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三粒目 黄金李 ~『貪欲は必ず身を食う』の巻~
余話・四話目 天女・雅文(ヤーウェン)、天界にて「言情小説」を執筆す
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「錦海は、雨青を引き寄せ、優しく抱きしめた。雨青は、嫌がるどころか嬉しそうに錦海の胸に身をすり寄せて言った。
『わたしは、これからもずっと、あなたといっしょにいるわ――』
その言葉を聞いた錦海の顔に、ゆっくりと笑みが広がっていった――。
……はい! この時間はここまでです。ご静聴ありがとうございました!」
パラパラと拍手は聞こえてきたが、聞き手のほとんどは、まだ夢見心地な表情で座っている。甘美な物語の世界にどっぷりとつかってしまい、仕事に戻ることも忘れているようだ。
小さな溜息をついて、雅文は、休憩のため樹園の作業小屋へ戻っていった。
本日三回目の朗読会も大盛況だった。
雅文は、仕事場の一つである天人樹のある樹園の広場で、自分が書いた「言情小説」を天女たちに読んで聞かせている。
回を重ねるごとに聴衆は増えてきており、次回は広場から溢れてしまうかもしれなかった。
「さて、このあとは、どういう展開にしたらいいでしょうかね? なにしろ、物語のひな型の方が、なかなか進展してくれないですからね――」
作業小屋の椅子に座った雅文は、独り言ちながら、矢立てを取り出し「言情小説」の続きにとりかかった。
◇ ◇ ◇
天界の一日は長い。
天人たちには、それぞれ仕事があるのだが、自由に使える時間もたっぷりとある。
魔軍と戦う天帝五軍の兵士とて、よほどのことがない限り、一軍ずつ交代で出撃するので、戦いで痛めた体を癒やし、休養を取るための時間がある。
天界とは、のんびりした世界なのである。
天人たちは、自由な時間を様々な楽しみに費やす。
歌舞音曲、書画、詩作などに勤しむ者もいれば、仲間を募り、乗馬や武術の鍛錬などに励む者、以前の雅文のように文殿にこもり、飽くことなく読書に没頭する者もいる。
そう、雅文は、最近は人間界で手に入れてきた「言情小説」に夢中で、文殿にこもることは少なくなっていた。
そして、とうとう、自ら「言情小説」を執筆するという、新しい楽しみに気づいてしまった。
自分が読みたい小説を自分で書くというのは、たいそう心が躍る作業であった。
それを人前で朗読し聞いてもらうことで、雅文の意欲はさらに高まった。
小説の題名は、『天人秘恋~落花流水~』である。
主人公は、天帝軍の厩舎で馬の世話をする天人・錦海と、天界の機殿で機を織る天女・雨青の二人。
似たような設定の物語があったようにも思うが、あくまで雅文の創作である。
機織りの道具である「杼」を、うっかり人間界に落としてしまった雨青と、彼女の随従として人間界に下ろされた錦海が、「杼」を探す旅を続けながら、次第に心を通わせていくという物語である。
「そろそろ深緑も、雨青のように恋情を意識しても良さそうなものなのだけど――。『お子ちゃま』には、何か大きなきっかけが必要かもしれませんね」
雅文は、頬杖をついて、深緑の屈託のない無邪気な笑顔を思い浮かべた。
雅文の物語の登場人物のひな形は、もちろん深緑と彼女の用心棒となった思阿という男だ。
思阿の正体は、だいたい見当がついている。
深緑の下天が決まってまもなく、薬水を届けに天帝軍の兵舎を訪ねたとき、ちょっとした騒ぎが起きていた。
戦と兵法の女神・玄姫の親衛隊ともいうべき黄龍軍の将軍・馮颯懍が、突然、気鬱の病となり、玄姫の宮殿で療養することになったというのだ。
知り合いの兵士によれば、馮颯懍は武芸に秀でた美丈夫だが、無類の酒好きだという。
