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第2章 インターハイ〜
第128話 攻略法
しおりを挟むブーッ!!!
アウトオブバウンズでタイマーが止まる。
第2Q 残り5:03
星垓 28
北陵 34
オフィシャル「交代!青!」
真田「神崎!」
神崎「おう」
バチン!
2年生同士、ハイタッチ。
真田「大樹!お前のマーク4番な」
大樹「うす!」
星垓
F #10 北条 涼真 1年 187㎝
F #9 真田 直斗 2年 183㎝
C/F #15 小笠原 大樹 1年 187㎝
C/F #12 皆藤 賢 1年 198㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
北陵
G #5 三上 直哉 3年 184㎝
G/F #6 堂林 和樹 3年 189㎝
F #4 筒井 辰也 3年 193㎝
C/F #10 劉 子轩 3年 203㎝
C #15 伊達 裕之 1年 211㎝
納見「…」
これを見た北陵の納見監督も…
納見「光山!野村!行くぞ!」
光山「はい!」
野村「了解です」
既にゲームは再開されていた為、次にタイマーが止まるまで待つことになる。
星垓ボールでゲームが再開されている。
涼真(さて…どこから攻める…)
真田「涼真!」
真田、アイバーソンカットから右ウイングでボールを要求。
涼真、そこにすかさずパス。
そして涼真が真田に向かい走り、ボールを手渡しで受ける。
堂林「まーたスタックアウトかよ」
(学習しねえな)
次の瞬間
ダム!!!
涼真、左ドライブ。
そしてそこに髙木のスクリーン。
堂林「スタックアウトからピックアンドロールか?」
だが、涼真はハイポストで止まる。
涼真「髙木さん!」
そう言いながら、右ウイングに向かい涼真の横をスクリーンのようにすり抜けていった真田にパス。
マークマンの三上は振り切られている。
堂林「チッ」
堂林、ブロックに出る。
ガシッ!!!
堂林、髙木のスクリーンに捕まる。
堂林「何!?」
真田、ノーマークでスリーポイント。
山下「フリー!」
村上「しかも絶好の形だ」
スパァッッ!!!
星垓メンバー「「「スリー、来たああああ!!!!」」」
第2Q 残り4:51
星垓 31
北陵 34
3点差、射程圏内に入った。
三上「チッ…」
堂林「まだ追いつかれてない。1本だ」
ダム!
三上でなく、堂林がボールを運ぶ。
三上「堂林…」
(もしかして火がついたか?)
劉「きたか…」
この動きに反応する人間は、観客席にも。
塚森「昨年もうちとの対戦でよくみたよな、あれ」
高松「ああ、堂林が自分でボール運ぶ時はドリブルでリズムをはかる事でギアを上げる時だ」
離れた位置では、舟栄メンバーも観戦している。
霧谷「気をつけろよ北条…こっからの堂林は怖えぞ…」
涼真「来る…」
(なんとなくわかる。自分で仕掛ける気満々だ)
ダム!!!!!
キュッ!!!
堂林、先程と同じくシンプルにドライブからのステップバック。
ビッ!!!
そしてそこから、片足で跳んでのスリーポイント。
涼真「!?」
先程と違い、涼真はブロックにすらほとんど跳べなかった。
スパァッッ!!!!
第2Q 残り4:51
星垓 31
北陵 37
「ここで堂林ー!!!」
涼真(ここにきてギア上げてきやがった…!)
髙木「ドンマイ、返してこう」
涼真「…はい!」
堂林がギアを上げ、北陵が突き放しにいくかと思われた。
スパァッッ!!!
「きたあ!真田のスリー!」
「2連続!!」
ウィーブから涼真がバックドアカットし、ヘルプがインサイドに集まった瞬間を狙ったパスが真田に通る。
インサイドアウトでのいい形でのシュート。
真田はこれを、決め切った。
ブーッ!!!
オフィシャル「タイムアウト!白!」
ここで北陵のタイムアウト。
山下「星垓はのってきたらやはり強いですね」
村上「確かにな。だが追い詰められたというよりは北陵にしてみれば時間が止まらず保留されている『選手交代』のためだろう。そして星垓に対するディフェンスの修正の為のタイムアウトという側面もないことはないだろうな」
ブーッ!!!
タイムアウトがあける。
そして次の瞬間、北陵のメンバー構成に会場が驚く事となる。
星垓
F #10 北条 涼真 1年 187㎝
F #9 真田 直斗 2年 183㎝
C/F #15 小笠原 大樹 1年 187㎝
C/F #12 皆藤 賢 1年 198㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
北陵
G/F #6 堂林 和樹 3年 189㎝
F #8 光山 遼太郎 2年 190㎝
F #11 野村 勇吾 1年 196㎝
C/F #10 劉 子轩 3年 203㎝
C #15 伊達 裕之 1年 211㎝
「なんだありゃああああ!?」
「デカい!北陵、デカすぎる!」
北陵、平均身長197.8㎝のビッグラインナップ。
堂林「1本!」
涼真「ほう…」
(堂林さんがポイントガード…もしかしてそういう事か…?)
堂林がドリブルでタイミングを伺う。
セットオフェンスからスクリーンを使い、入ったばかりの光山が外に抜け出す。
真田「簡単に打たせるか!」
堂林からボールが入り、シュートを構えた光山に向かい真田がブロックに跳ぶ。
ダム!
真田「く…!」
(フェイクかよ…!)
ビッ!!
光山、ワンドリブルで冷静に真田のブロックをかわし、ミドルシュート。
ガシュッ!!!
