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第1章 入学〜インターハイ予選
第89話 先輩の意地、後輩の敬意
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メンバープロフィール
福島 将彦
星垓高等学校2年
184㎝75kg
誕生日 :4/6
血液型 :O
特徴:天然パーマまではいかないがくせっ毛が特徴。新体操をずっとやってきたせいか身体が異常なまでに柔らかく、びっくり人間系のテレビに出た程。パワーもそこそこあるが、剛柔使い分けた器用なプレイが持ち味。
1年の頃に臼井に告白して撃沈した経験あり。
特技 :柔軟、新体操
趣味 :サバゲー
得意教科 :英語
苦手教科 :古典
得意なプレイ :ドライブ、ポストプレイ
バスケを始めたきっかけ :小学生時背が高かったので誘われて(小6当時169㎝)
密かな悩み :身体が柔らかいのだが、柔らか過ぎてついたあだ名がこんにゃく
ーーーーーーーーーー
第4Q開始
湘洋大付属
G #14 山本 晋吾 1年 175㎝
G/F #11 松本 耕文 2年 186㎝
F #4 徳山 勝美 3年 192㎝
C/F #15 織田 雄太 1年 196㎝
C #5 中西 岳 3年 201㎝
星垓
G #5 中澤 透 3年 176㎝
G #6 矢島 薫 3年 180㎝
F #11 北条 涼真 1年 187㎝
C/F #8 神崎 健太 2年 190㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
村上「第3Qラストとメンバーは変わらずか」
山下「最後にいい形で外の攻撃が湘洋大付属は成功しましたからね」
村上「湘洋大付属はインサイドが強くて外は普通、もしくはあまり攻撃オプションとして使ってこないチームだったが…この作戦はどう出るかな?」
星垓の攻撃から最終Qは始まる。
湘洋大付属はゾーンを止めマンツーに。
中澤に山本
矢島に松本
涼真に織田
神崎に徳山
髙木に中西
のマッチアップ。
山下「マッチアップが徳山くんと織田くん変えてきましたね」
右コーナー、涼真がボールをもらう。
織田、抜かれるのを覚悟で激しいプレッシャー。
涼真「…」
(ヘルプの備えも早い…ペネトレイトは無理か)
涼真、ボールをウイングの矢島に戻す。
矢島、中澤と髙木とスペインピックでのオフェンスを試みるも湘洋大付属がスイッチで対応し失敗。
止む無く中澤が24秒ギリギリでシュートを打つ。
ガッ!
このリバウンドは徳山が抑える。
徳山「さあ!1本!」
徳山、ボールを山本に預けオフェンスに向かう。
その徳山、パス交換の末に左ウイングでボールを受ける。
マークは涼真。
神崎「涼真!スクリーンいったぞ!」
織田が涼真にスクリーン。
ダムッ!!
徳山のドライブに涼真、反応するもスクリーンのポジション取りと織田の体格でスクリーンにかかってしまう。
変わって神崎が徳山にマッチアップ。
涼真「ちっ…」
(でもこの後のロールを抑えれば…!)
だが、予想とは裏腹に徳山からパスは出なかった。
そして、織田が突如左コーナーに飛び出す。
涼真「?」
(何を…?)
ダムッ!!!
徳山、神崎と1on1。
神崎、懸命にディフェンスするも抜かれる。
バスッ!
徳山、レイアップを決める。
第4Q 残り9:25
湘洋大付属 56
星垓 64
徳山「さあ!ディフェンス!」
星垓は中澤がボールを運ぶ。
その中澤には山本がぴったりとくっついている。
山本「もう好きにはやらせねーぜ」
中澤(なんだこいつ、歳下のくせに生意気だな)
そんな事を思いつつも、思いのほか隙のないディフェンスをする山本。
中澤(こいつ…ヘラヘラしているが堅実なプレイをする…ディフェンスなんてベッタリくっついて来すぎて逆に気持ち悪いくらいだ)
中澤、早い段階で右ウイングにいた矢島にパス。
新城「!!」
(いつもよりボール離れが早い!)
バシィッ!
矢島がローポストの髙木に入れようとしたパスは中西に読まれターンオーバー。
続くオフェンスでも徳山に織田がスクリーンをかける。
涼真「くっ…」
(身体がでけえ上にスクリーンが上手い!ついて行けねえ)
バスッ!
