38 / 80
三粒目 黄金李 ~『貪欲は必ず身を食う』の巻~
その九 ようやく万事解決したようです! ね、思阿さん……えっ?!
しおりを挟む
ここは、文家の客間。
思阿さんとわたしは、文夫妻や友德様と一緒に朝餉をいただいている。
文國強様は、堂々とした体躯で、穏やかな笑みを絶やさない、大人らしい雰囲気を漂わせた方だ。
今さっき、起きたばかりのところで友德様から事情を聞いたそうで、たいそう恐縮しながら、わたしたちのために朝餉を用意してくださった。
「深緑殿、朝早くから御足労をおかけし申し訳ありませんでした。偉強のやつ、わたしたちにも知らせず、こっそり解決しようだなんて、勉学好きなくせに、どうも考えが足りません。昨日は、そちらの思阿殿にも我が儘を申したようで、ご迷惑をかけました」
文夫妻が頭を下げた。こういうときに躊躇しないのが、本当の大人というものなのね。
でも、思阿さんの場合は、自分から名乗りを上げて射手を引き受けたので、お気になさらずに――。
「それにしても、恐ろしいことがあるものですね。もし、あのまま木が育っていたら、偉強はどうなっていたのでしょうか?」
「木がある程度大きくなってしまったら、主客逆転のような形になって、人が木に合わせて暮らすことになるのかもしれませんね」
「人が木に仕えるなんて――。気味の悪いこと!」
文夫人が、眉をひそめ口元に手を当てた。
隣に座っていた友德様が、夫人の肩に手を添え気づかっていた。
偉強様は、部屋で休んでいるそうだけれど、彼にはあまり聞かせたくない話だ。
「勇仁が、わたしの所へ黄金の種を持ってきたときから、何か禍々しいものを感じていたのです。口止めして大金を渡し、黄金の種を引き取りましたが、勇仁が姿を消してしまったので、妙な噂が一人歩きしてしまいました。
おまけに、偉強がわたしに断りなく、県令様に種を差し上げてしまい、さらに噂が広がりまして――。友德を里に出向かせ、金の李の木を見張らせていたのですが、里の者ばかりか偉強までが惑わされ、このようなお恥ずかしい事態にあいなりました」
そうか……。國強様は、最初から金の李を怪しんでいたのね。さすが、大人!
そして、欲に目がくらんだ人が災いに巻き込まれないよう、友德様に見張らせていたわけだ。
でも、もう大丈夫ですよ! 金の李の木は、わたしが天水で始末をしましたから!
そのことを、どうやって伝えたらいいかしらと迷っていたら――。
「でも、もう心配はいりませんよ。今日の明け方、気になって金の李の木を見に行ったら、李の木ばかりか岩棚までもがくずれ、崖下に砕けた岩の山ができていました。
夕べは、外で寝ていたのですが、夜更けに碧っぽい光が空をよぎるのを見ました。あの岩棚に、小さな雷でも落ちたのかもしれませんね」
「なんと! まことですか、思阿殿?!」
「切ることも叶わず、ずっと悩んでおりましたのに――、ありがたい!」
文夫妻も友德様も、驚きが収まると、心から安堵した様子で顔を見合わせた。
思阿さんが、訳知り顔でわたしの方を見て微笑んだ。
何?! 何よ?! 思阿さんたら、もしかして、ひょっとして、いろいろ見てました?!
