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第1章 入学〜インターハイ予選
第83話 スカウティング
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メンバープロフィール
小笠原 大樹
星垓高等学校1年
187㎝81kg
誕生日 :8/11
血液型 :B
特徴:ツーブロックにゴリマッチョという遠目から見たら厳つい感じだが、須川と比べると顔までは厳つくなくむしろ美形な方(涼真や慎太郎程ではないが)。
その見た目からは想像できないが繊細である。
パワーではチームでも1、2を争うレベルで、須川を尊敬している。泥臭い献身的なプレイが得意で得点はあまり取らない変わり者。
特技 :腕相撲(握力は両腕70、腕やその他の体の筋肉量もチームではトップレベル)
趣味 :興味があることは多いのでこれといってない
得意教科 :化学
苦手教科 :英語、古典
得意なプレイ :リバウンド、スクリーンなど体を張るプレイ
バスケを始めたきっかけ :中学で勧誘されて
密かな悩み :視力が落ちてきて、コンタクトにしようかスポーツゴーグルをかけようか迷っている
ーーーーーーーーーー
-決勝リーグ2日目の夕方
涼真たち星垓メンバーは今、学校に戻りビデオを見ている。
今見ているビデオは、先程終わった試合
決勝リーグ2日目第4試合
湘洋大付属 - 桐神学園
先程第2試合で相模に負けているせいか雰囲気は重い。
新城に至ってはビデオを見ている間、常に眉間にシワがよっていた。
先程生で観戦していた試合だが、明日当たる湘洋大付属に勝つ可能性を少しでも上げるため、学校に戻りスカウティングをしているのだ。
ビデオには今、桐神学園のインサイド勢を相手にリバウンドを無理矢理もぎ取る湘洋大付属#5、中西が映っている。
髙木「中西 岳…プレイエリアはほとんどペイントエリア内とその1、2歩外側だけだが…」
皆藤「スピードは並ですけどパワーもテクニックも申し分無し…流石全国レベルのセンターって感じですよね」
須川「特にリバウンドには滅法強いですね。オフェンスディフェンス関係なく安定してリバウンドを稼ぐから湘洋大付属は大崩れしない」
髙木「ポジション取りも抜群に上手いしな…シュートは中距離もそこそこ入るし」
神崎「おまけに身長は201センチ、と」
中西とマッチアップする可能性のあるインサイド陣は目の当たりにしたその実力に身を強ばらせる。
ビデオではその中西がポストアップからパスアウト。
『スパッ!』
受け取った背番号#7、日下部がスリーを沈める。
真田「日下部 亘…」
篠田「平井さんと湘洋大付属のツーガードを務めシュート、パス、ハンドリング、そしてディフェンスで飛び抜けた武器はないものの全て及第点以上…」
新城「身長も185、俺と同じ位だな」
そしてビデオ内では決めた日下部と平井がハイタッチ。
中山「平井 圭太郎…181か」
(近頃はでけえガードばっかだ…)
三石「どっちかっていうとディフェンスの上手い選手だな。バックコートでボックスワンのディフェンスをする時なんかは日下部にポイントガードを任せてディフェンスをしてくることもあると」
その言葉の通り、桐神の櫻田に平井が徹底マーク。
中澤「多少身長差はあるが、涼真や新城につくこともあるんじゃないか?」
涼真「………」
ビデオの場面はちょうど、櫻田が平井のチェックを受けながら打ったタフショットがリングで弾かれた場面。
リバウンドを取ったのは背番号#15。
神崎「織田 雄太…」
髙木「…スリーはほぼ打ってこないものの、インサイドはもちろんドライブやミドルでも得点してくる。
1年にして湘洋大付属の得点源の一角か」
賢「スモールラインナップではセンターも務められるサイズとパワーに、ビッグラインナップではスモールフォワードもできる器用さもある」
コートでは織田からローポストに陣取る背番号#4、徳山へパスが通る。
バスッ!
徳山、身長で劣る桐神学園#4、長崎を押し込みゴール下を沈める。
佐藤「徳山 勝美…湘洋大付属の主将」
涼真「スモールフォワードにコンバートされただけあって攻撃はインサイドかドライブに偏りがちだがテクニックが超一流。湘洋大付属の重要な得点源の一角」
新城「ま、外が入らないわけじゃないけどな。めちゃくちゃ入る訳でなくともそれなりの確率で打てるガード2人がいるってのもあるし」
髙木「なるほど…5番は大黒柱としてインサイドを攻守で制圧、織田・徳山のフロントコート陣が得点源、平井はバックコートのディフェンスで相手を封じ、オールラウンドに潤滑油になっている日下部もいると」
新城「チームとしてアウトサイドのシュートの割合が少なめなこと以外これと言って穴がないな」
中澤「それが神奈川の王者たる所以だろう」
ブーッ!!
