転移者と転生者と現地チート

シロ

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80、

妖精さんへのお願い

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「何でここにいるのでしょうか?」
「何でここにいないと思っているのです?」
お互い戸惑う。ナナが戸惑うのは分かる。何もいなかった空間に現れたのだから。防寒着の冒険者が戸惑うのもわかる。魔法で強制転移させられたのだから。つまり、どちらの反応も正しいのである。しかし、この事実は消滅した妖精しか知らない。
「おかしいです。私門の外にいたはずなのに」
「それって、僕達に仕事押し付け・・・・・・あ」
そうだ、その観念が違う。これはナナとカイが受けたお仕事にフリーライセンス持ちの防寒着の冒険者が付いてきてくれたのである。小学生と先生、幼児と保護者。
「ごめんなさい。できるだけやらせるように言われています」
「ですよねー」
「ナナちゃん、フェアリーウィッシュ使えるんだ。それ、妖精呼んでサポートしてもらう上位魔法だから、探索では重宝するよ」
「フェアリーウィッシュ!」
そう唱えるとまた蛍のような光が現れた。今度は5つ。
「この屋敷に残っている価値あるものが欲しいのです」
パチンパチンパチンパチンパチン。光が弾けて消えると、ナナの足元に3冊の本と古びた巾着袋と・・・・・・。
「宝箱なのです!!」
小さいながらもしっかりと存在感のある宝箱にナナは目を輝かせる。
「こういった魔法でしたか?」
「もっと簡単な願い、探索補助くらいしか無理だったはずなんだが?」
おかしいと防寒着の冒険者は首を傾げる。そういえば、男声は妖精魔法も使えるのであった。願うのは基本的に探索補助。手元を照らしてとか、暑いから体感温度を涼しくしてとか。妖精は小さいのであまり複雑な願いは理解できない。妖精魔法の基本である。
「宝箱、宝箱なのです(スリスリ)」
その姿はマタタビを与えられた猫のようであった。帰還後、防寒着の冒険者はギルドマスターに語った。

                                続く
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