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最終章
8-2
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「醍醐……俺がお前に嵌められてからの数年間…どんな生活をしてきたか分かるか……?」
俺は話しながら、座る醍醐の周りに大量の灯油を撒く。
醍醐はそれを見て、目を見開きながら何か必死に訴えている。
「職を失い信頼してくれていた部下を失い…社会的な地位を失い、そして実刑判決を受けた。そもそもの話……お前に菜摘と愛莉も奪われてたんだなあ……」
灯油の量が段々と増えていく。
「その間お前は…普通に大学受験をして楽しいキャンパスライフを送り…大手企業に就職して結婚もした。その間も恐らく…多くの人を狂わせ、傷つけてきたのだろう」
俺はポケットから出したライターを右手に持ち、醍醐の顔の前へ持って行く。
「そんなお前は……生きていてはいけない。ましてや幸せに生きるなんて……許されてたまるものか!!」
俺の語気が強まるのと同時に、醍醐の目に溢れる涙の量も増えた。
そして俺の手元に小さく揺れる炎を見て、塞がれた口から大きなうめき声を出す。
「残念だったな醍醐……お前が今まで弄んできた奴らの執念だ。俺がここで代表して……それを消化してやろう」
ライターを持つ手に力が入る。
震える気持ちと声を手に込めて、俺は醍醐の前にライターを手放した。
俺は話しながら、座る醍醐の周りに大量の灯油を撒く。
醍醐はそれを見て、目を見開きながら何か必死に訴えている。
「職を失い信頼してくれていた部下を失い…社会的な地位を失い、そして実刑判決を受けた。そもそもの話……お前に菜摘と愛莉も奪われてたんだなあ……」
灯油の量が段々と増えていく。
「その間お前は…普通に大学受験をして楽しいキャンパスライフを送り…大手企業に就職して結婚もした。その間も恐らく…多くの人を狂わせ、傷つけてきたのだろう」
俺はポケットから出したライターを右手に持ち、醍醐の顔の前へ持って行く。
「そんなお前は……生きていてはいけない。ましてや幸せに生きるなんて……許されてたまるものか!!」
俺の語気が強まるのと同時に、醍醐の目に溢れる涙の量も増えた。
そして俺の手元に小さく揺れる炎を見て、塞がれた口から大きなうめき声を出す。
「残念だったな醍醐……お前が今まで弄んできた奴らの執念だ。俺がここで代表して……それを消化してやろう」
ライターを持つ手に力が入る。
震える気持ちと声を手に込めて、俺は醍醐の前にライターを手放した。
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