ヤンデレ腹黒王子と私

モゴ

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幼少期編

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 簡単にいうならば、ヘイリー様と図鑑を見るのはすごく楽しかった。
 挿絵を見ながら説明を読み、尚且つヘイリー様のもっている知識も踏まえて説明してくれたのだ。
 うー、おーと声を出してキャキャとはしゃぐ姿をヘイリーは目を細めクレアを見た

「楽しい?」
「楽しいです!いつか食べてみたいです!」
「食べるか・・面白い視点だね」

ヘイリーはフッと僅かに口角をあげた

「あ!ヘイリー様今笑った!」
「僕?笑ってた?」
「笑いましたよ!不気味な笑顔だったけど!」
「不気味って」

またヘイリーは無表情になり、ぱたりと図鑑を閉じて、考える様に遠くを見つめた。

しばらくしてからゆっくりとクレアに体を向けて目を伏せたままヘイリーは呟くように言った

「クー僕は不安なんだ、見えない民の、見えない統治、僕は王になってもきっと民は喜ばないし、ダメな国になってしまうかもしれない」

ザラダイン王国では争いを避ける為、王の第一子が王を世襲している

「ダメな国ってどういう国?」
「それは…民が不安になったり貧しい国だったり色々だよ」
「ヘイリー様!そんな、王が変わったぐらいで崩れる民じゃないわ!もっと私達を信用して!」
「信用?」
「そう!王様がだれでも、食べていくには働かないといけないでしょ?だから私は私で頑張るだけよ!」

ヘイリーは目を微かに見開いてそしてクレアの言葉を噛みしめた

「そうか…そうだね!うん…ありがとうクー」

ヘイリーは真っ直ぐ美しい青空色の瞳でクレアをじっと見つめた

「ヘイリー様はなぜ笑わないの?」
「それは...笑わないでいたらしっかりしているって褒めらたんだ」
「なら私がいっぱい褒めるわ!だからいっぱい笑って!」

クレアはヘイリーの頭にポンッと手を置いた
いつも父がしてくれる大好きな仕草だ

「ヘイリー様は私達の事を考えてくれる立派な人よ!偉いわ!だからもっと笑って!ヘイリー様の不気味な笑顔好きよ!」

「好き…」

悲しくも優しい目をしたヘイリーにクレアは思わず見惚れてしまった

いけない!魔性の瞳だわ!

 クレアは自身を制するように、両手をヘンリーの頬へ近づけ頬をぐぃーっと引っ張った
ヘイリーは驚きクレアはぷっと吹き出した

「変な顔!」
手を離しお腹を抱えて笑うクレア

「クーが勝手に引っ張ったのに!」
ふふっとヘンリーは笑いあははと声を出して笑った

暫く2人は笑い合い子供らしい楽しい空気が流れていた。

「こんな変な顔させられたらお嫁さん貰えなくなる」
「ヘイリー様は変な顔でもカッコイイです、いつでもお嫁さん貰えます!」
「クーはその、僕の事カッコイイって思ってくれるの?」
「父様が一番カッコイイですがヘイリー様もカッコイイですよ」
「一番じゃなんだ」

ヘイリーは考え込むように伏せってしまった。
 しばらくの間伏せっていたヘイリーは顔をあげ、目には熱があるように、みえた

ヘンリーはクレアの両手を自身の手で包みクレアの顔を覗き込んだ、少し強く握られた手からは緊張が伝わり顔は固まっていた

ふーとヘイリーは一息つき


「クー」
「僕の」



「僕のお嫁さんになって」
「えー無理よ」


ピキっとヘンリーの全身が固まる音がした

「なっ何で僕の事好きじゃないの?他に好きな人がいるの?」

「ヘンリー様はいい子だと思うし、他に好きな人なんて、いないけどヘンリー様のお嫁さんになったら、王妃になっちゃう!私とは身分が合わないわ」

チッ
「身分は理解してるんだ」

チッ?
「もちろん!私も一応貴族なの」

「でもクーがお嫁にきてくれないと僕は結婚出来ないから世継ぎが出来ないそうなると弟か妹から子供を養子に迎えるしかなくなるねそうすれば子供には寂しい思いをさせるし、僕の弟と妹は双子だから生む時期が同じになるかもしれいどちらのどの子供を養子に迎えるかで建国以来初めての争いが起きるかもしれないそれにクーが身分を盾にするなら弟と妹の相手は身分が高いものが嫁ぐ事になるね、やがて貴族同士で弟派と妹派に分かれて派閥争いが起きて内戦が始まり民への税率が上がり民は貧困に喘ぎ苦しむかもしれないましてや他国の王族と結婚したらそれはそれは大変になるね内戦だけではなく国と国との争いになるかもしれない、何故なら孫や甥っ子姪っ子か王になれば国を吸収して自国として扱うことが出来るしそうすれば貴族同士の争いだけで大事な民は傷つくことも無く吸収出来るなんて喉から手がてもほしいよねでもザラダイン王国は絆の強い国だから危なくなる前に民が立ちがり反乱を起こしてくれるかもしれないそうすれば民の大切な命が散ってしまって考えただけでも恐ろしいけれど国の行く末を民させる国は長くはもたない労働力は著しく低下して生産力も低下するし出生率だって下がるかもしれないそんな事を考える人は沢山いるし命の危険までつきまとし…ね?大変でしょ?」

「…」

 クレアは全く理解できていなかった。
かもしれないと言っていたのは、分かったが内容は全くもって理解していない

「クーがお嫁さんに来てくれれば全ての問題がなくなるよね?僕と結婚したほうがいいでしょ?」
「う?うん?」
「クー決めてくれたんだね嬉しいよ」
「え?そのうんは「レイブン!フィン!入っていいよ!」ちょっ!ちょっと待って」

すぐ傍に控えていたであろうレイブンとフィンは声がかかるとすぐ様部屋へと入ってきた

「レイブン、フィン僕はクーと婚約したよ」

と太陽が輝くようにヘンリーは眩しい笑顔を見せた


「ここ婚約!?」
「笑顔!?」
「ひっ!」


引きつったのはクレアだ




誰もが見惚れる笑顔を見て悲鳴をあげたのは後にも先にもクレアだけであった

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