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七粒目 野茨闇 ~『落花流水の情』の巻~
その八 どうか、これからもずっと、あなたのそばにいさせてください!
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「薬師殿、陛下より、あなたの警護を仰せつかりました、衛士の思阿と申します。よろしくお願いいたします」
「杜貴人にお仕えしております、侍女の深緑と申します。このたび、薬師として後宮典薬寮のお仕事をお手伝いさせていただくことになりました。こちらこそ、よろしくお願いいたします」
久しぶりに会ったのに、お互いひどく余所余所しい感じなのよね――。
おまけに思阿さんたら、挨拶がすんだら、さっさともといた部屋へ戻ってしまった。
何だか、ちょっと寂しい……。理由は上手く言えないけれど……。
「武骨そうですが、なかなか気配りのできるお方のようですよ、思阿どのは――。あなたをお待ちする間、薬研で薬種を砕く作業を喜んで手伝ってくださいました。こちらに出入りする男の方は、ほとんどがご老人なので、何だかみんな、うきうきしてしまって……。なんと言っても、絵に描いたような美丈夫ですからね!」
去って行く思阿さんの姿を見送りながら、童永さんが、うっとりした目つきで言った。
通路で思阿さんとすれ違った女官たちも、きらきらした目で振り返っている。
そんな人たちを見ると、わたしは、また、いつものように心の中で呟いてしまう……。
でもね――、あの人、底知らずなんですよ! あんなふうにすましていますけど、お酒に目がないんです。それに、鍛練も大好きで、弓だって剣だって相当な腕前なんですよ! そこらへんの私兵なんか、とうてい叶わないぐらいの――。
わたしは、よく知っているんです。だって、あの人とわたしは――。
◇ ◇ ◇
典薬寮の手伝いは正午に終わり、わたしは、昼餐前に天藍宮へ戻ることになった。
診療を受けに来た人の中に、おかしな怪我をしたり、不思議な病を患ったりしている人はいなかったが、気になる話をした女官が一人いた。
「わたしと一緒に、金陽宮で周妃にお仕えする丹有という者なのですが、最近ちょっと妙なのです。仕事をしながら、急にぼうっとしたり、前は大好物だった干し魚を、生臭いと言って食べなくなったり――。何かおかしな病に罹っているのでなければいいのですが……」
わたしは、腰が痛むというその女官に快癒水を飲ませ、すぐに良くなると思うが、重い物を動かす仕事は少し控えるように言った。
また、丹有さんの症状がひどくなるようなら、典薬寮へ連れてくるように頼んだ。
金陽宮は、西の宮にある宮殿で、ちょうど翡翠宮の裏に建っている。
気にするほどのことではないのだろう。
だが、ここ後宮で、魔軍の企みが密かに進行しているかもしれないのだ。
些細な異変にも、注意を向けておかなくては――。
空腹の上、ぼんやり考えごとをしていたのが、いけなかったのだと思う。
荷物をまとめ典薬寮の玄関を出ようとしたら、敷石につまずいて転びかけた。
「んひゃ!」
変な叫び声を上げて、よろめいたわたしを、誰かの逞しい腕が抱き留めてくれた。
誰か? ううん、よく知っている腕だ……。思阿さんの腕……。
「大丈夫ですか? 相変わらずですね……、深緑さんは!」
「あ、相変わらずって――」
―― グルギュルグル……ギュルウウウーンッ……。
うわぁっ! やめてよ! こんなときに、こんなところで、どうして鳴るのよう?!
わたしを腕に抱えたまま、思阿さんが必死に笑いをこらえている。
「は、放してください! もう、大丈夫ですから!」
「は、はい……。ウクッ……」
わたしは急いで、思阿さんから少し離れ、衣の乱れを直した。
ついでにさりげなくお腹をさすって、再び大騒ぎしそうなお腹の虫を沈めた。
思阿さんは、口に手を当て、笑いを飲み込み真顔になろうと苦労していた。
まだ、胸がドキドキしていた。思阿さんにそれを知られたくない……。
わたしは、わざと彼を無視して典薬寮の門を出ると、天藍宮へ向かって歩き出した。思阿さんは、黙ってわたしの後を追いかけてきた。
西の宮の手前の庭園まで来て、ようやく気持ちが落ち着いたわたしは、ゆっくり振り向いた。
「ど、どうして、後宮にいるんですか? 衛士なんかになって――」
わたしは、思阿さんの顔を見上げ、軽くにらみながら尋ねた。
思阿さんは、ちょっと困った顔で、「うーん」と一声唸ったあと答えた。
「それは――、どうやら、これが女神様たちのご意思のようだからです……」
「め、女神様たちのご意思?!」
思阿さんは、池の畔でわたしと別れてからのことを話してくれた。
彼は、わたしより一足早く榮凌に来ていたそうだ。
玄姫様の地図で、ここに最後の種核があることは知っていたが、具体的な場所は突き止められなかったという。
そして、思阿さんが馮将軍であることに気づいたわたしが、思阿さんに嘘をつかれ騙されていたと思い込み怒っていることはわかったが、どうすることもできずに悩んでいたそうだ。
「『秀女選抜』が近づき、大勢の客で賑わう榮凌の宿で、途方に暮れていた俺のもとに、書状を携えた娘が訪ねてきたのです。書状は、高燕紅様からのもので、おれの推挙状と私信でした。
私信には、先日、紅姫廟にお参りしたところ、その晩の夢に、紅姫様と翠姫様、玄姫様までもが現われて、俺の推挙状を書くようにと命じられたので、あまりに恐れ多くて従ったと書かれていました」
人間界には人間界の決まり事がある。
それを無視せず、なんとか正式に思阿さんを後宮へもぐりこませる(?)方法を女神様たちは考え出し、燕紅様に手伝いを頼んだということね!
