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七粒目 野茨闇 ~『落花流水の情』の巻~
その二 いよいよ秀女選抜です! 頑張ってくださいませ、貞海様!
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一週間は、あっという間だった――。
「秀女選抜」には、十三歳から十六歳までの未婚の女子であれば、誰でも参加することができる。身分や職業、出生地などを問われることもない。
もちろん、様々な選考試験によって、ふるい落とされていくわけだけど、とりあえず、年齢さえ条件に合っていれば参加を拒まれることはない。
だから、この一週間のあいだにも、大勢の若い女が、国中から次々と榮陵へ押し寄せてきていた。
各地から未婚の美女・才女が多数集まるということで、選抜に漏れた女を目当てに、有名な妓楼の楼主や嫁を探している商家の若者など、男たちもたくさんやって来ていた。
宿屋や廟の宿坊はもちろん、商家の別邸なども、泊まり客で溢れかえっていた。
「秀女選抜」を明日に控え、今日の午後は、心慈様の案内で、榮陵の町を見に行った。
杜家の本邸へお邪魔して、心慈様の夫である貞海様のお兄様にもお目にかかった。
榮陵の町は、どこもかしこも、まるで祭りのような賑やかさだった。
久しぶりに人混みへ出たせいか、とても疲れてしまった。
別邸へ戻ってきたら、明日に備えて、なぜか涛越さんやわたしまで、侍女たちに全身を磨き上げられ、余計に疲れが増した。
灯りを消した部屋で、寝台に腰掛けてぼうっとしていると、虫籠から這い出た夏先生が、声をかけてきた。
「深緑、早く寝た方が良いぞ。明日は、『秀女選抜』じゃ。貞海どのが、いくら立派に振る舞っても、となりで侍女のおぬしが居眠りをしていては台無しじゃからな!」
「わかっています。でも、この頃、眠るのが少し怖いのです。眠ると嫌な夢を見そうで――。目を覚ますと夢の中身は忘れてしまうのですけど、不安な気持ちだけは、いつまでも残っていて……」
「ふーむ……。それは、困ったのう……。仕方ない! わしが、良い夢を見せてやろう! よし! 深緑、手巾で目隠しをして寝台に横になれ!」
「えっ?」
子守歌でも歌ってくれるのだろうか? 蛙の鳴き声で?
よくわからなかったけれど、夏先生の言うことを聞き、手巾で目隠しをして寝台の上に寝転がった。
すると、ほわっと夏草の香りが漂って、誰かの広い胸に抱き寄せられた。
しなやかな手が、髪や背中を優しく撫でてくれた。
ああ、これは、露茜池から宿坊まで、わたしを運んでくれた人の手だ――と思ったのだけど、もう、体のどこにも力が入らなくなって、わたしはそのまま眠ってしまった。
◇ ◇ ◇
そして、わたしは、「秀女選抜」の日の朝を迎えた――。
目覚めると、いつものように一人で寝台に横になっていた。
枕元の虫籠の中では、静か夏先生が眠っている。
昨夜のあれは、何だったのだろう? あれもまた、夢だったのかしら?