庭の竹林の方から、朝の訪れを喜ぶ小鳥の声が聞こえてきた。
窓から差し込む光に目を細めながら、感慨深げに文夫人がつぶやいた。
「一昨日、近くの郷にある翠姫廟にお参りしたのです。里の人たちが、もう二度と命を失ったり怪我をしたりすることがないよう、あの金の李の木をどうにかしてください、とお願いしてきました。
豊穣の女神様に対して、筋違いなお願いかとも思ったのですが、お優しい女神様は、お聞き届けくださったのでしょうね。今日にでも、御礼参りに行ってきますわ!」
◇ ◇ ◇
思阿さんとわたしは文家の馬車で、友德様は自分の馬で、呂老師の家へ戻ってきた。
元気になった静帆さんと志勇が、わたしたちを待っていた。
「昨日は、ありがとうございました。たいそう貴重なお薬を使って治していただいたのだと、志勇から聞きました。お礼は、どうしたらよろしいでしょうか?」
「お礼なんて……。でも、そうですね……、わたしたちは、また河の船着き場から船に乗るので、そこまで志勇に送ってもらえると助かります――。それでどうでしょう?」
「そんなのお安いご用だよ! 本当にそれだけでいいのかい?」
「十分です! 志勇、よろしくお願いします!」
友德様が、壊れた岩棚の様子を見たいというので、老師や昭羽も誘って、みんなで李畑に出かけることになった。
岩棚が跡形も無く消え、崖下に砕けた岩の小山ができているのを目にしたときは、みんな唖然としていた。
しかし、やがて、災いの元が去ったという安心感が湧き上がったのだろう。誰もが、顔をほころばせた。
わたしは、行李から快癒水の瓶を取り出した。
昨日、友德様が言っていたことをやってみるつもりだ。
瓶の栓を外し、李の木の根方に少しずつ注いで回る。
元気に育って! 良い実をたくさんつけて! わたしは、願いを込めて快癒水を撒いた。
「友德様、金の李は消えてしまいましたけれど、これからは、里の人をもっと豊かにしてくれる、本物の美味しい李が、ここでたくさん収穫できるようになります! これからも、里の人と一緒に畑の世話を続けてくださいね!」
「深緑さん……」
わたしに近づき、手を取ろうとした友德様の手を先に掴み、力強く握手を交わしたのは、もちろん思阿さんだった――。
◇ ◇ ◇
そして、思阿さんとわたしは、今、志勇が操る小舟に乗っている。
「偉強様と友德様と姉さんは、幼なじみなんだ。小さい頃から呂老師のところで、三人で文字や詩を習ったり、遊んだりしていたんだって……。姉さんは、いずれは、どっちかのお嫁さんになるんじゃないかと、おいらは思っているんだ」
「そ、そうなの?! 文家は、大地主なのに里から嫁を迎えたりするかしら?」
「何言ってんだよ! 國強様の奥様は、呂老師の娘さんだよ。二人は、李畑の世話をしていて出会ったって話だよ。だから、姉さんだって大丈夫! 文家の若奥様になれるさ!」
今のところ、里の面倒をよく見ている友德様の方が、お相手として有望かしら?
だから、偉強様は、金の種を県令や刺史に献上して、何としても地方官吏になろうと考えたのかもしれないわね。
県試や州試に合格しても、上とのつながりがないとなかなか登用されないらしいから――。
でも、そんな方法で官吏になっても、静帆さんに慕われるとはかぎらないのにね。
今回のことで少しは反省して、静帆さんの心を掴むために、真面目に努力できるといいのだけど……。
とはいえ、静帆さんを巡って兄弟の仲が悪くなっても困るわね。
まあ、あの國強様という大人がついているのだから、心配することはないかもしれない。
「ねぇ、志勇、わたしね……、そろそろ、あなたたちのお父さんが、戻ってくるような気がするの」
「父さんが? 本当に?! なんで、深緑さんに、そんなことがわかるのさ?」
「これは、わたしの想像なのだけど――。お父さんも、偉強様と同じように、李を食べたせいで何か恐ろしい目にあって、あなたたちに迷惑をかけないために姿を消したのだと思うの。でも、岩棚の李の木がなくなったから、木の呪縛のようなものも、そろそろ消えるのではないかしら?
そうしたら、お父さんも家に戻れるはずよね?」
出発の準備のために、離れの部屋に戻ったとき、夏先生が教えてくれたのだ。
もしかすると、種核が天に戻ったことで、金の李の木の影響は次第に薄れていくのではないかって――。
偉強様の頭の木は、快癒水を使って引き抜いたけれど、もしかしたら、無理に抜かなくても時間が立てば、自然に消えたかもしれないというのだ。
だとしたら、勇仁さんの身におきた異変も、そろそろ収まるかもしれない、そして――。
「ありがとう、深緑さん! おいらには、難しいことはわからないけれど、姉さんを助けてくれた深緑さんの言葉を信じて、父さんを待つことにするよ!」
河の船着き場が、目の前に迫っていた。
思阿さんは立ち上がると、綱を持って、ぴょんと桟橋に飛び移った。
杭に綱を巻き小舟を舫う。
「じゃあね、志勇! 姉さんと仲良くね! それから、仕事も頑張ってね!」
「ああ! 深緑さんも、思阿さんと仲良く旅を続けるんだよ!」
「えっ?! はい?!……、きゃあぁっ!」
急に小舟が揺れて、立ち上がっていたわたしは、河に落ちそうになった。
素早く伸ばされた思阿さんの腕につかまり、桟橋に引き上げてもらった。
ん?! え?! あれ?! あの、今、ぎゅってしませんでした?!