徳山、再び神崎との1on1から得点を決める。
神崎「くそっ!」
(俺のとこから崩されちまってる…)
山下「湘洋大付属は星垓のディフェンスの穴を見つけましたかね」
村上「星垓の8番は決して悪い選手ではない。が、若干だが機動力に欠ける。それはディフェンスでは自分より早い選手に抜きにかかられると対応しきれなくなるという事だ」
山下「なるほど、そこをスクリーンでのスイッチで徳山くんで狙いに行っていると」
村上「相手は全国常連の湘洋大付属のキャプテンだ。まだ経験の浅い8番を横の動きで翻弄するのは難しくないだろうよ」
山下「なら、スイッチしても抜かれないように下がればいいのでは?
先程もそういうディフェンスをしていましたし…徳山くんもどちらかと言えば外のシュートはあまり打たないじゃないですか」
村上「お、まさに今」
コートでは三度、徳山にスイッチで神崎がついた場面。
神崎、抜かれまいとアイス(ゴール下側に下がって守ること)で対応する。
そこに、逆サイドから松本がボールを受けに走ってくる。
徳山、ハンドオフで松本にボールを渡し、そのまま松本のマークをしていた矢島にスクリーン。
神崎「しまった!」
(アイスで対応したからスイッチしてもシュートチェックができない!)
松本、ノーマークでスリーポイントシュート。
スパッッ!!!
湘洋大付属メンバー「よーし!!!」
ここから、試合は湘洋大付属が押し始める。
微妙にだが機動力で劣る神崎を湘洋大付属は執拗に攻めてきた。
そこからスクリーンやヘルプで空いたところにパスを通されたり徳山にそのまま決められたりと、ディフェンスが完全に後手に回ってしまった。
星垓も涼真の個人技、髙木のインサイドでの奮闘などで粘るも
第4Q 残り4:04
湘洋大付属 72
星垓 76
点差はわずか4点差に。
たまらず星垓・唐沢監督が後半2回目のタイムアウトを取った。
※タイムアウトは1、2Qで合わせて2回、3、4Qで合わせて3回の合計5回まで。
星垓は後半2回目のタイムアウトなのであと1回タイムアウトが使える。
-星垓ベンチ
新城「監督!俺出ます!これじゃ優勝どころか全国だって…!」
唐沢「ダメです」
新城「監督!」
唐沢「新城くん、座りなさい」
新城「…っ」
新城、大人しく座る。
その握られた拳が震えていた。
中澤「…」
矢島「…」
髙木「新城…」
唐沢「中山くん、篠田くん」
慎太郎「はい!」
武蔵「はい」
唐沢「君たちの出番です。入れ替わりに矢島くんと神崎くんを下げます。」
ピピーッ!!
タイムアウト終了
湘洋大付属
G #14 山本 晋吾 1年 175㎝
G/F #11 松本 耕文 2年 186㎝
F #4 徳山 勝美 3年 192㎝
C/F #15 織田 雄太 1年 196㎝
C #5 中西 岳 3年 201㎝
星垓
G #15 中山 慎太郎 1年 169㎝
G #5 中澤 透 3年 176㎝
G/F #13 篠田 武蔵 1年 180㎝
F #11 北条 涼真 1年 187㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
星垓ボールより再開。
ボールを運ぶのは、慎太郎。
山本がプレッシャーをかけるも、ほとんど意に介さない慎太郎。
山本(ムカつくな、こいつ…飄々としやがって!)
山本「くらえ!」
キュッ!
山本、慎太郎のドリブルのコースに的確に手を出しターンオーバーを狙ったが、慎太郎にレッグスルーであっさりかわされる。
慎太郎「考え事してんだよ!邪魔すんな」
山本「!」
ムカッ!
いくらディフェンスで仕掛けようと余裕を持ってパスコースを探し、あまつさえ相手をおちょくるような余裕まである慎太郎。
中澤(そーゆーとこ図太てえよな、こいつ)
ビッ!
慎太郎、ノーモーションでの高速パス。
慎太郎(やっぱり…)
ドガァッ!!!!
第4Q 残り3:53
湘洋大付属 72
星垓 78
一瞬の隙を突いた、涼真と慎太郎の超高速アリウープ。
慎太郎「反撃するためにも、空気作るにはやっぱこれでしょ」
ガシッ!!
涼真と慎太郎、腕をぶつけ合う。
慎太郎「やっぱ、このまま終われねえよな」
涼真「ああ。優勝して、1位で全国に行くんだ」
慎太郎「先輩たちには…最後の夏、絶対負けらんないって気持ち、見してもらったよな」
涼真「尊敬する先輩を勝たすためにも…」
慎太郎「できることを精一杯やろうぜ」
涼真「先輩の意地には、敬意で応えないとな」
湘洋大付属の攻撃
左エルボーでポストアップし、涼真を背負いボールを受けた織田。
ゾワッ…
背中にものすごい悪寒。
織田「なんだ…?」
(空気が…違う?)
織田、ボールをウイングの徳山に預けそのまま徳山にスクリーン。
徳山をマークする武蔵、織田がスクリーンに来るのを見てスクリーンをかわすために徳山からやや離れたディフェンス。
ダムッ!
徳山、織田のスクリーンを利用しペネトレイトを試みるも…
バシィッ!!
徳山「!?」
気がつくとボールが弾かれ徳山の手を離れている。
そのボールを
弾いた本人、涼真がかっさらう!
山本「ちっ!」
(ワンマン速攻なんてさせるか!)
いち早くヘルプに戻った山本。
涼真「どきやがれ!!」
涼真、構わず山本と1on1。
涼真、レイアップに踏み切る。
山本、止めんとこちらも跳ぶ。
徳山「やめろ!跳ぶな山本!!」
山本(全力で跳ばれたら届かねえ!その前にボールを弾く!)
だが
ビシッ!!!
山本が伸ばした手は、ボールを持っていない涼真の左手を虚しく叩いて終わる。
涼真、山本から遠い側、右手でボールを浮かせる。
ピピーッ!!!!
バスッ!!!
第4Q 残り3:30
湘洋大付属 72
星垓 80
レフェリー「ファウル!白14番!カウント!ワンスロー!」
星垓ベンチ「よっしゃあああ!!!」
新城、拳をグッと握る。
涼真、ゴール下から新城に向けて拳を突き出す。
アリウープ、バスケットカウントの2連続。
最終盤を迎え、1年生エースの涼真に爆発が訪れようとしていた。
……To be continued
福島 将彦
星垓高等学校2年
184㎝75kg
誕生日 :4/6
血液型 :O
特徴:天然パーマまではいかないがくせっ毛が特徴。新体操をずっとやってきたせいか身体が異常なまでに柔らかく、びっくり人間系のテレビに出た程。パワーもそこそこあるが、剛柔使い分けた器用なプレイが持ち味。
1年の頃に臼井に告白して撃沈した経験あり。
特技 :柔軟、新体操
趣味 :サバゲー
得意教科 :英語
苦手教科 :古典
得意なプレイ :ドライブ、ポストプレイ
バスケを始めたきっかけ :小学生時背が高かったので誘われて(小6当時169㎝)
密かな悩み :身体が柔らかいのだが、柔らか過ぎてついたあだ名がこんにゃく
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第4Q開始
湘洋大付属
G #14 山本 晋吾 1年 175㎝
G/F #11 松本 耕文 2年 186㎝
F #4 徳山 勝美 3年 192㎝
C/F #15 織田 雄太 1年 196㎝
C #5 中西 岳 3年 201㎝
星垓
G #5 中澤 透 3年 176㎝
G #6 矢島 薫 3年 180㎝
F #11 北条 涼真 1年 187㎝
C/F #8 神崎 健太 2年 190㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
村上「第3Qラストとメンバーは変わらずか」
山下「最後にいい形で外の攻撃が湘洋大付属は成功しましたからね」
村上「湘洋大付属はインサイドが強くて外は普通、もしくはあまり攻撃オプションとして使ってこないチームだったが…この作戦はどう出るかな?」
星垓の攻撃から最終Qは始まる。
湘洋大付属はゾーンを止めマンツーに。
中澤に山本
矢島に松本
涼真に織田
神崎に徳山
髙木に中西
のマッチアップ。
山下「マッチアップが徳山くんと織田くん変えてきましたね」
右コーナー、涼真がボールをもらう。
織田、抜かれるのを覚悟で激しいプレッシャー。
涼真「…」
(ヘルプの備えも早い…ペネトレイトは無理か)
涼真、ボールをウイングの矢島に戻す。
矢島、中澤と髙木とスペインピックでのオフェンスを試みるも湘洋大付属がスイッチで対応し失敗。
止む無く中澤が24秒ギリギリでシュートを打つ。
ガッ!
このリバウンドは徳山が抑える。
徳山「さあ!1本!」
徳山、ボールを山本に預けオフェンスに向かう。
その徳山、パス交換の末に左ウイングでボールを受ける。
マークは涼真。
神崎「涼真!スクリーンいったぞ!」
織田が涼真にスクリーン。
ダムッ!!
徳山のドライブに涼真、反応するもスクリーンのポジション取りと織田の体格でスクリーンにかかってしまう。
変わって神崎が徳山にマッチアップ。
涼真「ちっ…」
(でもこの後のロールを抑えれば…!)
だが、予想とは裏腹に徳山からパスは出なかった。
そして、織田が突如左コーナーに飛び出す。
涼真「?」
(何を…?)
ダムッ!!!
徳山、神崎と1on1。
神崎、懸命にディフェンスするも抜かれる。
バスッ!
徳山、レイアップを決める。
第4Q 残り9:25
湘洋大付属 56
星垓 64
徳山「さあ!ディフェンス!」
星垓は中澤がボールを運ぶ。
その中澤には山本がぴったりとくっついている。
山本「もう好きにはやらせねーぜ」
中澤(なんだこいつ、歳下のくせに生意気だな)
そんな事を思いつつも、思いのほか隙のないディフェンスをする山本。
中澤(こいつ…ヘラヘラしているが堅実なプレイをする…ディフェンスなんてベッタリくっついて来すぎて逆に気持ち悪いくらいだ)
中澤、早い段階で右ウイングにいた矢島にパス。
新城「!!」
(いつもよりボール離れが早い!)
バシィッ!
矢島がローポストの髙木に入れようとしたパスは中西に読まれターンオーバー。
続くオフェンスでも徳山に織田がスクリーンをかける。
涼真「くっ…」
(身体がでけえ上にスクリーンが上手い!ついて行けねえ)
バスッ!
徳山、再び神崎との1on1から得点を決める。
神崎「くそっ!」
(俺のとこから崩されちまってる…)
山下「湘洋大付属は星垓のディフェンスの穴を見つけましたかね」
村上「星垓の8番は決して悪い選手ではない。が、若干だが機動力に欠ける。それはディフェンスでは自分より早い選手に抜きにかかられると対応しきれなくなるという事だ」
山下「なるほど、そこをスクリーンでのスイッチで徳山くんで狙いに行っていると」
村上「相手は全国常連の湘洋大付属のキャプテンだ。まだ経験の浅い8番を横の動きで翻弄するのは難しくないだろうよ」
山下「なら、スイッチしても抜かれないように下がればいいのでは?
先程もそういうディフェンスをしていましたし…徳山くんもどちらかと言えば外のシュートはあまり打たないじゃないですか」
村上「お、まさに今」
コートでは三度、徳山にスイッチで神崎がついた場面。
神崎、抜かれまいとアイス(ゴール下側に下がって守ること)で対応する。
そこに、逆サイドから松本がボールを受けに走ってくる。
徳山、ハンドオフで松本にボールを渡し、そのまま松本のマークをしていた矢島にスクリーン。
神崎「しまった!」
(アイスで対応したからスイッチしてもシュートチェックができない!)
松本、ノーマークでスリーポイントシュート。
スパッッ!!!
湘洋大付属メンバー「よーし!!!」
ここから、試合は湘洋大付属が押し始める。
微妙にだが機動力で劣る神崎を湘洋大付属は執拗に攻めてきた。
そこからスクリーンやヘルプで空いたところにパスを通されたり徳山にそのまま決められたりと、ディフェンスが完全に後手に回ってしまった。
星垓も涼真の個人技、髙木のインサイドでの奮闘などで粘るも
第4Q 残り4:04
湘洋大付属 72
星垓 76
点差はわずか4点差に。
たまらず星垓・唐沢監督が後半2回目のタイムアウトを取った。
※タイムアウトは1、2Qで合わせて2回、3、4Qで合わせて3回の合計5回まで。
星垓は後半2回目のタイムアウトなのであと1回タイムアウトが使える。
-星垓ベンチ
新城「監督!俺出ます!これじゃ優勝どころか全国だって…!」
唐沢「ダメです」
新城「監督!」
唐沢「新城くん、座りなさい」
新城「…っ」
新城、大人しく座る。
その握られた拳が震えていた。
中澤「…」
矢島「…」
髙木「新城…」
唐沢「中山くん、篠田くん」
慎太郎「はい!」
武蔵「はい」
唐沢「君たちの出番です。入れ替わりに矢島くんと神崎くんを下げます。」
ピピーッ!!
タイムアウト終了
湘洋大付属
G #14 山本 晋吾 1年 175㎝
G/F #11 松本 耕文 2年 186㎝
F #4 徳山 勝美 3年 192㎝
C/F #15 織田 雄太 1年 196㎝
C #5 中西 岳 3年 201㎝
星垓
G #15 中山 慎太郎 1年 169㎝
G #5 中澤 透 3年 176㎝
G/F #13 篠田 武蔵 1年 180㎝
F #11 北条 涼真 1年 187㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
星垓ボールより再開。
ボールを運ぶのは、慎太郎。
山本がプレッシャーをかけるも、ほとんど意に介さない慎太郎。
山本(ムカつくな、こいつ…飄々としやがって!)
山本「くらえ!」
キュッ!
山本、慎太郎のドリブルのコースに的確に手を出しターンオーバーを狙ったが、慎太郎にレッグスルーであっさりかわされる。
慎太郎「考え事してんだよ!邪魔すんな」
山本「!」
ムカッ!
いくらディフェンスで仕掛けようと余裕を持ってパスコースを探し、あまつさえ相手をおちょくるような余裕まである慎太郎。
中澤(そーゆーとこ図太てえよな、こいつ)
ビッ!
慎太郎、ノーモーションでの高速パス。
慎太郎(やっぱり…)
ドガァッ!!!!
第4Q 残り3:53
湘洋大付属 72
星垓 78
一瞬の隙を突いた、涼真と慎太郎の超高速アリウープ。
慎太郎「反撃するためにも、空気作るにはやっぱこれでしょ」
ガシッ!!
涼真と慎太郎、腕をぶつけ合う。
慎太郎「やっぱ、このまま終われねえよな」
涼真「ああ。優勝して、1位で全国に行くんだ」
慎太郎「先輩たちには…最後の夏、絶対負けらんないって気持ち、見してもらったよな」
涼真「尊敬する先輩を勝たすためにも…」
慎太郎「できることを精一杯やろうぜ」
涼真「先輩の意地には、敬意で応えないとな」
湘洋大付属の攻撃
左エルボーでポストアップし、涼真を背負いボールを受けた織田。
ゾワッ…
背中にものすごい悪寒。
織田「なんだ…?」
(空気が…違う?)
織田、ボールをウイングの徳山に預けそのまま徳山にスクリーン。
徳山をマークする武蔵、織田がスクリーンに来るのを見てスクリーンをかわすために徳山からやや離れたディフェンス。
ダムッ!
徳山、織田のスクリーンを利用しペネトレイトを試みるも…
バシィッ!!
徳山「!?」
気がつくとボールが弾かれ徳山の手を離れている。
そのボールを
弾いた本人、涼真がかっさらう!
山本「ちっ!」
(ワンマン速攻なんてさせるか!)
いち早くヘルプに戻った山本。
涼真「どきやがれ!!」
涼真、構わず山本と1on1。
涼真、レイアップに踏み切る。
山本、止めんとこちらも跳ぶ。
徳山「やめろ!跳ぶな山本!!」
山本(全力で跳ばれたら届かねえ!その前にボールを弾く!)
だが
ビシッ!!!
山本が伸ばした手は、ボールを持っていない涼真の左手を虚しく叩いて終わる。
涼真、山本から遠い側、右手でボールを浮かせる。
ピピーッ!!!!
バスッ!!!
第4Q 残り3:30
湘洋大付属 72
星垓 80
レフェリー「ファウル!白14番!カウント!ワンスロー!」
星垓ベンチ「よっしゃあああ!!!」
新城、拳をグッと握る。
涼真、ゴール下から新城に向けて拳を突き出す。
アリウープ、バスケットカウントの2連続。
最終盤を迎え、1年生エースの涼真に爆発が訪れようとしていた。
……To be continued
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