独特のバンクシュートで決める。
真田「止められねえ…くそ」
髙木「ドンマイ、今のフェイクは仕方ない」
涼真「スリー防いでミドルなら万々歳っすよ」
リスタートを受けながら涼真も声をかける。
涼真(差を詰めないと…)
互いにオフェンス力と高さを補強したが、ここから試合が膠着する。
星垓は涼真の仕掛けからアシストでインサイド、真田のスリーで差を詰めようとするが動きの質を上げてきている堂林相手に涼真が苦戦。
加えて全国最高の高さを誇る北陵のディフェンスを前に思い切りのいいシュートが出づらくなってくる。
ガシィッ!!
矢島「いいぞ!ナイスリバン大樹!」
だが大樹が10㎝近く身長差のある野村相手にオフェンスディフェンス関係なくリバウンドを取りまくりセカンドチャンスを得る事でついていく。
対して北陵は元からある高さを更に補強し、オフェンス力のあるメンバー構成にするも星垓のファウルギリギリの当たりに得点が思いの外伸びない。
残り2分で野村に代わり背番号7・鳴沢を投入し攻撃力を更に上げるも、大樹に平面で封じ込められ、更にディフェンスに難がある為大樹に連続でリバウンドを奪われてしまう。
結果として、差は縮まりも広がりもほぼせず。
第2Q 残り30.3
星垓 40
北陵 42
だが
ガシッ!!
髙木「やべ…!」
ガンッ!!!
ピピーッ!!!
審判「ファウル!青7番!」
髙木、伊達のスカイフックの体勢を崩そうとするも接触してしまう。
オフィシャル席に表示されている髙木のファウル数は「2」。
涼真「2つか…」
(神崎さんも…確か2つだったな)
伊達のフリースロー。
1本目。
スパッ!!
堂林「よしよし」
光山「もう1本」
伊達「はい!」
2本目。
ガン!!
伊達「あ…!」
(やべえ!汗で…)
バシッ!!
だが、このリバウンドを劉が抑える。
劉、シュートと見せかけ走り込んできた伊達にパス。
髙木「させるか!」
ガシッ!!
髙木、ブロックに成功するも伊達と接触。
ピピーッ!!!
涼真(…!)
審判「ファウル!青7番!」
「3」の数字が点灯する。
髙木「やべえな…」
インサイドの要、髙木がファウル3つ。
※ファウルは5回で退場になる
そんな中、伊達は今度こそフリースローを2本とも決める。
第2Q 残り24.7
星垓 40
北陵 45
そして最後の星垓のオフェンス
涼真から真田へのパスを弾かれ
ブーッ!!!
前半終了
星垓 40
北陵 45
攻めきれぬまま前半が終わった。
-観客席-
塚森「なんつーか北陵は良くも悪くも崩れないいつもの試合だな、まさかビッグラインナップを使ってくるとは思わなかったけど」
高松「Zzz…」
大谷「こいつは…」
塚森「はぁ…」
(興味なし、ってか)
近藤「髙木がファウル3つか…星垓には痛いファウルだったな」
永島「北陵ってどうやったら勝てんだよ…」
※春にカップ戦で2回戦い、2回とも舟栄は北陵に敗れている。
霧谷「インサイド攻めるしかないんじゃないか?」
岩倉「お前何言ってんだ…」
近藤「そのインサイドが強力なんだろ…」
霧谷「そうとも限らないんじゃないか?確かに北陵はデカいけど、インサイドの伊達、劉に控えで出てきた野村とフロントコートは筒井を除いて全員技巧派だし線も細いだろ」
永島「確かにな」
霧谷「うちが北陵とやる時は俺は筒井とマッチアップしてるけど、永島みたいなパワータイプのインサイドプレイヤーだと意外と戦えてるだろ?ポジション取りさえしっかりしてれば」
岩倉「確かに、言うほどインサイドで苦戦した感じはないな」
霧谷「北陵に勝つための攻略法は、堂林を何とかする事、インサイドをパワーでゴリゴリ攻める事かな。
んで、パワータイプには基本筒井がマークしてくるから筒井をファウルトラブルで追い出すか複数人でパワー攻めするか、だな」
近藤「そこまでわかっててなんで舟栄は勝ててねえんだよ」
霧谷「そりゃ、堂林に対抗できるマークマンいないからなうちには…インサイドならパワータイプは日置と永島と俺もいるけど」
-星垓・応援席-
春香「はぁ~…息つく暇もなかったよ…」
美保「それはそれとして、スコアブックちゃんとつけてる?」
春香「あ!やば!美保ちゃん見して!」
試合に夢中になるあまりスコアの付け忘れをしていた春香。大慌てで美保のを写させてもらう。
美保「まったく…」
満月「でも、ここまで北陵相手に5点差じゃん!後半逆転して男女でベスト4もいけそうだね!」
優花「満月あんた…楽観視し過ぎにも程があるでしょ」
満月「そうかな?」
奈津実「髙木先輩が3ファウルで、渾身のビッグラインナップでも追いつけなかったんだよ?」
紗妃「北条君はでも凄いよね…あんな早くて上手い人をあそこまでマークしてるんだもの」
美保「後半はメンバーもまた変えるのかな?」
小春「お?そうだよね中山君にも出て欲しいよね~」
美保「…いい加減中山君から話題離れない?」
小春「ごめんごめん」
(でも満更でも無さそうに見えるんだけどな…)
-ハーフタイム、星垓ロッカールーム-
新城「髙木、ファウル抑えろよ」
髙木「ああ、わかってる」
神崎「しかし…高いってだけでこんなに疲れるもんかね」
真田「全力で跳ばないと毎回届かないんだもんな…オフェンスでもプレッシャー凄いし」
涼真「堂林さんもどんどん動きの質を上げてきてる…」
唐沢「強いですね、北陵」
一同、沈黙。
唐沢「ですが、戦い方が無いわけではない。第3Q、攻略しに行きますよ」
……To be continued
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