まあ、燕紅様なら夢枕に天帝様が立っても、動じないでしょうけど――。
「娘は、自分は紅姫様の手下の天女で、女神様たちの命で燕紅様のところへ書状を受け取りに行き、それを俺の所に届けに来たと言っていました」
「雅文だわ! 書状を届けに来たのは雅文です、わたしの朋友の!」
「そうですか――。彼女から、推挙状を使って衛士を志願し、後宮にやって来るあなたを助けるように言われました。それが、女神様たちの願いだと――。
燕紅様の推挙状の力は絶大で、すんなり衛士に選ばれましたが、まさか、こんなに早く深緑さんに会えるとは思いませんでした」
「女神様たちのお力が、ほかの所でも働いていたのかもしれませんね」
わたしが最後の務めを果たすためには、思阿さんの力がきっと必要になると思って、もう一度わたしたちを引き合わせようと女神様たちは動いたのだ。
もしかしたら、衛士を雇い入れる役人の夢枕にも立って、思阿さんを衛士に選ぶようおどかしていたのかもしれない。
今のわたしは、蓮が見せた映し絵をまやかしだと思っている。
だって、思阿さんとは、確かに思いが通じ合ったと信じているから――。
そして、思阿さんの何もかもが大好きで、ずっと一緒にいたいと願っている――。
思阿さんが、流浪の詩人でなくて、天帝黄龍軍の将軍であったとしても――。
「深緑さん、確かに俺は、玄姫様に命じられ、あなたの随従を務めるために下天してきました。天空花園を荒らした責任の一端は俺にもありますから。
とはいえ、はじめは、うっかり屋の天女の手助けなんて馬鹿馬鹿しい、黄龍軍将軍がなんでこんなことまでしなくてはならないのか、と思っていました。
でも、あなたの仕事ぶりを見ていてわかったのです。関わり合った人たちの幸せのため、種核たちにあるべき姿を取り戻させるために、懸命に務めを果たすあなたは、天帝軍と同じようにこの世界の安寧を守ろうとしているんだって――。
あなたは気づいていないと思いますが、俺は、あなたが種核を天に返すところを、何度かこっそり見に行きました。あなたは、いつも気高く凜々しく美しかった――。
あなたを守りたいと思いました……。この仕事が終わっても、あなたの無垢な笑顔とこの世界の安寧を願い天水を撒く姿をずっとそばで見ていたいと思いました……。俺は、きっと――」
思阿さんの目を見ればわかる。この言葉は、けっして嘘じゃないと――。
そんな器用な嘘をつける人ではないことを、わたしは誰よりもよく知っている――。
わたしは、両腕を伸ばし、力いっぱい思阿さんに飛びついた。
今度こそ、わたしから伝えたい!
「思阿さん、あなたの気持ちを疑ったりしてごめんなさい! 本当は、もうとっくに、あなたは、わたしにとって、ただの用心棒じゃなくなっていたんです。
どこでもすぐに居眠りしちゃって、いっつもお腹をすかせていて、おっちょこちょいで粗忽で……、心配ばっかりかけてるわたしを、あなたは少し面白がりながら全力で助けてくれました。
あなたがいたから、わたしは務めを果たすことができたのです!
どうか、この仕事が終わっても、ずっとわたしのそばにいてください! わたしを、あなたのそばにいさせてください! そのために、天界へ戻ることが、許されなくなったとしてもかまいません! だって、わたしは――」
続く言葉をきちんと話したくて、上を見上げたわたしの顔に、思阿さんの顔が近づいてきて――。
えっ?! あの……、思阿さん? あなたは……、薬水を持っているわけじゃ……ないですよね?
わたしに、口移しで……、何をくれようと……、しているんですか……?!
「ケロロロン……」
虫籠から、嬉しそうな、でも少しだけ寂しさを含んだ、夏先生の優しい泣き声が聞こえた気がした……。
「杜貴人にお仕えしております、侍女の深緑と申します。このたび、薬師として後宮典薬寮のお仕事をお手伝いさせていただくことになりました。こちらこそ、よろしくお願いいたします」
久しぶりに会ったのに、お互いひどく余所余所しい感じなのよね――。
おまけに思阿さんたら、挨拶がすんだら、さっさともといた部屋へ戻ってしまった。
何だか、ちょっと寂しい……。理由は上手く言えないけれど……。
「武骨そうですが、なかなか気配りのできるお方のようですよ、思阿どのは――。あなたをお待ちする間、薬研で薬種を砕く作業を喜んで手伝ってくださいました。こちらに出入りする男の方は、ほとんどがご老人なので、何だかみんな、うきうきしてしまって……。なんと言っても、絵に描いたような美丈夫ですからね!」
去って行く思阿さんの姿を見送りながら、童永さんが、うっとりした目つきで言った。
通路で思阿さんとすれ違った女官たちも、きらきらした目で振り返っている。
そんな人たちを見ると、わたしは、また、いつものように心の中で呟いてしまう……。
でもね――、あの人、底知らずなんですよ! あんなふうにすましていますけど、お酒に目がないんです。それに、鍛練も大好きで、弓だって剣だって相当な腕前なんですよ! そこらへんの私兵なんか、とうてい叶わないぐらいの――。
わたしは、よく知っているんです。だって、あの人とわたしは――。
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診療を受けに来た人の中に、おかしな怪我をしたり、不思議な病を患ったりしている人はいなかったが、気になる話をした女官が一人いた。
「わたしと一緒に、金陽宮で周妃にお仕えする丹有という者なのですが、最近ちょっと妙なのです。仕事をしながら、急にぼうっとしたり、前は大好物だった干し魚を、生臭いと言って食べなくなったり――。何かおかしな病に罹っているのでなければいいのですが……」
わたしは、腰が痛むというその女官に快癒水を飲ませ、すぐに良くなると思うが、重い物を動かす仕事は少し控えるように言った。
また、丹有さんの症状がひどくなるようなら、典薬寮へ連れてくるように頼んだ。
金陽宮は、西の宮にある宮殿で、ちょうど翡翠宮の裏に建っている。
気にするほどのことではないのだろう。
だが、ここ後宮で、魔軍の企みが密かに進行しているかもしれないのだ。
些細な異変にも、注意を向けておかなくては――。
空腹の上、ぼんやり考えごとをしていたのが、いけなかったのだと思う。
荷物をまとめ典薬寮の玄関を出ようとしたら、敷石につまずいて転びかけた。
「んひゃ!」
変な叫び声を上げて、よろめいたわたしを、誰かの逞しい腕が抱き留めてくれた。
誰か? ううん、よく知っている腕だ……。思阿さんの腕……。
「大丈夫ですか? 相変わらずですね……、深緑さんは!」
「あ、相変わらずって――」
―― グルギュルグル……ギュルウウウーンッ……。
うわぁっ! やめてよ! こんなときに、こんなところで、どうして鳴るのよう?!
わたしを腕に抱えたまま、思阿さんが必死に笑いをこらえている。
「は、放してください! もう、大丈夫ですから!」
「は、はい……。ウクッ……」
わたしは急いで、思阿さんから少し離れ、衣の乱れを直した。
ついでにさりげなくお腹をさすって、再び大騒ぎしそうなお腹の虫を沈めた。
思阿さんは、口に手を当て、笑いを飲み込み真顔になろうと苦労していた。
まだ、胸がドキドキしていた。思阿さんにそれを知られたくない……。
わたしは、わざと彼を無視して典薬寮の門を出ると、天藍宮へ向かって歩き出した。思阿さんは、黙ってわたしの後を追いかけてきた。
西の宮の手前の庭園まで来て、ようやく気持ちが落ち着いたわたしは、ゆっくり振り向いた。
「ど、どうして、後宮にいるんですか? 衛士なんかになって――」
わたしは、思阿さんの顔を見上げ、軽くにらみながら尋ねた。
思阿さんは、ちょっと困った顔で、「うーん」と一声唸ったあと答えた。
「それは――、どうやら、これが女神様たちのご意思のようだからです……」
「め、女神様たちのご意思?!」
思阿さんは、池の畔でわたしと別れてからのことを話してくれた。
彼は、わたしより一足早く榮凌に来ていたそうだ。
玄姫様の地図で、ここに最後の種核があることは知っていたが、具体的な場所は突き止められなかったという。
そして、思阿さんが馮将軍であることに気づいたわたしが、思阿さんに嘘をつかれ騙されていたと思い込み怒っていることはわかったが、どうすることもできずに悩んでいたそうだ。
「『秀女選抜』が近づき、大勢の客で賑わう榮凌の宿で、途方に暮れていた俺のもとに、書状を携えた娘が訪ねてきたのです。書状は、高燕紅様からのもので、おれの推挙状と私信でした。
私信には、先日、紅姫廟にお参りしたところ、その晩の夢に、紅姫様と翠姫様、玄姫様までもが現われて、俺の推挙状を書くようにと命じられたので、あまりに恐れ多くて従ったと書かれていました」
人間界には人間界の決まり事がある。
それを無視せず、なんとか正式に思阿さんを後宮へもぐりこませる(?)方法を女神様たちは考え出し、燕紅様に手伝いを頼んだということね!
まあ、燕紅様なら夢枕に天帝様が立っても、動じないでしょうけど――。
「娘は、自分は紅姫様の手下の天女で、女神様たちの命で燕紅様のところへ書状を受け取りに行き、それを俺の所に届けに来たと言っていました」
「雅文だわ! 書状を届けに来たのは雅文です、わたしの朋友の!」
「そうですか――。彼女から、推挙状を使って衛士を志願し、後宮にやって来るあなたを助けるように言われました。それが、女神様たちの願いだと――。
燕紅様の推挙状の力は絶大で、すんなり衛士に選ばれましたが、まさか、こんなに早く深緑さんに会えるとは思いませんでした」
「女神様たちのお力が、ほかの所でも働いていたのかもしれませんね」
わたしが最後の務めを果たすためには、思阿さんの力がきっと必要になると思って、もう一度わたしたちを引き合わせようと女神様たちは動いたのだ。
もしかしたら、衛士を雇い入れる役人の夢枕にも立って、思阿さんを衛士に選ぶようおどかしていたのかもしれない。
今のわたしは、蓮が見せた映し絵をまやかしだと思っている。
だって、思阿さんとは、確かに思いが通じ合ったと信じているから――。
そして、思阿さんの何もかもが大好きで、ずっと一緒にいたいと願っている――。
思阿さんが、流浪の詩人でなくて、天帝黄龍軍の将軍であったとしても――。
「深緑さん、確かに俺は、玄姫様に命じられ、あなたの随従を務めるために下天してきました。天空花園を荒らした責任の一端は俺にもありますから。
とはいえ、はじめは、うっかり屋の天女の手助けなんて馬鹿馬鹿しい、黄龍軍将軍がなんでこんなことまでしなくてはならないのか、と思っていました。
でも、あなたの仕事ぶりを見ていてわかったのです。関わり合った人たちの幸せのため、種核たちにあるべき姿を取り戻させるために、懸命に務めを果たすあなたは、天帝軍と同じようにこの世界の安寧を守ろうとしているんだって――。
あなたは気づいていないと思いますが、俺は、あなたが種核を天に返すところを、何度かこっそり見に行きました。あなたは、いつも気高く凜々しく美しかった――。
あなたを守りたいと思いました……。この仕事が終わっても、あなたの無垢な笑顔とこの世界の安寧を願い天水を撒く姿をずっとそばで見ていたいと思いました……。俺は、きっと――」
思阿さんの目を見ればわかる。この言葉は、けっして嘘じゃないと――。
そんな器用な嘘をつける人ではないことを、わたしは誰よりもよく知っている――。
わたしは、両腕を伸ばし、力いっぱい思阿さんに飛びついた。
今度こそ、わたしから伝えたい!
「思阿さん、あなたの気持ちを疑ったりしてごめんなさい! 本当は、もうとっくに、あなたは、わたしにとって、ただの用心棒じゃなくなっていたんです。
どこでもすぐに居眠りしちゃって、いっつもお腹をすかせていて、おっちょこちょいで粗忽で……、心配ばっかりかけてるわたしを、あなたは少し面白がりながら全力で助けてくれました。
あなたがいたから、わたしは務めを果たすことができたのです!
どうか、この仕事が終わっても、ずっとわたしのそばにいてください! わたしを、あなたのそばにいさせてください! そのために、天界へ戻ることが、許されなくなったとしてもかまいません! だって、わたしは――」
続く言葉をきちんと話したくて、上を見上げたわたしの顔に、思阿さんの顔が近づいてきて――。
えっ?! あの……、思阿さん? あなたは……、薬水を持っているわけじゃ……ないですよね?
わたしに、口移しで……、何をくれようと……、しているんですか……?!
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