ビデオはまさに試合が終わったところである。
試合終了
湘洋大付属 90
桐神学園 81
中山「桐神は櫻田も長崎さんも新海もシュートがだいぶ当たってたんですけどね」
神崎「それでもリバウンドで3倍近い差があっちゃ勝つのは厳しいだろう」
桐神学園は81点のうち、櫻田が30点、新海が21点、長崎が20点を記録。3人のフィールドゴール成功率は55%と高水準だった。
だがインサイドでは技巧派の青木、パワー型の米田共に湘洋大付属の強力なインサイドに歯が立たず、チームで桐神学園のリバウンド数は23。対して湘洋大付属は62ものリバウンドを奪いインサイドを支配。
湘洋大付属はミドルレンジのシュートが当たらず接戦となったが
インサイドを確実に支配し、2勝目をあげた。
これにより、決勝リーグの星取表はこのようになった。
現在の順位は
1、湘洋大付属 得失点+23(3位以上は確定)
2、星垓 得失点 +6
3、東裁大相模 得失点-12
4、桐神学園 得失点-17(2位以下が確定)
明日の決勝リーグ最終日で全国へ勝ち進むか夏が終わるかの明暗が別れる。
星垓高校では、湘洋大付属のスカウティングをしていたものの、これといった作戦も立てられた訳でなくそれぞれ帰宅していた。
涼真は残って再び湘洋大付属のビデオを見ている。慎太郎も一緒だ。
関東予選、決勝リーグの相模戦、桐神戦となんとなく眺めている涼真。
涼真「…」
(湘洋大付属はデカいチームだ。1人1人の能力はもちろんだけど、ここまで見れば一目瞭然だ…チームの戦術がオフェンスディフェンス共にハッキリと決まってる…)
慎太郎「どーするか攻略法はありそうかよ?」
涼真「確実なことは言えないけど…やれるだけやってみるさ」
そう言いつつ涼真はニヤリとする。
慎太郎(出たよ…)
慎太郎は中学時代からこの涼真の表情を知っている。
涼真が歯切れの悪いセリフと共にニヤリとするのは、逆境を楽しんでいる時。
そして、やる気に満ち溢れ、集中している時である。
涼真(見てやがれ…明日は絶対に勝つ!そして絶対に全国に行くんだ!)
涼真、慎太郎共に帰途につく。
そして
あっという間に時間は経ち…
翌日、決勝リーグ最終日。
全国への最後の戦いが始まる。
……To be continued
小笠原 大樹
星垓高等学校1年
187㎝81kg
誕生日 :8/11
血液型 :B
特徴:ツーブロックにゴリマッチョという遠目から見たら厳つい感じだが、須川と比べると顔までは厳つくなくむしろ美形な方(涼真や慎太郎程ではないが)。
その見た目からは想像できないが繊細である。
パワーではチームでも1、2を争うレベルで、須川を尊敬している。泥臭い献身的なプレイが得意で得点はあまり取らない変わり者。
特技 :腕相撲(握力は両腕70、腕やその他の体の筋肉量もチームではトップレベル)
趣味 :興味があることは多いのでこれといってない
得意教科 :化学
苦手教科 :英語、古典
得意なプレイ :リバウンド、スクリーンなど体を張るプレイ
バスケを始めたきっかけ :中学で勧誘されて
密かな悩み :視力が落ちてきて、コンタクトにしようかスポーツゴーグルをかけようか迷っている
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-決勝リーグ2日目の夕方
涼真たち星垓メンバーは今、学校に戻りビデオを見ている。
今見ているビデオは、先程終わった試合
決勝リーグ2日目第4試合
湘洋大付属 - 桐神学園
先程第2試合で相模に負けているせいか雰囲気は重い。
新城に至ってはビデオを見ている間、常に眉間にシワがよっていた。
先程生で観戦していた試合だが、明日当たる湘洋大付属に勝つ可能性を少しでも上げるため、学校に戻りスカウティングをしているのだ。
ビデオには今、桐神学園のインサイド勢を相手にリバウンドを無理矢理もぎ取る湘洋大付属#5、中西が映っている。
髙木「中西 岳…プレイエリアはほとんどペイントエリア内とその1、2歩外側だけだが…」
皆藤「スピードは並ですけどパワーもテクニックも申し分無し…流石全国レベルのセンターって感じですよね」
須川「特にリバウンドには滅法強いですね。オフェンスディフェンス関係なく安定してリバウンドを稼ぐから湘洋大付属は大崩れしない」
髙木「ポジション取りも抜群に上手いしな…シュートは中距離もそこそこ入るし」
神崎「おまけに身長は201センチ、と」
中西とマッチアップする可能性のあるインサイド陣は目の当たりにしたその実力に身を強ばらせる。
ビデオではその中西がポストアップからパスアウト。
『スパッ!』