思阿さん、引き上げたわたしを……、最後に、ぎゅってしましたよね?
わたしが言葉にする前に、思阿さんはわたしから離れ、船着き場に出ている屋台の饅頭屋へ行ってしまった――。
―― グルギュルグル……ギュルウウウーンッ……。
うわーっ! ぎゅってされたとき、お腹のすき具合が思阿さんにばれちゃったのかしら?!
明るい笑い声とともに、志勇の小舟が、ゆっくりと桟橋から遠ざかっていった。
腰の虫籠からも、「ケケケケケロッ」と、夏先生の小さな笑い声が聞こえてきた。
思阿さんとわたしは、文夫妻や友德様と一緒に朝餉をいただいている。
文國強様は、堂々とした体躯で、穏やかな笑みを絶やさない、大人らしい雰囲気を漂わせた方だ。
今さっき、起きたばかりのところで友德様から事情を聞いたそうで、たいそう恐縮しながら、わたしたちのために朝餉を用意してくださった。
「深緑殿、朝早くから御足労をおかけし申し訳ありませんでした。偉強のやつ、わたしたちにも知らせず、こっそり解決しようだなんて、勉学好きなくせに、どうも考えが足りません。昨日は、そちらの思阿殿にも我が儘を申したようで、ご迷惑をかけました」
文夫妻が頭を下げた。こういうときに躊躇しないのが、本当の大人というものなのね。
でも、思阿さんの場合は、自分から名乗りを上げて射手を引き受けたので、お気になさらずに――。
「それにしても、恐ろしいことがあるものですね。もし、あのまま木が育っていたら、偉強はどうなっていたのでしょうか?」
「木がある程度大きくなってしまったら、主客逆転のような形になって、人が木に合わせて暮らすことになるのかもしれませんね」
「人が木に仕えるなんて――。気味の悪いこと!」
文夫人が、眉をひそめ口元に手を当てた。
隣に座っていた友德様が、夫人の肩に手を添え気づかっていた。
偉強様は、部屋で休んでいるそうだけれど、彼にはあまり聞かせたくない話だ。
「勇仁が、わたしの所へ黄金の種を持ってきたときから、何か禍々しいものを感じていたのです。口止めして大金を渡し、黄金の種を引き取りましたが、勇仁が姿を消してしまったので、妙な噂が一人歩きしてしまいました。
おまけに、偉強がわたしに断りなく、県令様に種を差し上げてしまい、さらに噂が広がりまして――。友德を里に出向かせ、金の李の木を見張らせていたのですが、里の者ばかりか偉強までが惑わされ、このようなお恥ずかしい事態にあいなりました」
そうか……。國強様は、最初から金の李を怪しんでいたのね。さすが、大人!
そして、欲に目がくらんだ人が災いに巻き込まれないよう、友德様に見張らせていたわけだ。
でも、もう大丈夫ですよ! 金の李の木は、わたしが天水で始末をしましたから!
そのことを、どうやって伝えたらいいかしらと迷っていたら――。
「でも、もう心配はいりませんよ。今日の明け方、気になって金の李の木を見に行ったら、李の木ばかりか岩棚までもがくずれ、崖下に砕けた岩の山ができていました。
夕べは、外で寝ていたのですが、夜更けに碧っぽい光が空をよぎるのを見ました。あの岩棚に、小さな雷でも落ちたのかもしれませんね」
「なんと! まことですか、思阿殿?!」
「切ることも叶わず、ずっと悩んでおりましたのに――、ありがたい!」
文夫妻も友德様も、驚きが収まると、心から安堵した様子で顔を見合わせた。
思阿さんが、訳知り顔でわたしの方を見て微笑んだ。
何?! 何よ?! 思阿さんたら、もしかして、ひょっとして、いろいろ見てました?!
