澤「そうだな。ちぇっ、俺も頑張ったのによ」
選ばれずブー垂れる中澤。
矢島「関東大会に出た5校からは少なくとも4人、その他のベスト8チームからも1人は招集されてるのな」
小宮山「春に練習試合した藤宮東のメンバーも2人いるんだな」
真田「このメンバーから最終的に12人になるんでしたっけ。すると6割も落ちる事になると」
新城「いや、例年ならそうなんだけど今年はメンバー登録は15人らしい。つまり半分だな」
慎太郎「なるほど…まずは県内の強敵が相手か」
-そして数日後-
星垓高校体育館にて、国体招集メンバーが集まり、選考を兼ねたワークアウトを行う事に。
新城「集合がまさかうちの高校とはな」
髙木「昨年は湘洋だったからな。今年はわかりやすくて助かったよ」
徳山「うちらからすればそうでもないぞ、髙木」
他校のメンバーもほぼ全員集まっている。
中西「湘洋からすれば、毎年うちの高校で国体招集されてたのが今年いきなり星垓になった訳だからな」
インターハイ予選で県大会優勝したのは星垓であり、全国ベスト4ともなればその星垓の主力が神奈川の主力となるのだから、当然の話でもあった。
そして間もなく選手が集められ、国体招集の初ミーティングが始まる。
進行するのは、昨年まで毎年のように国体を率いていた湘洋大付属の白石監督だ。
白石「しばらく前の話だがまずは夏の大会、お疲れ様。インターハイ予選ではライバルだったメンバーがこの国体ではチームメイトとして戦い、冬はまた敵として戦う事になる。結果はどうあれこの大会で得た経験をチームに持ち帰り、還元し、冬にまた良きライバルとして戦うためのステップとして貰いたい」
一同「「「はい!!!」」」
白石「改めて今回、神奈川県国体のACを務める白石です」
徳山「!?」
新城「!?」
昨年もいたメンバーはやや驚く。
髙木(昨年は白石先生がHCだった。今年はAC…?)
原「同じくACの東裁大相模の原です、よろしく」
宮藤「同じくAC桐神学園の宮藤です」
唐沢「改めまして。HCを務めます星垓の唐沢です。勝ち負けも大事ですがこの国体で何を持ち帰るか。期待しています」
中西「やっぱりか…」
今年は星垓の唐沢監督が神奈川を率いる事に。
そして唐沢の指示でまずはアップ。
その後1対1や2対2、そして実戦形式に近づけた練習に。
白石「やはり…1対1のレベルで見ると1年生ながら北条に勝てる者は神奈川にはいないか」
原「そうですね…その上、強引な所もあれど決してセルフィッシュではないですし。2対2、3対3で味方を使うのも上手い。ひたすら点を取らせる時はフォワード、北条の仕掛けから攻撃を活性化させたい時はガードとして起用する等できますね」
唐沢「……」
そしてその後、30人を6チームに分けて5分のミニゲームをする事に。
Aチーム
竹前、北田、阿部、織田、皆藤
Bチーム
中山、長谷川(兄)、神指、徳山、米田
Cチーム
新城、日下部、長崎、神崎、田口
Dチーム
北村、櫻田、原、村越、髙木
Eチーム
平井、平政、北条、大崎、梅村
Fチーム
今野、真田、長谷川(弟)、青木、中西
この6チームが入れ替わりで試合をこなしていく。
原、宮藤は審判にまわっている。
白石「ほぼ湘洋大付属の単独チームに何人かを肉付けするだけだった昨年までと違い、今年は混成で行くことになりそうですから選考も難航しそうですね、唐沢先生」
唐沢「そうですね…白石先生ならどういった基準で選びますか?」
白石「そうですね…」
一瞬考える。
白石「まずは、チームの主力…軸となる選手を1~3人決め、その選手をサポートできるように選考するでしょうか。
強力な『個』の集合体も強いですが、連携面でやはり噛み合わず負けてきた国体のチームもこれまでに山ほどある訳ですから」
唐沢「なるほど…では白石先生ならどの選手を基準にしますか?」
白石「ご冗談を唐沢先生。このメンバーではそんなの1人しかいませんよ」
国体選考は、続いていく。
……To be continued
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