エターナニル魔法学園特殊クラス

シロ

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12ー7、カメ、目覚める

エターナニル魔法学園特殊クラス

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 朝、レイカは一人で目が覚めた。いつものことである。ボサボサになった髪を整える。朝シャン派ではないからちょっと大変だ。顔を洗い終えてもルームメイトが起きてこない。カーテンを開けてみると、そこには空っぽのベッドが。バッと時計を見る。まだ、7時。
「朝食の準備は先輩の仕事」
本当は順番にしたかった。だが、特殊クラス生の中でまともな料理を作れるのはレイカくらいだった。イスカは焼き過ぎて焦がすし、ロンはサプリメントで済まさせようとする。ロイズに至っては見た目はまともだが、味がない。なので、通常レベルのレイカと交代制で作ろうと提案しようとしたのだが、その時にはレイカ共々、プロ顔負けのリトアの料理の虜になった後だった。記憶を失う前は料亭にて働いていたのだろうか?
「おはよう、レイカちゃん」
「リトア先輩、おはようございます」
今日のご飯は、半熟卵に朝摘みキャベツのサラダ。カリカリベーコンにツヤツヤトマト、どちらも自家製。台所から顔を覗かせたリトアの手にはこんがりキツネ色に焼けたトーストが人数分以上ある。見たところ、イスカの姿はない。皿も人数分ある(量はかなりのばらつきがある)。
「おは」
この時ばかりはロイズも研究室から出てくる。学食にはロボットで来るのに、この時だけは生身だ。彼の後ろにはロンの姿も見える。
「何だ、今日は一人か?」
「おはよう、ロイズはん、ロンはん。イスカはん見ぃひんかった?」
「・・・見てない」
ロンが言うのだから間違いない。先に食卓に着いたロイズも見ていない。
「イスカちゃんがどうしたの?」
山盛りのトーストを運んできたリトアが心配そうに尋ねる。
「今朝から見ぃひんの。先にこっち来たと思ったんやけど」
「それはない」
「どういうことやろか?」
「そうだな。今までの行動パターンでも思い出してみろ」
今までの朝。レイカの方が早起きなので大半はイスカを揺すり起こしていた。レイカよりも先に起きていた数回は、目の前に顔があって跳び起きたのを覚えている。あれは、心臓に悪いと何度言っても直らなかった。
「せやな、それはあらへんかった」
何だかんだ言ってイスカが先に行ってしまうことはなかった。
「なら、失踪どすな」
「誘拐の可能性もあるのでは?」
「それなら身代金要求の連絡が来る。身内に行ったんなら確認の電話が学園に、な」
「・・・報連相大事」
「お前が言うか?まぁ、ともかく、金や地位目的なら尚更命に別状はないだろう」
そう言うと新聞を片手にロイズは朝食を食べだした。ユーキがいたら止めさせただろう。レイカも最初は注意したが、止めてはくれなかった。
「問題はだ」
何だかんだでイスカの心配をしてくれるんどすな、とレイカは思った。
「今日が試験日だってことくらいか」
「「「あ」」」
「試験開始は10時。それまでにあのバカが見つかるといいな」
「せや、頭殴られてへんとええんやけれど・・・・・・折角あれだけ詰め込めはったのに」
「お前、何気に辛辣だよな」
「まぁまぁ、それだけ仲が良いということなのでしょう」
「・・・訳がわからない」
「ロンはん、探す手伝いか探索技能の教授をお願いします」
「・・・・・・」
漂っていた低級地属性精霊を吸収して怪力を得たレイカによってロンは連れ去らわれた。
「あいつ、上手くなりやがったな」
「短期間で凄いですね」
諦めを含めてロイズはトーストを口に運ぶ。香ばしい焼き立てパンにとろけるイチゴジャムがよく合った。
「念のため、私もイスカ探索に回りましょうか?」
「いや、別に頼みたいことがある」
「薬の試飲以外なら聞くよ」
「そこまで嫌わないでもいいではないか?」
「5年生にそれは通じないかな」
学年崩壊になりかけたのを思い出し、リトアは苦笑した。本人も被害者の一人なのだが、この様子だともうほとんど許していそうだ。5年生全員が全員許してくれるとは思えない。現に5年の担任と副担任は今でもロイズを警戒している。毛嫌いしている。
「あの事件、根本は俺の仕業ではないのだが、まあ良い。今回の頼み事とは別のことだ」
「話を聞きましょう」
「その様子ではレイカの手伝いではなさそうですね」
「いや、全力でバックアップをする」
ティーカップを置くと、ロイズはリトアに一枚の手紙を渡した。それを読んだリトアは難しい顔をしたが、台所に行って紙を焼いた。


                             続く
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