庭の竹林の方から、朝の訪れを喜ぶ小鳥の声が聞こえてきた。
窓から差し込む光に目を細めながら、感慨深げに文夫人がつぶやいた。
「一昨日、近くの郷にある翠姫廟にお参りしたのです。里の人たちが、もう二度と命を失ったり怪我をしたりすることがないよう、あの金の李の木をどうにかしてください、とお願いしてきました。
豊穣の女神様に対して、筋違いなお願いかとも思ったのですが、お優しい女神様は、お聞き届けくださったのでしょうね。今日にでも、御礼参りに行ってきますわ!」
◇ ◇ ◇
思阿さんとわたしは文家の馬車で、友德様は自分の馬で、呂老師の家へ戻ってきた。
元気になった静帆さんと志勇が、わたしたちを待っていた。
「昨日は、ありがとうございました。たいそう貴重なお薬を使って治していただいたのだと、志勇から聞きました。お礼は、どうしたらよろしいでしょうか?」
「お礼なんて……。でも、そうですね……、わたしたちは、また河の船着き場から船に乗るので、そこまで志勇に送ってもらえると助かります――。それでどうでしょう?」
「そんなのお安いご用だよ! 本当にそれだけでいいのかい?」
「十分です! 志勇、よろしくお願いします!」
友德様が、壊れた岩棚の様子を見たいというので、老師や昭羽も誘って、みんなで李畑に出かけることになった。
岩棚が跡形も無く消え、崖下に砕けた岩の小山ができているのを目にしたときは、みんな唖然としていた。
しかし、やがて、災いの元が去ったという安心感が湧き上がったのだろう。誰もが、顔をほころばせた。
わたしは、行李から快癒水の瓶を取り出した。
昨日、友德様が言っていたことをやってみるつもりだ。
瓶の栓を外し、李の木の根方に少しずつ注いで回る。
元気に育って! 良い実をたくさんつけて! わたしは、願いを込めて快癒水を撒いた。
「友德様、金の李は消えてしまいましたけれど、これからは、里の人をもっと豊かにしてくれる、本物の美味しい李が、ここでたくさん収穫できるようになります! これからも、里の人と一緒に畑の世話を続けてくださいね!」
「深緑さん……」
わたしに近づき、手を取ろうとした友德様の手を先に掴み、力強く握手を交わしたのは、もちろん思阿さんだった――。
◇ ◇ ◇
そして、思阿さんとわたしは、今、志勇が操る小舟に乗っている。
「偉強様と友德様と姉さんは、幼なじみなんだ。小さい頃から呂老師のところで、三人で文字や詩を習ったり、遊んだりしていたんだって……。姉さんは、いずれは、どっちかのお嫁さんになるんじゃないかと、おいらは思っているんだ」
「そ、そうなの?! 文家は、大地主なのに里から嫁を迎えたりするかしら?」
「何言ってんだよ! 國強様の奥様は、呂老師の娘さんだよ。二人は、李畑の世話をしていて出会ったって話だよ。だから、姉さんだって大丈夫! 文家の若奥様になれるさ!」
今のところ、里の面倒をよく見ている友德様の方が、お相手として有望かしら?
だから、偉強様は、金の種を県令や刺史に献上して、何としても地方官吏になろうと考えたのかもしれないわね。
県試や州試に合格しても、上とのつながりがないとなかなか登用されないらしいから――。
でも、そんな方法で官吏になっても、静帆さんに慕われるとはかぎらないのにね。
今回のことで少しは反省して、静帆さんの心を掴むために、真面目に努力できるといいのだけど……。
とはいえ、静帆さんを巡って兄弟の仲が悪くなっても困るわね。
まあ、あの國強様という大人がついているのだから、心配することはないかもしれない。
「ねぇ、志勇、わたしね……、そろそろ、あなたたちのお父さんが、戻ってくるような気がするの」
「父さんが? 本当に?! なんで、深緑さんに、そんなことがわかるのさ?」
「これは、わたしの想像なのだけど――。お父さんも、偉強様と同じように、李を食べたせいで何か恐ろしい目にあって、あなたたちに迷惑をかけないために姿を消したのだと思うの。でも、岩棚の李の木がなくなったから、木の呪縛のようなものも、そろそろ消えるのではないかしら?
そうしたら、お父さんも家に戻れるはずよね?」
出発の準備のために、離れの部屋に戻ったとき、夏先生が教えてくれたのだ。
もしかすると、種核が天に戻ったことで、金の李の木の影響は次第に薄れていくのではないかって――。
偉強様の頭の木は、快癒水を使って引き抜いたけれど、もしかしたら、無理に抜かなくても時間が立てば、自然に消えたかもしれないというのだ。
だとしたら、勇仁さんの身におきた異変も、そろそろ収まるかもしれない、そして――。
「ありがとう、深緑さん! おいらには、難しいことはわからないけれど、姉さんを助けてくれた深緑さんの言葉を信じて、父さんを待つことにするよ!」
河の船着き場が、目の前に迫っていた。
思阿さんは立ち上がると、綱を持って、ぴょんと桟橋に飛び移った。
杭に綱を巻き小舟を舫う。
「じゃあね、志勇! 姉さんと仲良くね! それから、仕事も頑張ってね!」
「ああ! 深緑さんも、思阿さんと仲良く旅を続けるんだよ!」
「えっ?! はい?!……、きゃあぁっ!」
急に小舟が揺れて、立ち上がっていたわたしは、河に落ちそうになった。
素早く伸ばされた思阿さんの腕につかまり、桟橋に引き上げてもらった。
ん?! え?! あれ?! あの、今、ぎゅってしませんでした?!
