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第2章 インターハイ〜
第100話 ディフェンスの司令塔
しおりを挟むピピーッ!
後半がスタートする。
星垓
G #4 新城 敦史 3年 184㎝
G/F #13 篠田 武蔵 1年 180㎝
F #10 北条 涼真 1年 187㎝
F #8 神崎 健太 2年 190㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
豊誠学園
G #4 古沢 雅紀 3年 182㎝
G #9 間島 慶臣 2年 179㎝
F #5 山内 正博 3年 185㎝
C/F #10 神崎 玲太 2年 191㎝
C #6 丸山 凌成 3年 195㎝
新城「さあ!逆転すんぞ!」
星垓ボールからスタート。
新城から武蔵へ、武蔵からインサイドの髙木へ、髙木からウイングの涼真へ。
涼真、パスを受けるとすぐさまドライブ。
そこにパスをしたばかりの髙木がスクリーン。
オーソドックスなピックアンドロールのプレイ。
バスッ!!
涼真、スイッチした丸山を物ともせずスピードでかわしレイアップを決める。
星垓 45
豊誠学園 52
中澤「よし!後半先制!」
古沢「ちっ…」
(よりによって警戒してた2人からの失点かよ)
古沢、ボールを運ぶ。
古沢「だが!まだ俺達をまともに止めてねえ!」
そこに山内がスクリーンに来る。
古沢、ドライブ。
新城「させるか!」
新城、ファイトオーバーでしっかり並走。
古沢「!?」
涼真「残念!」
間島「何!?」
(4番と10番のダブルチーム…!?)
古沢がドライブできたのはスリーポイントライン付近まで。
ピックアンドロールから新城、涼真の2人でダブルチームに出た。
古沢「ちっ…」
古沢、ボールを大きく逆サイドの間島へ。
間島には丸山がスクリーンに来る。
間島、武蔵を引き連れたままドライブ。
だが。
髙木「こっちも残念!」
間島(またダブルチーム…!)
丸山「こっちだ!」
間島「わかってますよっ!」
(ピックアンドロールにダブルチームに来るってことは…ロールするスクリーナーがノーマーク!)
ダムッ!
間島、2人の間を上手くバウンズパスで丸山にパス。
丸山「もらった!」
丸山、ゴール下へ。
ガッ…!
丸山「!?」
ズザァッ!!!
丸山の前にいつの間にかもう1人、ディフェンスが現れていた。
丸山はそのディフェンスを押し倒すようにしてもつれて転ぶ。
ピピーッ!!!
レフェリー「オフェンスファウル!チャージング!白6番!」
豊誠学園メンバー「だああっ!惜しい!」
犯人はこの男。
神崎健太「ふぅ…上手くいった」
(読みが当たったぜ…)
山内「運が悪かったな…ディフェンスがそんなとこにたまたまいるなんて」
丸山(たまたま…?)
星垓のオフェンス。
スペインピックで新城から髙木へボールが渡る。
神崎(玲)「簡単に打たせるか!」
丸山と神崎玲太の2人でダブルチーム。
ビッ!
髙木、外へ大きくパス。
スペインピックの後神崎のスクリーンを使い外でフリーになっていた新城へ。
だが…
ガッ!!
シュートは惜しくもリングに嫌われる。
リバウンドは丸山。
古沢「走れ!」
だが、星垓の戻りが早く速攻には至らない。
古沢がボールコントロールし、残りのメンバーがまたクロックオフェンスで周り始める。
古沢「……」
古沢、何かに気づく。
古沢「またか…」
(4番の後ろで10番がヘルプに出られるように構えてやがる…こりゃ抜くのはしんどい)
古沢、間島にパス。
今度は間島がコントロールし、古沢もクロックに加わる。
古沢「……」
(間島の時もそうか…後ろにヘルプがあからさまに控えてやがる)
間島、ウイングに出てきた神崎玲太にパス。
間島「神崎!時間ない!」
ショットクロック残り4秒。
神崎、スリーポイントから1歩内側に入った位置からミドルシュート。
ガッ!!
シュートは外れ、髙木がリバウンドを取る。
古沢(神崎の時はヘルプが1人もいなかった…どういうことだ?)
