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12ー10、カメ、頼み過ぎるのも問題

エターナニル魔法学園特殊クラス

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 リムルは職員室で書類整理をしていた。目の下に隈がある。
「リムル先生!イスカはんの行方知りまへんか?」
「え、あ、レイカちゃん。おはようございます」
「あ、ああ、おはようございます」
ここに来てレイカはようやく自分は挨拶もまだしていないことに気が付いて慌てて挨拶した。事情を説明すると、リムルは少し考えて、こういった。
「イスカはここにはいない。学園島にではなく、この時界にと言う意味で」
「・・・・・・どこに行ったかわからはりますか?」
スタートウなら知り合いがいるのですぐに連絡がつくし、すぐに見つかるので少し期待していた。
「カーレントじゃないか?」
返事をしたのはドアを開けて入ってきたリングだった。
「穴は修復終えたぞ。まったく誰だ、あんなところに開けた奴」
リムルが淹れたコーヒーをリングはうまそうに口付けた。レイカとロンにもいるかと尋ねた。ロンは嬉しそうに受け取って飲みだしたが、レイカは断った。怒りで煮え繰り返っていたし、コーヒーはちょっと苦手なのだ。特にこっちのコーヒーは渋めなので飲めないのであった。
「何だ?誰か巻き込まれてたのか?」
「イスカが行方不明なそうです。ざっと調べましたし、リムル先生の証言もあります。学園島にはいないと思いますぇ」
「おかしいな。あの亀裂に巻き込まれた形跡はなかったぞ」
飛び込んだなら話は別だが、野生の亀裂は時空単位でどこに繋がっているかわからない。宇宙かもしれない可能性は大だ。死亡フラグと同じである。
「まぁ、調査するならリムルとしろ・・・・俺は・・・・・眠いんだ・・・・・・」
自分の席に着くとグウグウとイビキをかいて眠りだした。
「コーヒー飲んだ後に眠れますなぁ」
「個人差があるから、彼昨日から何か調査していて眠れなかったし」
「・・・それなしでも寝たと思う」
ポツリと呟かれた言葉は何とかレイカの耳に届いた。
「へ、どういう・・・?」
意味と訊こうとした、その時だった。視界が揺らぐ。この感じをレイカは知っている。イスカの国で起きた事件の時、魔族に薬品を嗅がされた時に起きた目眩と同じ感覚だ。
「なん・・・・で・・・・・」
「・・・異物混入」
状態異常を直す魔法は・・・・・・
「ロン・・はん!!」
「・・・薬物成分収集完了。デトックス」
崩れ落ちたレイカに水滴が落ちる。何かが弾ける音がしたかと思うと、抵抗していた眠気がミント飴を食べたかのように晴れた。ガバリと頭を上げるとそれまでレイカの頭があったところに鋭い何かが打ち付けられた。青色に輝く槍の刃だった。嫌な予感がレイカの脳裏をよぎる。
「まさか、リムル先生がイスカはんを・・・・・・」
「えっと、彼の行方不明は完全に予定外なんだけれど・・・・まぁ、誘い出す用意がなかったのは重畳だったね」
「何でもかんでも先生を頼むのはお門違いだったんどすな」
というか、先生敵側?それって無理プレイってことでは?と思い至ったが、首を振って否定する。だが、現時点で、この状態で先生は敵側確定である。
「そうだね。先駆者の意見を聞くのはいいけれど、鵜呑みにしたり頼りすぎたりするのはNGだよ」
それにしてはすぐに殺さずにこうしてヒントを与えてくれる。彼は本当に敵なのだろうか。寧ろ、彼も被害者で、自分達に助けを求めている、そうレイカは思った。


                                 続く
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