その兵士は、「酒と武術の稽古ばかりが楽しみで、天界でも人間界でも女人と無縁な朴念仁の馮将軍が、気鬱の病などになるものでしょうか?」と首を傾げていた。
そして、何か秘密の任務に携わるために、姿を隠したのかもしれないと言っていた。
その秘密の任務が、深緑の護衛ということだろう。
深緑には、夏先生という青蛙の随従がいるが、小さな青蛙では助言はできても、いざというときに深緑の身を守ることはできない。
さしずめ、翠姫が玄姫に頼んで、彼を差し向けてもらったというところだろう――。
深緑が頼りすぎないように、馮颯懍は、身分や立場を隠して近づいたのに違いない。
その正体を知らぬまま、用心棒として尽くしてくれる思阿に好意を抱きつつある深緑と、役目として近づきながらも、本当のことは言えぬまま深緑を憎からず思いつつある思阿――馮颯懍の関係は、「言情小説」の素材としてなかなか面白いと雅文は考えている。
「聞き手が、ハラハラするような出来事を盛り込みたいですね。そういうことは、あの方にご相談するのがいいでしょう――」
雅文は、矢立てを片付けると、作業小屋を出て、ある場所に向かった。
◇ ◇ ◇
雅文は、愛と慈悲の女神・白姫の宮殿を訪ねていた。
白姫は、雅文が「言情小説」を執筆していることを知っていて、恋情に気づく場面の描き方に困っていると伝えると、側付きの天女を通して、ぜひ対面しようと返事をくれた。
宮殿の泉殿に案内され、早速、女神に悩みを聞いてもらった。
「なるほどね。なかなか自分の恋情に気づかぬ者に、どうやって気づかせるかということですね。そういうときは、競争相手を登場させるのが、よろしいのではないかしら?
競争相手が現れると、自分の思いの深さを自覚したり、嫉妬心を抱いたりして、相手の心を確かめたくなるものでしょう?
もし、相手の心が間違いなく自分に向いているとわかったら、あとはもう、ねぇ――」
「競争相手ですか? あの、主人公である娘は、競争相手のことを思いやって、自分の恋情に気づかぬまま、恋情の相手である若者を譲ってしまうような性格なのですが――」
「まあ、なんて愛に溢れた娘なのかしら! 微笑ましいわね。実在するなら、会ってみたいわ。そこまでしてしまう人物は、小説の中にしか存在しないでしょうけれど……」
雅文は、心の中で苦笑する。
(いえ、白姫様、この面倒くさい娘は実在するのです。
恋情をわからせてやりたいのですが、悲しい思いはさせたくありません。朋友なので……。)
白姫は、しばらく思案していたが、ハッと何かに思い当たったような顔になり、手を打った。
「そうだわ! 若者の方の競争相手にしたらどうかしら? 娘に恋情を寄せる人物が現れたら、若者は、きっと遠慮やためらいを捨てて、もっとはっきり自分の恋情を娘に伝えようとするのではなくて? そうしたら、娘も自分の心を見つめ直すでしょう、そして――」
思阿の競争相手! 雅文の頭の中に、この先の展開が次々と浮かんできた。
(いいかもしれません! 良からぬ企みを抱えた人物ではだめですね。誠実だけど面白みがあり、深緑の信頼を得られる、心優しく酒飲みではない若者――。
次の町に先乗りして、見つけてみましょう。場合によっては、いわゆる『惚れ薬』を少し使ってみるという手もありますね……)
「ご助言をありがとうございました、白姫様! 競争相手を登場させてみることにします。それで、物語が動き出しそうな気がいたします」
「役に立ちましたか、雅文? よければ、ここにも朗読にきてくださいな。ここの天女たちの中にも、樹園へ聞きに行っている者がおりますの。きっと、みんな喜びます」
「はい。物語が大団円を迎えました折には、ぜひ、こちらの泉殿でも朗読させていただきます」
「楽しみに待っていますよ!」
雅文は、丁寧に礼を言い、白姫の宮殿を離れた。
まず、樹園の作業小屋に戻り、覚え書きをつくって考えをまとめた。
次に、紅姫の宮殿の薬室へ行き、必要なものを揃えた。
そして、身支度を整え宮殿の下天井へ向かうと、井戸縁を越え、人間界へと勢いよく舞い降りていった。
『わたしは、これからもずっと、あなたといっしょにいるわ――』
その言葉を聞いた錦海の顔に、ゆっくりと笑みが広がっていった――。
……はい! この時間はここまでです。ご静聴ありがとうございました!」
パラパラと拍手は聞こえてきたが、聞き手のほとんどは、まだ夢見心地な表情で座っている。甘美な物語の世界にどっぷりとつかってしまい、仕事に戻ることも忘れているようだ。
小さな溜息をついて、雅文は、休憩のため樹園の作業小屋へ戻っていった。
本日三回目の朗読会も大盛況だった。
雅文は、仕事場の一つである天人樹のある樹園の広場で、自分が書いた「言情小説」を天女たちに読んで聞かせている。
回を重ねるごとに聴衆は増えてきており、次回は広場から溢れてしまうかもしれなかった。
「さて、このあとは、どういう展開にしたらいいでしょうかね? なにしろ、物語のひな型の方が、なかなか進展してくれないですからね――」
作業小屋の椅子に座った雅文は、独り言ちながら、矢立てを取り出し「言情小説」の続きにとりかかった。
◇ ◇ ◇
天界の一日は長い。
天人たちには、それぞれ仕事があるのだが、自由に使える時間もたっぷりとある。
魔軍と戦う天帝五軍の兵士とて、よほどのことがない限り、一軍ずつ交代で出撃するので、戦いで痛めた体を癒やし、休養を取るための時間がある。
天界とは、のんびりした世界なのである。
天人たちは、自由な時間を様々な楽しみに費やす。
歌舞音曲、書画、詩作などに勤しむ者もいれば、仲間を募り、乗馬や武術の鍛錬などに励む者、以前の雅文のように文殿にこもり、飽くことなく読書に没頭する者もいる。
そう、雅文は、最近は人間界で手に入れてきた「言情小説」に夢中で、文殿にこもることは少なくなっていた。
そして、とうとう、自ら「言情小説」を執筆するという、新しい楽しみに気づいてしまった。
自分が読みたい小説を自分で書くというのは、たいそう心が躍る作業であった。
それを人前で朗読し聞いてもらうことで、雅文の意欲はさらに高まった。
小説の題名は、『天人秘恋~落花流水~』である。
主人公は、天帝軍の厩舎で馬の世話をする天人・錦海と、天界の機殿で機を織る天女・雨青の二人。
似たような設定の物語があったようにも思うが、あくまで雅文の創作である。
機織りの道具である「杼」を、うっかり人間界に落としてしまった雨青と、彼女の随従として人間界に下ろされた錦海が、「杼」を探す旅を続けながら、次第に心を通わせていくという物語である。
「そろそろ深緑も、雨青のように恋情を意識しても良さそうなものなのだけど――。『お子ちゃま』には、何か大きなきっかけが必要かもしれませんね」
雅文は、頬杖をついて、深緑の屈託のない無邪気な笑顔を思い浮かべた。
雅文の物語の登場人物のひな形は、もちろん深緑と彼女の用心棒となった思阿という男だ。
思阿の正体は、だいたい見当がついている。
深緑の下天が決まってまもなく、薬水を届けに天帝軍の兵舎を訪ねたとき、ちょっとした騒ぎが起きていた。
戦と兵法の女神・玄姫の親衛隊ともいうべき黄龍軍の将軍・馮颯懍が、突然、気鬱の病となり、玄姫の宮殿で療養することになったというのだ。
知り合いの兵士によれば、馮颯懍は武芸に秀でた美丈夫だが、無類の酒好きだという。
その兵士は、「酒と武術の稽古ばかりが楽しみで、天界でも人間界でも女人と無縁な朴念仁の馮将軍が、気鬱の病などになるものでしょうか?」と首を傾げていた。
そして、何か秘密の任務に携わるために、姿を隠したのかもしれないと言っていた。
その秘密の任務が、深緑の護衛ということだろう。
深緑には、夏先生という青蛙の随従がいるが、小さな青蛙では助言はできても、いざというときに深緑の身を守ることはできない。
さしずめ、翠姫が玄姫に頼んで、彼を差し向けてもらったというところだろう――。
深緑が頼りすぎないように、馮颯懍は、身分や立場を隠して近づいたのに違いない。
その正体を知らぬまま、用心棒として尽くしてくれる思阿に好意を抱きつつある深緑と、役目として近づきながらも、本当のことは言えぬまま深緑を憎からず思いつつある思阿――馮颯懍の関係は、「言情小説」の素材としてなかなか面白いと雅文は考えている。
「聞き手が、ハラハラするような出来事を盛り込みたいですね。そういうことは、あの方にご相談するのがいいでしょう――」
雅文は、矢立てを片付けると、作業小屋を出て、ある場所に向かった。
◇ ◇ ◇
雅文は、愛と慈悲の女神・白姫の宮殿を訪ねていた。
白姫は、雅文が「言情小説」を執筆していることを知っていて、恋情に気づく場面の描き方に困っていると伝えると、側付きの天女を通して、ぜひ対面しようと返事をくれた。
宮殿の泉殿に案内され、早速、女神に悩みを聞いてもらった。
「なるほどね。なかなか自分の恋情に気づかぬ者に、どうやって気づかせるかということですね。そういうときは、競争相手を登場させるのが、よろしいのではないかしら?
競争相手が現れると、自分の思いの深さを自覚したり、嫉妬心を抱いたりして、相手の心を確かめたくなるものでしょう?
もし、相手の心が間違いなく自分に向いているとわかったら、あとはもう、ねぇ――」
「競争相手ですか? あの、主人公である娘は、競争相手のことを思いやって、自分の恋情に気づかぬまま、恋情の相手である若者を譲ってしまうような性格なのですが――」
「まあ、なんて愛に溢れた娘なのかしら! 微笑ましいわね。実在するなら、会ってみたいわ。そこまでしてしまう人物は、小説の中にしか存在しないでしょうけれど……」
雅文は、心の中で苦笑する。
(いえ、白姫様、この面倒くさい娘は実在するのです。
恋情をわからせてやりたいのですが、悲しい思いはさせたくありません。朋友なので……。)
白姫は、しばらく思案していたが、ハッと何かに思い当たったような顔になり、手を打った。
「そうだわ! 若者の方の競争相手にしたらどうかしら? 娘に恋情を寄せる人物が現れたら、若者は、きっと遠慮やためらいを捨てて、もっとはっきり自分の恋情を娘に伝えようとするのではなくて? そうしたら、娘も自分の心を見つめ直すでしょう、そして――」
思阿の競争相手! 雅文の頭の中に、この先の展開が次々と浮かんできた。
(いいかもしれません! 良からぬ企みを抱えた人物ではだめですね。誠実だけど面白みがあり、深緑の信頼を得られる、心優しく酒飲みではない若者――。
次の町に先乗りして、見つけてみましょう。場合によっては、いわゆる『惚れ薬』を少し使ってみるという手もありますね……)
「ご助言をありがとうございました、白姫様! 競争相手を登場させてみることにします。それで、物語が動き出しそうな気がいたします」
「役に立ちましたか、雅文? よければ、ここにも朗読にきてくださいな。ここの天女たちの中にも、樹園へ聞きに行っている者がおりますの。きっと、みんな喜びます」
「はい。物語が大団円を迎えました折には、ぜひ、こちらの泉殿でも朗読させていただきます」
「楽しみに待っていますよ!」
雅文は、丁寧に礼を言い、白姫の宮殿を離れた。
まず、樹園の作業小屋に戻り、覚え書きをつくって考えをまとめた。
次に、紅姫の宮殿の薬室へ行き、必要なものを揃えた。
そして、身支度を整え宮殿の下天井へ向かうと、井戸縁を越え、人間界へと勢いよく舞い降りていった。
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