新城「1本!」
(ディフェンスは上手くいった。後はオフェンスだ…)
スペインピックからポップアウトした涼真にボールが渡る。
同時に全員が片側に寄りアイソレーション。
完全に涼真の1on1で点を取りに行く態勢。
古沢(踏ん張れよ~山内。そいつはお前が止めるんだ)
だが…
ダムッ!!
涼真、1歩目から最高速を出す必殺のペネトレイト。
ドガァッッッッ!!
ワンハンドダンクで得点を挙げる。
星垓 47
豊誠学園 52
中澤「よーし!5点差!」
真田「ディフェンスだぞ!神崎!」
古沢「そうかよ」
(そろそろ決めねえと。ここは…)
古沢、フィールドを見渡す。
古沢(よし!)
古沢、新城から見て左側(つまり古沢から見て右サイド)にドライブ。
新城、半歩遅れて着いていく。
バッ!
どこからともなく涼真がヘルプに出る。
古沢「なっ…?」
(こいつ…さっきまで逆サイドにいたじゃねえかよ!)
バシィッ!
新城、後ろからボールをチップする。
古沢「しまっ…」
目の前にいた涼真がボールをキャッチ。
ブン!!
涼真「新城さんっ!」
涼真、すぐさまボールを前に投げる。
古沢「くっ…」
(ワンマン速攻なんて…やらせるか!)
古沢、全速力で新城に追いつく。
新城がレイアップを放とうという正にその時
古沢のブロックが飛んできた。
ビッ!
古沢「!?」
(放り投げ…やがった…?)
新城は、シュートを打たなかった。
そのかわり、後ろにふわりと滞空時間長く浮くようにボールを放り投げた。
古沢と新城が着地した時、
後ろからこのボールに向かって走ってきていたのは
青の10番を付けた男だった。
古沢「させるか!」
思わず飛んでしまった古沢。
古沢(…!やべえ!)
これが間違いだった事に気づく。
バシッ!
古沢よりはるか上、リングよりも上で両手でボールを掴んだ涼真。
無論、古沢の手はボールには届かない。
古沢と涼真が空中で接触する。
ドッガアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!
涼真、古沢をゴール裏まで吹き飛ばし、豪快なボースハンドダンクをアリウープで決める。
古沢「ぐはぁっ……」
ピピーッ!!!
レフェリー「バスケットカウント!ファウル!白4番!ブロッキング!」
会場、騒然。
それもそのはず、NBAで見られるようなモンスターダンクが日本の高校生の大会で飛び出したのだ。
武田「あははっ、ありゃすげえな」
(あいつ…だいぶフィジカルも鍛えてやがるな)
霧谷「ま、あのくらいはやってくれねえとな。面白くねえ」
近藤「呑気だな、お前」
(北条のやつ…関東大会から2ヶ月足らずであんな化け物になりやがったのかよ…)
岩倉「今のはでかいな。連続得点、しかも連続でいい形でのダンクだ。流れが行きそうだ」
霧谷「ああ。でもその流れを引き寄せてるのは何も北条のオフェンスだけじゃねえぜ」
一同「「「???」」」
霧谷(目立たねえ奴だけど…どうやらディフェンスで司令塔になってんのは北条じゃなくてあいつだな)
レフェリー「ワンスロー!」
涼真、いつもの如くボールを2度地面につき、フリースローを放る。
スパッ!
星垓 50
豊誠学園 52
「すげええええ!?」
「あれよあれよと2点差だ!」
続く豊誠学園のオフェンス。
古沢、間島にボールが渡るも涼真が絶妙のタイミングでダブルチームを仕掛ける。
古沢「何度もダブルチームでやられるかよ!」
古沢、2人に囲まれながらもボールをインサイドに通す。
山下「凄い!」
村上「あのパスを通せるからこそ古豪・豊誠学園のエースなんだろう」
パスを受けたのは、山内。
だが…
バシッ!
ボールを下げたところを、いつの間にかヘルプに来ていた神崎健太に叩かれる。
丸山「あのバカ!」
(不用意にボール下げやがって!)
古沢「ルーズ拾え!」
だが、この言葉を待たずに倒れ込むようにしてボールを取った男がいた。
神崎健太「速攻!」
真田「いいぞ神崎!」
ブン!
ボールを前に放る。
霧谷「ふうん…泥臭いこともきっちりしてるな、守りの司令塔は」
(なるほどな、確かにこのチームに対して的確に有効な守り方してるな、星垓は)
……To be continued
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