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プロローグ 寝過ごしちゃいまして……わわっ! まさか天界追放?!
その三 深緑にお任せくださいませ! 天女の霊力大放出なのです!
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ああ、とうとう下天してしまわれた――。後は、ご無事を祈るしかない。
「さて、では早速、天空花園へまいりましょうか、深緑!」
「はい!」
虫嫌香を炊いた香炉を手に持ち、金色の天水の柄杓を背負うと、林杏姉様が朗らかにおっしゃった。
林杏姉様は、蘭玲姉様よりも年下だから、普段はあまり前に出たがらないのだが、今回は留守を任されたので張り切っている。
わたしも支度を整え、林杏姉様に続く。
わたしたちは、天女らしく優雅に羽衣を風に揺らしながら、天空花園へ向かった。
天空花園は、とてつもなく広い。
そこには、天界に育つあらゆる魅力的な花々が集められている。
一年中、花が途切れることはない。
まあ、常春の世界である天界では、当たり前のことなのだけれど――。
天空花園は、神々の御心に安らぎを与え、そのお力を高めるための場所だ。
清らかで穢れない花々の姿や香りに触れることで、神々は日々の疲れを癒やされる。
お花を宮殿に持ち帰って飾ったり、体にお飾りになったりする方もおられる。
わたしたち庭番のお役目は、神々が健やかに暮らされ、存分にお力を発揮できるように、花々を精魂込めてお世話し、天空花園を美しく保つことなのだ。
「やあぁぁぁーっ!!」
わたしは、大きなかけ声とともに、思い切り柄杓を振った。
柄杓から溢れ出た天水がかかると、少ししおれていた花々が瑞々しさを取り戻す。
「えぇぇぇぇーい!!」
今度は、さらに気合いを入れて、反対の方向へ柄杓を振る。
わたしが握っている限り、天水は柄杓の中へ際限なく湧き上がってくる。
見るがいい、庭番天女の霊力を!
わたしは、ブンブン柄杓を振り回し、花々に天水をかけまくった。
「少し休みましょうか? あなたも息が上がってきたようだし」
「はぁ、はぁ……、林杏ねへさまぁ……、わ、わたしぃは、まだまぁだ、だいじょーびですぅ……」
口ではそう言ったものの、一人で二人分の仕事をしなければと気負っていたわたしは、とばしすぎて早くも霊力切れを起こしかけていた。
まだ、天空花園の半分しか天水をかけ終わっていないというのに――。
「元気になった花々から、気をいただきましょう。霊力が増して、残りの仕事がはかどりますよ」
「は、はい……。では、お言葉に甘えまして……」
わたしは、林杏姉様と並んで、花園の小道に置かれた長椅子に腰を下ろした。
心と体を緩め、花々の気を取り込む。
清涼で香しい花々の気が、ゆっくりとわたしの中へ流れ込んでくる。
目をつぶり、うっとりとしながら、体内を巡る気の動きに身を任せていると、突然、誰かがわたしたちを呼ぶ声が聞こえてきた。
「庭番どの―っ! 天空花園の庭番どのは、おられませんかーっ!」
林杏姉様とわたしは、急いで長椅子から腰を上げ、声のする方へ目をやった。
わたしたちを探していたのは、葦毛の天馬に跨がった一人の兵士だった。
わたしが、ぐるんぐるん柄杓を振り回すと、それに気づいた兵士が駆け寄ってきた。
「おお、こちらにおられましたか! わたくし、天帝五軍青龍軍の子豪と申します」
「わたくしは、翠姫様の手下にて、天空花園の庭番を務めております林杏と申します。こちらは、わたくしとともに庭番を務めております深緑でございます」
林杏姉様とわたしは、胸の前で手を組み、頭を下げて挨拶をした。
子豪様も、慌てて天馬から降りて、同じように挨拶をされた。
すらりと細身で背が高く、兵士らしからぬ優雅な物腰の方だった。
もしかして、雅文が恋情を感じた兵士って、子豪様だったりして――。
