146 / 213
元いじめっ子の話
8
しおりを挟む
「なあ渚。あいつキモくね?」
その男子は私の隣を歩きながら、隼くんのことをそう言った。
「う、うん、そうだね」
私はその子が怖くて同意することしかできなかった。
「……さっきもさあ、あんなとこ言っていい子ぶってたけど、あいつ実はめちゃくちゃ変態なんだぜ?」
声を潜めて顔を近づけ、その男子は話す。
「あいつ、実はわざと女子と二人きりになって変態なことをしまくるんだ。」
普段の隼くんからは想像もつかない話だったが、その男子の言い方や話の内容が妙にリアルだった。
「さっきだってしつこかっただろ?ああやってしつこくして、女子が仕方ないなあって思ってついつい二人になった途端……襲われるんだぜ」
私はさっきまでの隼くんとのやりとりを思い出して、今の話にゾッとした。
「ちゃんと断ってよかったなお前。じゃないと…お前もあいつに汚されてたよ?」
私の顔をのぞき込んでその男子が言う。
「そういうやつだから俺らはあいつをいじめてるんだぜ。……ただムカつくからとかそういう理由じゃない。女子たちが被害に遭うのを止めるためなんだよ」
真剣な顔でそう言う彼の話を、私は信じるしかなかった。
だって、ずっと不思議だったから。
あんなに優しくて明るくて、転校してからずっと人気者だった隼くんが、どうしてイジメられるようになったのか。
それはずっと、元々みんなでいじめてた子が引っ越したからだと思ってた。
でも……
「イジメられてるのには、理由があったんだね…」
気づいたら私はそう呟いていた。
それを聞いて、隣の男子はニヤリと笑ってそうだよと言った。
私は妙に寒気のする恐怖を感じながら、家までの道を歩いていた。
その男子は私の隣を歩きながら、隼くんのことをそう言った。
「う、うん、そうだね」
私はその子が怖くて同意することしかできなかった。
「……さっきもさあ、あんなとこ言っていい子ぶってたけど、あいつ実はめちゃくちゃ変態なんだぜ?」
声を潜めて顔を近づけ、その男子は話す。
「あいつ、実はわざと女子と二人きりになって変態なことをしまくるんだ。」
普段の隼くんからは想像もつかない話だったが、その男子の言い方や話の内容が妙にリアルだった。
「さっきだってしつこかっただろ?ああやってしつこくして、女子が仕方ないなあって思ってついつい二人になった途端……襲われるんだぜ」
私はさっきまでの隼くんとのやりとりを思い出して、今の話にゾッとした。
「ちゃんと断ってよかったなお前。じゃないと…お前もあいつに汚されてたよ?」
私の顔をのぞき込んでその男子が言う。
「そういうやつだから俺らはあいつをいじめてるんだぜ。……ただムカつくからとかそういう理由じゃない。女子たちが被害に遭うのを止めるためなんだよ」
真剣な顔でそう言う彼の話を、私は信じるしかなかった。
だって、ずっと不思議だったから。
あんなに優しくて明るくて、転校してからずっと人気者だった隼くんが、どうしてイジメられるようになったのか。
それはずっと、元々みんなでいじめてた子が引っ越したからだと思ってた。
でも……
「イジメられてるのには、理由があったんだね…」
気づいたら私はそう呟いていた。
それを聞いて、隣の男子はニヤリと笑ってそうだよと言った。
私は妙に寒気のする恐怖を感じながら、家までの道を歩いていた。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
【R18】今夜、私は義父に抱かれる
umi
恋愛
封じられた初恋が、時を経て三人の男女の運命を狂わせる。メリバ好きさんにおくる、禁断のエロスファンタジー。
一章 初夜:幸せな若妻に迫る義父の魔手。夫が留守のある夜、とうとう義父が牙を剥き──。悲劇の始まりの、ある夜のお話。
二章 接吻:悪夢の一夜が明け、義父は嫁を手元に囲った。が、事の最中に戻ったかに思われた娘の幼少時代の記憶は、夜が明けるとまた元通りに封じられていた。若妻の心が夫に戻ってしまったことを知って絶望した義父は、再び力づくで娘を手に入れようと──。
【共通】
*中世欧州風ファンタジー。
*立派なお屋敷に使用人が何人もいるようなおうちです。旦那様、奥様、若旦那様、若奥様、みたいな。国、服装、髪や目の色などは、お好きな設定で読んでください。
*女性向け。女の子至上主義の切ないエロスを目指してます。
*一章、二章とも、途中で無理矢理→溺愛→に豹変します。二章はその後闇落ち展開。思ってたのとちがう(スン)…な場合はそっ閉じでスルーいただけると幸いです。
*ムーンライトノベルズ様にも旧バージョンで投稿しています。
※同タイトルの過去作『今夜、私は義父に抱かれる』を改編しました。2021/12/25
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる