上 下
164 / 213
冤罪少年の話

9

しおりを挟む
「でもさー…小学生の頃と中身は変わってなくても、結局は昔イジメられてたんだろ?それって中学デビューしたとかそういう感じ?」

隼先輩の過去を知らなかった1人がそう言った。

「そーじゃね?まあ、あの頃から顔はカッコイイというか可愛かったけどさ」

「けど、なんかモサモサしてたよな。陰キャ感あったっつーか。」

「それ!今でこそ学校一のイケメンで陽キャみたいになってっけどねw」

「みんなに昔の隼先輩バラしてーわww今しか知らない女たちとかもみんな散るんじゃね?w」

「いいねそれww多少は惨めな思いもした方がいいと思うww」


再び下品に笑い合うそいつらから聞こえる声には、隼先輩への明らかな妬みが含まれていた。


隼先輩の変わらぬ凄さと、それを見て妬んでしまう自分たちの醜さを、まるで自覚しながらも必死に隠しているようだった。



俺はそれを分かっていたから、三人が可哀想だとすら思っていた。

だから部室で更に文句を言われたときに、俺は隼先輩含む3年生の先輩方の話を敢えてしたのだ。

お前らが妬んだり余計なことをしなくても、充分先輩方も傷つき悩み、苦しんできてるんだ…

そんなことを伝えようとしていたのだ。




だけど……


「愛莉さんは、隼先輩が好きすぎたからこそ…あいつらの話をそのまま受け取ってしまったんでしょうね」


あの話を聞いていた愛莉さんは、あいつらのことは何も知らない。

だから、俺のようにただ妬んでるだけだろうなと思って流すことができなかったのだ。

元々ストーカーするくらいに盲目的に隼先輩を愛していた人だ。

隼先輩を少しでも傷つける者は徹底して許すことができなかったのだろう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

イケメンにフラれた部下の女の子を堪能する上司の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

【R18】今夜、私は義父に抱かれる

umi
恋愛
封じられた初恋が、時を経て三人の男女の運命を狂わせる。メリバ好きさんにおくる、禁断のエロスファンタジー。 一章 初夜:幸せな若妻に迫る義父の魔手。夫が留守のある夜、とうとう義父が牙を剥き──。悲劇の始まりの、ある夜のお話。 二章 接吻:悪夢の一夜が明け、義父は嫁を手元に囲った。が、事の最中に戻ったかに思われた娘の幼少時代の記憶は、夜が明けるとまた元通りに封じられていた。若妻の心が夫に戻ってしまったことを知って絶望した義父は、再び力づくで娘を手に入れようと──。 【共通】 *中世欧州風ファンタジー。 *立派なお屋敷に使用人が何人もいるようなおうちです。旦那様、奥様、若旦那様、若奥様、みたいな。国、服装、髪や目の色などは、お好きな設定で読んでください。 *女性向け。女の子至上主義の切ないエロスを目指してます。 *一章、二章とも、途中で無理矢理→溺愛→に豹変します。二章はその後闇落ち展開。思ってたのとちがう(スン)…な場合はそっ閉じでスルーいただけると幸いです。 *ムーンライトノベルズ様にも旧バージョンで投稿しています。 ※同タイトルの過去作『今夜、私は義父に抱かれる』を改編しました。2021/12/25

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

托卵子が育ての父親に求められて受け入れちゃうみたいなやつ

かめのこたろう
現代文学
今流行りのアレです

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

処理中です...