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11ー10、カメ、準備を断念する

エターナニル魔法学園特殊クラス

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 とはいっても、必要な物はホームセンターで売っている程度の品物ばかりだ。一番必要なのは、塩である。幽霊の力を減少させ、悪魔を払う力があると言われるあの調味料だ。レイカは除霊師の力も持っている。清めの塩を作るのは裁縫をするくらい簡単なことだった。ただ、今は手持ちの塩がない。コンビーニエンスでも別にいいのだが、量が必要なのでできればスーパーに行きたいところ・・・・・・あ。
「あのラーメン屋さんでもらってくればよかったどすな」
引き返して塩ください、と言う勇気はレイカにはなかった。仕方なしに、近くにあったホームセンターに入ろうとして、ピタリと止まった。クルリときびし、最寄りのスーパーに入った。あのホームセンターは知っている。初めて入った時に強盗事件に巻き込まれた。
「いらっしゃいませー」
コンビニは入るとすぐに店員から挨拶が来るからレイカはちょっと苦手である。彼らの仕事だから仕方がない。真っ直ぐに食品の棚に向かう。カップラーメンが陳列されている。調味料はない。
「どないしましょう」
行ったら、巻き込まれる。自力で作るのも考えたが、内陸に位置しているので海をあてにすることはできないだろう。待って、そう。
「騎士学校にも学食あらはるよね」
全寮制なので食堂はあるだろう。なら、塩の備蓄も当然あるはずだ。問題があるとすれば、今日できないことくらいだろう。忍び込むのはロンの十八番。レイカは早々に諦めてホテルに戻った。
そして、夜が明ける。


                           続く
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