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10ー14、カメ、紙幣に感謝する

エターナニル魔法学園特殊クラス

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「お前らの知り合いでこんなの頼みそうなのあいつくらいだろ」
「先生の可能性もあるじゃない?」
「それどころじゃないって。とりあえず、届けに行かねーか?」
「そうしたいのも山々なんやけど・・・・・・」
「あたし達届け先について何も知らないのよ」
知っている先輩は2人とも夢の中である。
「なら、遊びに行こうぜ。ここって遊園地あるんだよなー」
ナギサカエクストラパークという世界で1、2位を争う遊園地がガルクザルグにある。ジェットコースターやお化け屋敷、シューティングなどの人気アトラクションをばっちり押さえた大人気テーマパークである。
「けれどあそこ結構高いわよ」
「俺のおごりで」
「「行く!」」
一瞬で眠気が吹っ飛んだ。部屋にメモ置きをし、フロントマンに伝言を預けてから三人は出かけることにした。
「っと、先に銀行寄っていいか?」
財布の重さを確認しながらジアルが言った。異議はないので早速向かう。
「金貨4枚と銀貨12枚よろー」
「うわ、重そう」
「軽いよりましだろ」
エターナニルの通貨は重さで価値がわかる。最高価値の金貨が最も重く、最低価値の紙幣が軽い。日本円と逆でレイカも最初は戸惑ったものだ。ただ、銀行強盗対策にはなっていると思う。価値が上がるほど重くなるので、大金を手に入れようとすればそれを運ぶ力が必要となるからだ。
「持ち運びは不便なんだよなー。ジャラジャラするし」
「紙だと価値なさそう」
エターナニルでは金が最高価値になっている。魔法的なものを受け付けないという価値があるからだ。それから銀、宝石と続く。宝石の中でもダイヤモンドの価値が低いのもエターナニルの特徴だろう。今のところ硬くて光る以外の使い道が見いだされていない。火魔法に耐性がないのも理由だろう。
「せやから、偉業達成者の似顔絵を描いて価値を持たせるんどす」
課金せずに持っていた福沢諭吉を見せる。
「へー、そういうもんなんだ」
エターナニルとカーレントとの紙幣を比較すると真っ先に目に付くのはカーレントの紙幣には人の顔が絵描かれていることである。ちょっと昔のこと。映像保管が一般的で先進的なエターナニルでは印刷技術があまり発達していなかった。なので、透かしを入れる技術がなかったのだ。紙幣を低価値に置いているのは偽造被害を少なくしようという狙いがあった。


                          続く
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