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8人目:ビッチ姉妹の話

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『20XX年 7月1日
今日から7月に入る。
 
梅雨まっただ中の空気と湿った空が、何もする気を起こさせない。
 
だけど私はそろそろ、仕事に復帰することを考えなければいけなくなっていた。
 
……というのも実は、私との不貞が原因で、義兄夫婦が離婚することになったからだ。
 
その夫婦の妻である私の姉は、私と義兄に慰謝料を請求した。
 
私は1年以上求職しているため、日々の生活も贅沢はできなかったけれど、それに慰謝料の支払いが追加されるとなると、ますます貯金だけでの生活じゃ厳しくなってくる。
 
もちろん自業自得なのだけれど、最近では生活の危機に陥る前に、仕事に戻らなければいけないということが常に頭の中にある状態だ。
 
そして、私の復職と同時に考えなければならないのは……
 
隼くんとのことである。
 
もし再び中学校の教員に戻ったならば、私は今以上に公務員として、教育者としての倫理やモラルが求められる立場に立つ。
 
そんな人が、14歳も歳の離れた小学生と交際しているなんてことが世間に知れたら……
 
想像しただけでもヒヤリとする。
 
でも、
 
私のわがままだけど…
 
やっぱり隼くんのことは手放したくない。
 
隼くんは、私と義兄が浮気していることを知ってもなお、私を見捨てないでいてくれた。
 
私が不安な気持ちから浮気に走ったなんていう言い訳をしても、それじゃあ僕が不安にさせないように頑張るからと言ってくれた。
 
そんな人を、手放すなんて無理…
 
一生一緒にいたい。
 
だから私はこの問題を、隼くんと一緒に考える必要があると思った。』
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