受け取った背番号#7、日下部がスリーを沈める。
真田「日下部 亘…」
篠田「平井さんと湘洋大付属のツーガードを務めシュート、パス、ハンドリング、そしてディフェンスで飛び抜けた武器はないものの全て及第点以上…」
新城「身長も185、俺と同じ位だな」
そしてビデオ内では決めた日下部と平井がハイタッチ。
中山「平井 圭太郎…181か」
(近頃はでけえガードばっかだ…)
三石「どっちかっていうとディフェンスの上手い選手だな。バックコートでボックスワンのディフェンスをする時なんかは日下部にポイントガードを任せてディフェンスをしてくることもあると」
その言葉の通り、桐神の櫻田に平井が徹底マーク。
中澤「多少身長差はあるが、涼真や新城につくこともあるんじゃないか?」
涼真「………」
ビデオの場面はちょうど、櫻田が平井のチェックを受けながら打ったタフショットがリングで弾かれた場面。
リバウンドを取ったのは背番号#15。
神崎「織田 雄太…」
髙木「…スリーはほぼ打ってこないものの、インサイドはもちろんドライブやミドルでも得点してくる。
1年にして湘洋大付属の得点源の一角か」
賢「スモールラインナップではセンターも務められるサイズとパワーに、ビッグラインナップではスモールフォワードもできる器用さもある」
コートでは織田からローポストに陣取る背番号#4、徳山へパスが通る。
バスッ!
徳山、身長で劣る桐神学園#4、長崎を押し込みゴール下を沈める。
佐藤「徳山 勝美…湘洋大付属の主将」
涼真「スモールフォワードにコンバートされただけあって攻撃はインサイドかドライブに偏りがちだがテクニックが超一流。湘洋大付属の重要な得点源の一角」
新城「ま、外が入らないわけじゃないけどな。めちゃくちゃ入る訳でなくともそれなりの確率で打てるガード2人がいるってのもあるし」
髙木「なるほど…5番は大黒柱としてインサイドを攻守で制圧、織田・徳山のフロントコート陣が得点源、平井はバックコートのディフェンスで相手を封じ、オールラウンドに潤滑油になっている日下部もいると」
新城「チームとしてアウトサイドのシュートの割合が少なめなこと以外これと言って穴がないな」
中澤「それが神奈川の王者たる所以だろう」
ブーッ!!
ビデオはまさに試合が終わったところである。
試合終了
湘洋大付属 90
桐神学園 81
中山「桐神は櫻田も長崎さんも新海もシュートがだいぶ当たってたんですけどね」
神崎「それでもリバウンドで3倍近い差があっちゃ勝つのは厳しいだろう」
桐神学園は81点のうち、櫻田が30点、新海が21点、長崎が20点を記録。3人のフィールドゴール成功率は55%と高水準だった。
だがインサイドでは技巧派の青木、パワー型の米田共に湘洋大付属の強力なインサイドに歯が立たず、チームで桐神学園のリバウンド数は23。対して湘洋大付属は62ものリバウンドを奪いインサイドを支配。
湘洋大付属はミドルレンジのシュートが当たらず接戦となったが
インサイドを確実に支配し、2勝目をあげた。
これにより、決勝リーグの星取表はこのようになった。
現在の順位は
1、湘洋大付属 得失点+23(3位以上は確定)
2、星垓 得失点 +6
3、東裁大相模 得失点-12
4、桐神学園 得失点-17(2位以下が確定)
明日の決勝リーグ最終日で全国へ勝ち進むか夏が終わるかの明暗が別れる。
星垓高校では、湘洋大付属のスカウティングをしていたものの、これといった作戦も立てられた訳でなくそれぞれ帰宅していた。
涼真は残って再び湘洋大付属のビデオを見ている。慎太郎も一緒だ。
関東予選、決勝リーグの相模戦、桐神戦となんとなく眺めている涼真。
涼真「…」
(湘洋大付属はデカいチームだ。1人1人の能力はもちろんだけど、ここまで見れば一目瞭然だ…チームの戦術がオフェンスディフェンス共にハッキリと決まってる…)
慎太郎「どーするか攻略法はありそうかよ?」
涼真「確実なことは言えないけど…やれるだけやってみるさ」
そう言いつつ涼真はニヤリとする。
慎太郎(出たよ…)
慎太郎は中学時代からこの涼真の表情を知っている。
涼真が歯切れの悪いセリフと共にニヤリとするのは、逆境を楽しんでいる時。
そして、やる気に満ち溢れ、集中している時である。
涼真(見てやがれ…明日は絶対に勝つ!そして絶対に全国に行くんだ!)
涼真、慎太郎共に帰途につく。
そして
あっという間に時間は経ち…
翌日、決勝リーグ最終日。
全国への最後の戦いが始まる。
……To be continued
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