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冤罪少年の話

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「そっか……それで麻友さんと話してるときに…愛莉さんがその三人を……?」


黙って俺の話を聞いていた隼先輩が、麻友から聞いたのであろう話と俺の話を繋げてきた。


「はい。……流石にあの30分程度の時間に、あんなことが起こってるとは思いせんでした…」


そもそもあの日、部室棟に俺ら4人以外の誰かがいたということすら気づかなかったのだ。

まさかあの会話を全て聞かれていたとも、思うわけがなかった。


「きっと……ストーカー……愛莉さんは、俺が馬鹿にされたことよりも、隼先輩に関してのあいつらの発言を許せなかったんだと思います」


隼先輩がえ、と驚いた声を出した。

麻友はあの会話を盗み聞きしてた訳ではないから、隼先輩に全てを伝えられていないのは当然だ。



「あいつらのうちの二人……小学生の頃、隼先輩を傷つけたって言ってたんですよ」


俺が部室に入れずにドアの前で突っ立ってた時。

話題が先輩方への嫉妬と悪口に向かったとき、俺はすでに頭の中がグチャグチャしていた。

だけど何故か、隼先輩の話だけはしっかりと耳に入ってきたのを覚えている。
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