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12ー11、カメ、空気を読む

エターナニル魔法学園特殊クラス

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 ただ、毎度毎度殺される意味はわからない。これは聞いていいのかと思った途端、槍が降ってきた。避けられたのは偏にロンが引っ張ってくれたからである。そして、レイカは空気を読むことに定評のある日本人。あ、これは聞いてはいけないのねとピンと来た。
「ほな、最後の質問を」
「何ですか?」
「リムル先生に兄弟いはります?女性含む」
「私は一人っ子だよ。時界分裂以前に両親も亡くなっているし」
彼女は誰と訊きたいのをレイカはグッと抑えた。誰かに聞かれていたら、それこそ犯人に。記憶を消される可能性がある。巻き戻される可能性がある。現時点で何故この時間まで跳ばされたかとかその他諸々が全然解決していない。
「・・・退散」
ロンが何かをリムル先生に投げつける。槍の切っ先で切り払われてしまった。中から、白い粉が辺りに充満する。涙が出るので胡椒の粉も入っていそうだ。
「・・・こっち」
涙を拭っていたレイカをロンが連れ出す。廊下を駆け抜け、校舎裏に来た。
「ちょっと、状況整理まで時間が欲しいかも」
荒ぶる息を整えながら、レイカはそう零した。
「・・・時間稼ぎ、了解」
風に包み込まれ、気が付いた時には、目の前に鏡があるのかと錯覚してしまうほどの双子がいた。
「えっと、ロンはん?」
「・・・・・・(にっこり)」
口の端を上げて笑うとロンはその姿のまま駆け出して行った。頭の回転が追い付かず、レイカはその場にへたりこんでしまった。
「えっと、何か地雷を踏んでリムル先生を怒らせて、怒らせたんやろか?何らかの行動がキッカケなんは確かなんやけど」
凍った頭を無理矢理解凍して思考を再開する。
「ともかく、今回リムル先生は敵対している・・・ロンはんは割と協力的、どすな」
眠らされたってことは、リング先生はリムル先生と敵対またはそれらしい立場にある・・・・・・とても仲が良かったのでこの対立はレイカの心に痛むものがあった。どうせならどちらも対立にいてくれれば、瞬殺されるだろうに、レイカ達側が。
「そう考えると、リング先生に助け求めた方がええんやろか?」
ここで考えがピタリと止まる。
「リング先生の魔力、雷どすな」
職員室の窓の外に張り付いて風魔法・・・は流石にばれると思ったので、レイカは必死に聞き耳を立てた。ガラリとドアを開けて誰かが出て行ってから室内は静寂となった。
「誰もおらへんね?」
消音の魔法をかけてから窓ガラスを割って侵入する。
「お邪魔します」
挨拶してから入るところにレイカの育ちの良さが現れている。


                               続く
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