思阿さん、引き上げたわたしを……、最後に、ぎゅってしましたよね?
わたしが言葉にする前に、思阿さんはわたしから離れ、船着き場に出ている屋台の饅頭屋へ行ってしまった――。
―― グルギュルグル……ギュルウウウーンッ……。
うわーっ! ぎゅってされたとき、お腹のすき具合が思阿さんにばれちゃったのかしら?!
明るい笑い声とともに、志勇の小舟が、ゆっくりと桟橋から遠ざかっていった。
腰の虫籠からも、「ケケケケケロッ」と、夏先生の小さな笑い声が聞こえてきた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
龍神様の婚約者、幽世のデパ地下で洋菓子店はじめました
卯月みか
キャラ文芸
両親を交通事故で亡くした月ヶ瀬美桜は、叔父と叔母に引き取られ、召使いのようにこき使われていた。ある日、お金を盗んだという濡れ衣を着せられ、従姉妹と言い争いになり、家を飛び出してしまう。
そんな美桜を救ったのは、幽世からやって来た龍神の翡翠だった。異界へ行ける人間は、人ではない者に嫁ぐ者だけだという翡翠に、美桜はついて行く決心をする。
お菓子作りの腕を見込まれた美桜は、翡翠の元で生活をする代わりに、翡翠が営む万屋で、洋菓子店を開くことになるのだが……。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
汐埼ゆたか
キャラ文芸
准教授の藤波怜(ふじなみ れい)が一人静かに暮らす一軒家。
そこに迷い猫のように住み着いた女の子。
名前はミネ。
どこから来たのか分からない彼女は、“女性”と呼ぶにはあどけなく、“少女”と呼ぶには美しい
ゆるりと始まった二人暮らし。
クールなのに優しい怜と天然で素直なミネ。
そんな二人の間に、目には見えない特別な何かが、静かに、穏やかに降り積もっていくのだった。
*****
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
※他サイト掲載
見鬼の女官は烏の妻となる
白鷺雨月
キャラ文芸
皇帝暗殺の罪で投獄された李明鈴。失意の中、処刑を待つ彼女のもとに美貌の宦官があらわれる。
宦官の名は烏次元といった。
濡れ烏の羽のような黒髪を持つ美しき青年は明鈴に我妻となれば牢からだしてやろうと提案する。
死から逃れるため、明鈴は男性としての機能を捨て去った宦官の妻となることを決意する。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
逃げるための後宮行きでしたが、なぜか奴が皇帝になっていました
吉高 花
恋愛
◆転生&ループの中華風ファンタジー◆
第15回恋愛小説大賞「中華・後宮ラブ賞」受賞しました!ありがとうございます!
かつて散々腐れ縁だったあいつが「俺たち、もし三十になってもお互いに独身だったら、結婚するか」
なんてことを言ったから、私は密かに三十になるのを待っていた。でもそんな私たちは、仲良く一緒にトラックに轢かれてしまった。
そして転生しても奴を忘れられなかった私は、ある日奴が綺麗なお嫁さんと仲良く微笑み合っている場面を見てしまう。
なにあれ! 許せん! 私も別の男と幸せになってやる!
しかしそんな決意もむなしく私はまた、今度は馬車に轢かれて逝ってしまう。
そして二度目。なんと今度は最後の人生をループした。ならば今度は前の記憶をフルに使って今度こそ幸せになってやる!
しかし私は気づいてしまった。このままでは、また奴の幸せな姿を見ることになるのでは?
それは嫌だ絶対に嫌だ。そうだ! 後宮に行ってしまえば、奴とは会わずにすむじゃない!
そうして私は意気揚々と、女官として後宮に潜り込んだのだった。
奴が、今世では皇帝になっているとも知らずに。
※タイトル試行錯誤中なのでたまに変わります。最初のタイトルは「ループの二度目は後宮で ~逃げるための後宮でしたが、なぜか奴が皇帝になっていました~」
※設定は架空なので史実には基づいて「おりません」
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる