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最終章
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やっと長年の恨みを晴らせる時なんだ。
誰にも邪魔されてたまるか……!!
もしここでまたあいつを生きて返したりしたら……
あいつは再び、色んな人間の人生を壊して楽しみながら生きるだろう。
俺だけでなく……
愛莉や菜摘のように……
間接的に殺されるやつも出てくる。
そして………
俺から全てを奪い、全てを潰した………
あいつがこの世の中に存在していいはずがない……
炎に飛び込む俺を、後ろで制する声がする。
身体を包む煙と炎は、まるで俺のあいつに対する気持ちに似ている。
それは焦げるような熱さと、胸を塞がれるような苦しみ。
目も開けられないほどの痛み。
そして憎しみに悶えるあまり、段々と思考が閉ざされる感覚。
俺は、火の中で醍醐を思い、全身でそいつへの気持ちを感じていた。
それはまるで、真っ赤な火の真ん中で踊り狂う人間の姿。
気がついたら口元には笑みを浮かべていた。
だけどそんな俺の表情など判別もつかないくらいに、俺は焦がれた破片となってしまうのだろう……
(醍醐を………呪い殺すしかないな…)
朦朧とする意識と途絶えそうな感覚の中、俺は辛うじて、最期にそう決心した。
誰にも邪魔されてたまるか……!!
もしここでまたあいつを生きて返したりしたら……
あいつは再び、色んな人間の人生を壊して楽しみながら生きるだろう。
俺だけでなく……
愛莉や菜摘のように……
間接的に殺されるやつも出てくる。
そして………
俺から全てを奪い、全てを潰した………
あいつがこの世の中に存在していいはずがない……
炎に飛び込む俺を、後ろで制する声がする。
身体を包む煙と炎は、まるで俺のあいつに対する気持ちに似ている。
それは焦げるような熱さと、胸を塞がれるような苦しみ。
目も開けられないほどの痛み。
そして憎しみに悶えるあまり、段々と思考が閉ざされる感覚。
俺は、火の中で醍醐を思い、全身でそいつへの気持ちを感じていた。
それはまるで、真っ赤な火の真ん中で踊り狂う人間の姿。
気がついたら口元には笑みを浮かべていた。
だけどそんな俺の表情など判別もつかないくらいに、俺は焦がれた破片となってしまうのだろう……
(醍醐を………呪い殺すしかないな…)
朦朧とする意識と途絶えそうな感覚の中、俺は辛うじて、最期にそう決心した。
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