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最終章

7-2

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体がぶつかり合う音が響く。

都会の喧騒から少し浮いたこの場所は、まるでこいつらと俺しか存在しないかのように静かだ。



「……おい……おい!!」

若い男が失神でもしたのだろうか。

壁に手を付きながら腰を後ろに突き出す態勢が崩れ、その場にヘナヘナと座り込んだ。


「おい隼……返事しろよ…!」


焦る年増男の声が響くだけで、座り込んだ男は反応しない。

「っ……もう知らねえからな!」


年増男は吐き捨てるようにそう言い、ズボンのチャックとベルトを閉めて、鞄を持って去って行った。


それでも若い男はそこからしばらく動かず、肩で息をしながらはだけたワイシャツとくるぶしまで下ろされたズボンをそのままにしていた。


(今がチャンスだな……)


俺は周りを少し確認し、その若い男の方に向かって行った。


この男はきっと、俺に全てを見られていたことも、さっきまで腰を振ってた年増男が去ってしまったことも知らないだろう。


失神しているこの男を、今のうちに……

そしたらもしかしたらこいつは、勘違いして俺を求めるかもしれない…


そう思ってその男の前にしゃがんで顔を近づけた時、その男はバッチリと大きな目を開いてしまった。
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