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最終章
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「渚ちゃん~今度サシで飲みに行こーよー」
さっきから何度もサシ飲みを誘ってくる4年生の先輩がしつこい。
何度彼氏がいると言っても引いてくれないのだ。
「……ちょっとトイレに行ってきます」
私は面倒くさくなって、とりあえずトイレに逃げることにした。
ここのトイレはかなり入り組んだ構造で、途中何度か迷いそうになりながらもなんとかたどり着く。
「あっ……だめだってばこんなとこで……」
女子トイレに入ろうとした途端に聞こえたその声に、私は思わず身を潜める。
「いいだろ?どうせみんな酔ってて覚えてないって」
「そーじゃなくって…ここじゃだめ……」
「我慢できないんだよ隼…お前、可愛すぎ」
「あっ!ほんとにだめだってば…」
どうやらトイレの奥にある物陰で、隼くんはさっきいた男子のうちの1人から既に盛られているようだった。
(あーもー…なんでこんなとこで…せめて場所考えなよね)
トイレに入りづらくなった私は、溜息をついて席へ戻ろうとした。
ほんとに、あの頃私を助けてくれた純粋で無垢な隼くんはどこにいったのやら…
相変わらず優しいのは間違いないけど、今の隼くんはまるで男を誘う妖美な悪魔だ。
でも確かに…
あんなに綺麗な目をトロンとさせて、ふっくらとした柔らかそうな唇を半開きにして、照れてるように顔を赤らめている隼くんは……
老若男女誰もが変な気を起こしてしまうのも分からなくはない。
そんなことを思っていたとき……
「あっ!なぎささーん!」
酔っ払ったままの隼くんに、後ろから呼び止められたのだ。
さっきから何度もサシ飲みを誘ってくる4年生の先輩がしつこい。
何度彼氏がいると言っても引いてくれないのだ。
「……ちょっとトイレに行ってきます」
私は面倒くさくなって、とりあえずトイレに逃げることにした。
ここのトイレはかなり入り組んだ構造で、途中何度か迷いそうになりながらもなんとかたどり着く。
「あっ……だめだってばこんなとこで……」
女子トイレに入ろうとした途端に聞こえたその声に、私は思わず身を潜める。
「いいだろ?どうせみんな酔ってて覚えてないって」
「そーじゃなくって…ここじゃだめ……」
「我慢できないんだよ隼…お前、可愛すぎ」
「あっ!ほんとにだめだってば…」
どうやらトイレの奥にある物陰で、隼くんはさっきいた男子のうちの1人から既に盛られているようだった。
(あーもー…なんでこんなとこで…せめて場所考えなよね)
トイレに入りづらくなった私は、溜息をついて席へ戻ろうとした。
ほんとに、あの頃私を助けてくれた純粋で無垢な隼くんはどこにいったのやら…
相変わらず優しいのは間違いないけど、今の隼くんはまるで男を誘う妖美な悪魔だ。
でも確かに…
あんなに綺麗な目をトロンとさせて、ふっくらとした柔らかそうな唇を半開きにして、照れてるように顔を赤らめている隼くんは……
老若男女誰もが変な気を起こしてしまうのも分からなくはない。
そんなことを思っていたとき……
「あっ!なぎささーん!」
酔っ払ったままの隼くんに、後ろから呼び止められたのだ。
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