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最終章

4-1

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「ゲッ………マジで…!?!?……」


私は大学生になった。

私の通ってた高校は偏差値がせいぜい50くらいで、その学校出身者がまさか、日本最難関の大学に合格するとは誰も思ってはいなかった。

けど、思い切って人生で初めて本気で勉強したら、私は奇跡的にここに入ることができたのだった。


だけど……



レポートの添削をお願いしに行こうと、ドアの前まできたゼミ室から聞こえてくるある声に、私は思わず冒頭のような反応をしたのだ。

私はすぐに背を向け引き返した。

(あーあ。これで見ちゃったの何回目だろう)


なんと私は、大学で隼くんに再会したのだ。

3年生になった私たちは本格的に学部を選ぶのだが、その学部が隼くんと全く同じだった。

だけど、大学で会った隼くんは……


(前は他の教授としてたし…よくあんなオッサンとできるよね…)

しょっちゅう男の人を誘惑しては、大学の至るところでそういうことをしている。


まあ、隼くんが入学早々話題になるくらいイケメンで可愛いというのは私にも分かる。

男女や学年問わず大人気なのもわかる。

だけど……








「隼、飲みすぎたか?」

「んー、だいじょーぶ」

「大丈夫じゃねえだろそれw仕方ねえなまた俺が家まで連れてってやるよ」

「待てよお前この間も隼と帰っただろ?次は俺がいい」



学部ごとの飲み会の度に、隼くんは男子の誰かしらに持ち帰られている。

隼くんはお酒がかなり弱くてすぐに酔っちゃうのだが、酔ったときの様子がとにかくフワフワしてて可愛いから、見てる人をついその気にさせるようだ。

今日もこぞって男子たちが隼くんお持ち帰り選手権を競っている。

無駄にお酒に強い私は、もし隼くんが女子だったらもっと大変だっただろうなと思いながら何となく飲んでいた。
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