ぐっすり眠ったせいか、とてもお腹がすいていて、朝餉のお粥をたっぷりいただいた。そのあと、餡入りの饅頭も二個いただいた……。あと、揚げ菓子も三つほど……。
朝餉の後は、身支度だ。
この一週間ですっかり着慣れた青竹色のお仕着せを身にまとい、髪はうなじで一纏めにして結った。別邸の侍女たちが、薄化粧も施してくれた。
腰に組紐をまき、夏先生の入った虫籠を下げる。
商売道具の薬水も置いていけないので、いつものように行李を布で包んで背負った。さすがに、旅で汚れた布だけは、心慈様が用意してくれた薄紅色のものに換えた。
本邸から、貞海様を乗せる輿と、それを運ぶ男衆たちがやって来た。
「秀女選抜」に参加する者共通の白い麻の衣装を身につけた貞海様は、心慈様に挨拶し、静々と輿に乗り込んだ。
涛超さんとわたしは、輿に付き従う形で、碧巌城を目指して歩き出した。
碧巌城へ続く道は、「秀女選抜」に参加する人々でたいへん混み合っていた。
輿や馬車、牛車が列をなし、その間を縫うように、徒歩で向かう人々が進んでいく。
当然、いざこざやもめ事が、いたるところで起きていた。
「もたもたするな! 馬車が通るんだ、輿は横によけろ!」
「どこの牛車だ?! 道の真ん中で、牛に粗相をさせやがったのは?!」
「混雑しているんだから、馬を走らせるな! 人なみの速さで歩かせろ!」
貞海様を乗せた輿は、馬の嘶きや人々の怒号、牛車がきしむ音などが飛び交う中を、なんとか無事に碧巌城の門前までたどり着いた。
涛超さんとわたしは、輿からはぐれないように、必死でここまでついてきた。
ここで乗り物から降り、受け付けのために、城の入り口の一つである陽景門の前に並ばなければならない。
初選、あるいは複選で選に漏れ、帰宅することになった場合に備え、乗り物は門の前の広場に待たせておくようだ。
「百七番、杜貞海と付き添いの侍女二名! 中へ入りなさい」
受け付けに差し出した、簡単な申込状の確認が済み、貞海様の名前が呼ばれた。そして、番号が書かれた木札が渡された。
門をくぐり、美しい庭園を抜けて、初選が行われる建物の前に進んだ。
すでにたくさんの后妃候補者たちとその侍女や家族が集まっており、ここもまた大騒ぎだ。係の女官が、静かにするように声をかけている。
候補者は、五名ずつ建物の中へ呼ばれ、初選が行われるようだ。
侍女や家族は、試験の間は、建物の外で待つように言われている。
貞海様の番がきて、ほかの四名の候補者と一緒に建物に入っていった。
涛超さんが、「初選」について教えてくれた。
「初選ではね、容姿とか立ち居振る舞いなどを見るそうです。容姿と言っても、顔の善し悪しなどではなく、健康な体をしているかどうかということらしいですが――」
「じゃあ、わたしみたいなちんちくりんは、絶対に選ばれませんね?」
「まあ! 深緑さんは、全然ちんちくりんじゃありませんよ。ちょっと小柄ですけど、ぴちぴちしていて魅力的ですよ」
「あら、そうですか? エヘヘヘ……」
「ゲロロロ!」
「ほら、老夏も、『そうだ!』と言ってくれているじゃないですか」
いや、それは違うと思いますよ、涛超さん。
「調子に乗るんじゃないぞ!」という意味の、「ゲロロロ!」なんですよね、老夏? まったく、いつも意地悪なんだから!
涛超さんとたわいのないおしゃべりをしているうちに、貞海様たちが建物から出てきた。一瞬声がやみ、あたりに緊張が走る。
貞海様は、何事もなかったような雰囲気だったが、がっくりとうなだれて、連れてきた侍女になぐさめられている少女もいた。
「あの子はね、歳を偽っていたのよ。生まれ年のことや両親の歳を聞かれるうちに、十二歳だということがわかってしまったの。少し、大柄だからごまかせると思ったようね」
貞海様にそう言われると、確かに少し幼く見えるその少女は、侍女と一緒に庭園の方へ戻っていった。
年齢の条件だけは厳しく守られて、公平さが保たれているということね。
「さあ、次は、いよいよ複選だわ! わたくしの見事な舞で、必ず女官たちの心を掴んでみせるわよ!」
「綺珊様! その意気でございますわ!」
すぐ隣で、盛り上がっている一団は、涛超さんによると、榮陵の穀物商の娘の綺珊様とその侍女たちだということだ。
綺珊様は、華やかな顔立ちと豊かな胸が目を引く、若さと瑞々しさに溢れた美女だ。
彼女は、突然振り向くと、きらきらとした目で貞海様を見つめながら言った。
「杜家の貞海様ですわよね? わたくし、あなたには絶対に負けませんからね!」
え、ええっ?! 宣戦布告?!