変な想像をしながら、じろじろと子豪様を見ていたら、林杏姉様に小突かれた。
はいはい! 天女は、いつも上品かつ優美でなきゃいけないんですよね。わかっております。
林杏姉様は、羽衣を典雅に揺らしながら、子豪様に問いかけた。
「子豪様、わたくしたちに、どのようなご用でございましょうか?」
「あ、は、はい……。今さっき、東方での魔軍との戦いを終え戻った部隊を、花の気で癒やしてやりたいと、玄姫様がおっしゃいまして、花を集めに参ったのでございます」
玄姫様は、戦と兵法の女神で、翠姫様の姉君にあたられる。
天帝軍は、魔軍から人間界や天界を守るため、日々過酷な戦いを続けている。
天帝軍の兵士も天人であるから不老不死なのだけれど、戦いで極端に霊力を消耗すると、ずっと眠りについてしまったり、魔軍に捕らわれたりしてしまうこともあるそうだ。
今回も、玄姫様が御心を煩わすほどの厳しい戦いであったのだろう。
林杏姉様とわたしは、良い気を旺盛に吹き出す幾種類かの花を選んで切り取った。
天界の花は、切り取ってもしおれるまでは、気を放ち続ける。
天女の柄杓の天水を満たした器に生けることで、花はさらに長持ちする。
「深緑、わたくしは、子豪様と一緒に兵舎へ赴き、花を生けて参ります。もちろん、できうる限り急いで戻ってきますが、しばらくの間、天空花園の世話をあなたに任せてもよいでしょうか?」
「ご心配には及びません。少し休んで気も満ちましたので、残りの水やりはお任せください!」
わたしは、胸を張って答えた。
だって、本当に体中に気が漲り、一人で何でもできそうな気分になっていたのだもの――。
花をどっさり積んだ天馬を引きながら、子豪様と林杏姉様は、青龍軍の兵舎へ向かった。
林杏姉様は、わたしを案じて何度も振り返っていた。
わたしは、そのたびに、林杏姉様を安心させようと力一杯柄杓を振った。
二人の姿が小さな点のようになるまで見送り、ようやく、わたしは水やりの続きにとりかかった。
きらきらと輝く天水の金色のしずくを、柄杓で満遍なく花々に振りかける。
天水を浴びた花々は、いっそう豊かに香り立ち、葉や茎を生き生きと伸ばした。
わたしは、嬉々としながら一人で水やりを続けた――はずだった……。
「深緑! 深緑! 起きなさい、深緑!」
誰かが、わたしを揺り動かしている……。
ほんのりと、お酒の香りがする……。
あたりは少し暗くて涼しい……、もう、夕暮れなのかしら?……。
えっ? 夕暮れ? あれっ? わたしったら……、寝てた?!
パチッと目を開けたら、目の前に薄紅色に染まった林杏姉様のお顔があった。
「ああ、気がついたのね、深緑! ごめんなさい、遅くなってしまって……」
「林杏姉様? 何だか、ちょっとお酒の香りが……」
「恥ずかしいわ! あなたに仕事を任せたまま、こんなことになってしまって! 兵舎でお花を生けていたら、黄龍軍の将軍様が、慰労だとおっしゃって大きな酒甕を運んでいらしたの。その後は、もう兵舎中が飲めや歌えという騒ぎになって……、わたしもついつい何杯も……。本当に、ごめんなさい。一人で全部水やりをするのは、大変だったでしょう?」
「あっ、は、はい……。でも、何とかなりましたから、大丈夫ですよ!」
一人で全部水やり――、しただろうか?
さすがに終わり近くで疲れ果て、また、花の気を取り込もうと座り込んで……、寝た?
いやいや! そんなことはない! 責任を持ってやり遂げた……、と思う。
ほっとしたお顔でわたしを見ていた林杏姉様が、優しいお声でおっしゃった。
「では、そろそろ宮殿に帰りましょうか? 後片付けをして天人寮に戻りましょう」
「はい、姉様……」
わたしは、姉様が兵舎に行かれた後のことを、詳しく思い出そうとした。
でも、だめ! 花の気を取り込んだ前後のことがはっきりしない……。
天空花園の水やりは、全部終わっていたはず……。終わっていたと思う……。
終わっていた? 終わっていた! 終わっていたわよ!!
わたしはそう信じて、夕暮れのほの暗い光の中、宮殿へ続く道を急いだ。
「さて、では早速、天空花園へまいりましょうか、深緑!」
「はい!」
虫嫌香を炊いた香炉を手に持ち、金色の天水の柄杓を背負うと、林杏姉様が朗らかにおっしゃった。
林杏姉様は、蘭玲姉様よりも年下だから、普段はあまり前に出たがらないのだが、今回は留守を任されたので張り切っている。
わたしも支度を整え、林杏姉様に続く。
わたしたちは、天女らしく優雅に羽衣を風に揺らしながら、天空花園へ向かった。
天空花園は、とてつもなく広い。
そこには、天界に育つあらゆる魅力的な花々が集められている。
一年中、花が途切れることはない。
まあ、常春の世界である天界では、当たり前のことなのだけれど――。
天空花園は、神々の御心に安らぎを与え、そのお力を高めるための場所だ。
清らかで穢れない花々の姿や香りに触れることで、神々は日々の疲れを癒やされる。
お花を宮殿に持ち帰って飾ったり、体にお飾りになったりする方もおられる。
わたしたち庭番のお役目は、神々が健やかに暮らされ、存分にお力を発揮できるように、花々を精魂込めてお世話し、天空花園を美しく保つことなのだ。
「やあぁぁぁーっ!!」
わたしは、大きなかけ声とともに、思い切り柄杓を振った。
柄杓から溢れ出た天水がかかると、少ししおれていた花々が瑞々しさを取り戻す。
「えぇぇぇぇーい!!」
今度は、さらに気合いを入れて、反対の方向へ柄杓を振る。
わたしが握っている限り、天水は柄杓の中へ際限なく湧き上がってくる。
見るがいい、庭番天女の霊力を!
わたしは、ブンブン柄杓を振り回し、花々に天水をかけまくった。
「少し休みましょうか? あなたも息が上がってきたようだし」
「はぁ、はぁ……、林杏ねへさまぁ……、わ、わたしぃは、まだまぁだ、だいじょーびですぅ……」
口ではそう言ったものの、一人で二人分の仕事をしなければと気負っていたわたしは、とばしすぎて早くも霊力切れを起こしかけていた。
まだ、天空花園の半分しか天水をかけ終わっていないというのに――。
「元気になった花々から、気をいただきましょう。霊力が増して、残りの仕事がはかどりますよ」
「は、はい……。では、お言葉に甘えまして……」
わたしは、林杏姉様と並んで、花園の小道に置かれた長椅子に腰を下ろした。
心と体を緩め、花々の気を取り込む。
清涼で香しい花々の気が、ゆっくりとわたしの中へ流れ込んでくる。
目をつぶり、うっとりとしながら、体内を巡る気の動きに身を任せていると、突然、誰かがわたしたちを呼ぶ声が聞こえてきた。
「庭番どの―っ! 天空花園の庭番どのは、おられませんかーっ!」
林杏姉様とわたしは、急いで長椅子から腰を上げ、声のする方へ目をやった。
わたしたちを探していたのは、葦毛の天馬に跨がった一人の兵士だった。
わたしが、ぐるんぐるん柄杓を振り回すと、それに気づいた兵士が駆け寄ってきた。
「おお、こちらにおられましたか! わたくし、天帝五軍青龍軍の子豪と申します」
「わたくしは、翠姫様の手下にて、天空花園の庭番を務めております林杏と申します。こちらは、わたくしとともに庭番を務めております深緑でございます」
林杏姉様とわたしは、胸の前で手を組み、頭を下げて挨拶をした。
子豪様も、慌てて天馬から降りて、同じように挨拶をされた。
すらりと細身で背が高く、兵士らしからぬ優雅な物腰の方だった。
もしかして、雅文が恋情を感じた兵士って、子豪様だったりして――。
変な想像をしながら、じろじろと子豪様を見ていたら、林杏姉様に小突かれた。
はいはい! 天女は、いつも上品かつ優美でなきゃいけないんですよね。わかっております。
林杏姉様は、羽衣を典雅に揺らしながら、子豪様に問いかけた。
「子豪様、わたくしたちに、どのようなご用でございましょうか?」
「あ、は、はい……。今さっき、東方での魔軍との戦いを終え戻った部隊を、花の気で癒やしてやりたいと、玄姫様がおっしゃいまして、花を集めに参ったのでございます」
玄姫様は、戦と兵法の女神で、翠姫様の姉君にあたられる。
天帝軍は、魔軍から人間界や天界を守るため、日々過酷な戦いを続けている。
天帝軍の兵士も天人であるから不老不死なのだけれど、戦いで極端に霊力を消耗すると、ずっと眠りについてしまったり、魔軍に捕らわれたりしてしまうこともあるそうだ。
今回も、玄姫様が御心を煩わすほどの厳しい戦いであったのだろう。
林杏姉様とわたしは、良い気を旺盛に吹き出す幾種類かの花を選んで切り取った。
天界の花は、切り取ってもしおれるまでは、気を放ち続ける。
天女の柄杓の天水を満たした器に生けることで、花はさらに長持ちする。
「深緑、わたくしは、子豪様と一緒に兵舎へ赴き、花を生けて参ります。もちろん、できうる限り急いで戻ってきますが、しばらくの間、天空花園の世話をあなたに任せてもよいでしょうか?」
「ご心配には及びません。少し休んで気も満ちましたので、残りの水やりはお任せください!」
わたしは、胸を張って答えた。
だって、本当に体中に気が漲り、一人で何でもできそうな気分になっていたのだもの――。
花をどっさり積んだ天馬を引きながら、子豪様と林杏姉様は、青龍軍の兵舎へ向かった。
林杏姉様は、わたしを案じて何度も振り返っていた。
わたしは、そのたびに、林杏姉様を安心させようと力一杯柄杓を振った。
二人の姿が小さな点のようになるまで見送り、ようやく、わたしは水やりの続きにとりかかった。
きらきらと輝く天水の金色のしずくを、柄杓で満遍なく花々に振りかける。
天水を浴びた花々は、いっそう豊かに香り立ち、葉や茎を生き生きと伸ばした。
わたしは、嬉々としながら一人で水やりを続けた――はずだった……。
「深緑! 深緑! 起きなさい、深緑!」
誰かが、わたしを揺り動かしている……。
ほんのりと、お酒の香りがする……。
あたりは少し暗くて涼しい……、もう、夕暮れなのかしら?……。
えっ? 夕暮れ? あれっ? わたしったら……、寝てた?!
パチッと目を開けたら、目の前に薄紅色に染まった林杏姉様のお顔があった。
「ああ、気がついたのね、深緑! ごめんなさい、遅くなってしまって……」
「林杏姉様? 何だか、ちょっとお酒の香りが……」
「恥ずかしいわ! あなたに仕事を任せたまま、こんなことになってしまって! 兵舎でお花を生けていたら、黄龍軍の将軍様が、慰労だとおっしゃって大きな酒甕を運んでいらしたの。その後は、もう兵舎中が飲めや歌えという騒ぎになって……、わたしもついつい何杯も……。本当に、ごめんなさい。一人で全部水やりをするのは、大変だったでしょう?」
「あっ、は、はい……。でも、何とかなりましたから、大丈夫ですよ!」
一人で全部水やり――、しただろうか?
さすがに終わり近くで疲れ果て、また、花の気を取り込もうと座り込んで……、寝た?
いやいや! そんなことはない! 責任を持ってやり遂げた……、と思う。
ほっとしたお顔でわたしを見ていた林杏姉様が、優しいお声でおっしゃった。
「では、そろそろ宮殿に帰りましょうか? 後片付けをして天人寮に戻りましょう」
「はい、姉様……」
わたしは、姉様が兵舎に行かれた後のことを、詳しく思い出そうとした。
でも、だめ! 花の気を取り込んだ前後のことがはっきりしない……。
天空花園の水やりは、全部終わっていたはず……。終わっていたと思う……。
終わっていた? 終わっていた! 終わっていたわよ!!
わたしはそう信じて、夕暮れのほの暗い光の中、宮殿へ続く道を急いだ。
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