それを聞いた貞海様は、にっこり微笑み鷹揚にうなずいている。
二人の間に、火花が散るのを見たような気がして、わたしは頭がくらくらした。
「秀女選抜」には、十三歳から十六歳までの未婚の女子であれば、誰でも参加することができる。身分や職業、出生地などを問われることもない。
もちろん、様々な選考試験によって、ふるい落とされていくわけだけど、とりあえず、年齢さえ条件に合っていれば参加を拒まれることはない。
だから、この一週間のあいだにも、大勢の若い女が、国中から次々と榮陵へ押し寄せてきていた。
各地から未婚の美女・才女が多数集まるということで、選抜に漏れた女を目当てに、有名な妓楼の楼主や嫁を探している商家の若者など、男たちもたくさんやって来ていた。
宿屋や廟の宿坊はもちろん、商家の別邸なども、泊まり客で溢れかえっていた。
「秀女選抜」を明日に控え、今日の午後は、心慈様の案内で、榮陵の町を見に行った。
杜家の本邸へお邪魔して、心慈様の夫である貞海様のお兄様にもお目にかかった。
榮陵の町は、どこもかしこも、まるで祭りのような賑やかさだった。
久しぶりに人混みへ出たせいか、とても疲れてしまった。
別邸へ戻ってきたら、明日に備えて、なぜか涛越さんやわたしまで、侍女たちに全身を磨き上げられ、余計に疲れが増した。
灯りを消した部屋で、寝台に腰掛けてぼうっとしていると、虫籠から這い出た夏先生が、声をかけてきた。
「深緑、早く寝た方が良いぞ。明日は、『秀女選抜』じゃ。貞海どのが、いくら立派に振る舞っても、となりで侍女のおぬしが居眠りをしていては台無しじゃからな!」
「わかっています。でも、この頃、眠るのが少し怖いのです。眠ると嫌な夢を見そうで――。目を覚ますと夢の中身は忘れてしまうのですけど、不安な気持ちだけは、いつまでも残っていて……」
「ふーむ……。それは、困ったのう……。仕方ない! わしが、良い夢を見せてやろう! よし! 深緑、手巾で目隠しをして寝台に横になれ!」
「えっ?」
子守歌でも歌ってくれるのだろうか? 蛙の鳴き声で?
よくわからなかったけれど、夏先生の言うことを聞き、手巾で目隠しをして寝台の上に寝転がった。
すると、ほわっと夏草の香りが漂って、誰かの広い胸に抱き寄せられた。
しなやかな手が、髪や背中を優しく撫でてくれた。
ああ、これは、露茜池から宿坊まで、わたしを運んでくれた人の手だ――と思ったのだけど、もう、体のどこにも力が入らなくなって、わたしはそのまま眠ってしまった。
◇ ◇ ◇
そして、わたしは、「秀女選抜」の日の朝を迎えた――。
目覚めると、いつものように一人で寝台に横になっていた。
枕元の虫籠の中では、静か夏先生が眠っている。
昨夜のあれは、何だったのだろう? あれもまた、夢だったのかしら?
ぐっすり眠ったせいか、とてもお腹がすいていて、朝餉のお粥をたっぷりいただいた。そのあと、餡入りの饅頭も二個いただいた……。あと、揚げ菓子も三つほど……。
朝餉の後は、身支度だ。
この一週間ですっかり着慣れた青竹色のお仕着せを身にまとい、髪はうなじで一纏めにして結った。別邸の侍女たちが、薄化粧も施してくれた。
腰に組紐をまき、夏先生の入った虫籠を下げる。
商売道具の薬水も置いていけないので、いつものように行李を布で包んで背負った。さすがに、旅で汚れた布だけは、心慈様が用意してくれた薄紅色のものに換えた。
本邸から、貞海様を乗せる輿と、それを運ぶ男衆たちがやって来た。
「秀女選抜」に参加する者共通の白い麻の衣装を身につけた貞海様は、心慈様に挨拶し、静々と輿に乗り込んだ。
涛超さんとわたしは、輿に付き従う形で、碧巌城を目指して歩き出した。
碧巌城へ続く道は、「秀女選抜」に参加する人々でたいへん混み合っていた。
輿や馬車、牛車が列をなし、その間を縫うように、徒歩で向かう人々が進んでいく。
当然、いざこざやもめ事が、いたるところで起きていた。
「もたもたするな! 馬車が通るんだ、輿は横によけろ!」
「どこの牛車だ?! 道の真ん中で、牛に粗相をさせやがったのは?!」
「混雑しているんだから、馬を走らせるな! 人なみの速さで歩かせろ!」
貞海様を乗せた輿は、馬の嘶きや人々の怒号、牛車がきしむ音などが飛び交う中を、なんとか無事に碧巌城の門前までたどり着いた。
涛超さんとわたしは、輿からはぐれないように、必死でここまでついてきた。
ここで乗り物から降り、受け付けのために、城の入り口の一つである陽景門の前に並ばなければならない。
初選、あるいは複選で選に漏れ、帰宅することになった場合に備え、乗り物は門の前の広場に待たせておくようだ。
「百七番、杜貞海と付き添いの侍女二名! 中へ入りなさい」
受け付けに差し出した、簡単な申込状の確認が済み、貞海様の名前が呼ばれた。そして、番号が書かれた木札が渡された。
門をくぐり、美しい庭園を抜けて、初選が行われる建物の前に進んだ。
すでにたくさんの后妃候補者たちとその侍女や家族が集まっており、ここもまた大騒ぎだ。係の女官が、静かにするように声をかけている。
候補者は、五名ずつ建物の中へ呼ばれ、初選が行われるようだ。
侍女や家族は、試験の間は、建物の外で待つように言われている。
貞海様の番がきて、ほかの四名の候補者と一緒に建物に入っていった。
涛超さんが、「初選」について教えてくれた。
「初選ではね、容姿とか立ち居振る舞いなどを見るそうです。容姿と言っても、顔の善し悪しなどではなく、健康な体をしているかどうかということらしいですが――」
「じゃあ、わたしみたいなちんちくりんは、絶対に選ばれませんね?」
「まあ! 深緑さんは、全然ちんちくりんじゃありませんよ。ちょっと小柄ですけど、ぴちぴちしていて魅力的ですよ」
「あら、そうですか? エヘヘヘ……」
「ゲロロロ!」
「ほら、老夏も、『そうだ!』と言ってくれているじゃないですか」
いや、それは違うと思いますよ、涛超さん。
「調子に乗るんじゃないぞ!」という意味の、「ゲロロロ!」なんですよね、老夏? まったく、いつも意地悪なんだから!
涛超さんとたわいのないおしゃべりをしているうちに、貞海様たちが建物から出てきた。一瞬声がやみ、あたりに緊張が走る。
貞海様は、何事もなかったような雰囲気だったが、がっくりとうなだれて、連れてきた侍女になぐさめられている少女もいた。
「あの子はね、歳を偽っていたのよ。生まれ年のことや両親の歳を聞かれるうちに、十二歳だということがわかってしまったの。少し、大柄だからごまかせると思ったようね」
貞海様にそう言われると、確かに少し幼く見えるその少女は、侍女と一緒に庭園の方へ戻っていった。
年齢の条件だけは厳しく守られて、公平さが保たれているということね。
「さあ、次は、いよいよ複選だわ! わたくしの見事な舞で、必ず女官たちの心を掴んでみせるわよ!」
「綺珊様! その意気でございますわ!」
すぐ隣で、盛り上がっている一団は、涛超さんによると、榮陵の穀物商の娘の綺珊様とその侍女たちだということだ。
綺珊様は、華やかな顔立ちと豊かな胸が目を引く、若さと瑞々しさに溢れた美女だ。
彼女は、突然振り向くと、きらきらとした目で貞海様を見つめながら言った。
「杜家の貞海様ですわよね? わたくし、あなたには絶対に負けませんからね!」
え、ええっ?! 宣戦布告?!
それを聞いた貞海様は、にっこり微笑み鷹揚にうなずいている。
二人の間に、火花が散るのを見たような気がして、わたしは頭がくらくらした。
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