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7人目:とある刑事の話

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「醍醐……お前……やりやがったな」

醍醐を送ろうと玄関まで出てきた。

醍醐が扉を開けた瞬間、俺の目に飛び込んできたのは、扉の前にいた大柄の男。


そいつのスーツには、ひまわりのバッジが付いている。



「これ、お願いします」



呆然とする俺に背を向けて醍醐がその男に渡したのは、小さなボイスレコーダーだった。


「醍醐……お前っ!!」


俺は一瞬にして全てを悟った。


こいつは……


醍醐隼は、既に弁護士を雇い、今日醍醐が俺の家に来るという話をしていたのだった。

そして恐らく弁護士の指示だろう。

俺との会話を、全てを録音していた……



「ご苦労様、隼くん。」

短くそう言った弁護士の男は、高い目線から俺を見下した。


「刑事の端くれのあなたが、余りにも無防備すぎましたね」


無表情なその男の口からは、俺に降り注ぐ冷たい言葉。


「隼くんは、きちんと弁護士を雇ってあの件について対処するとあなたにわざわざ宣言していたのですよ?……それなのにあなたと来たら……自宅に隼くんを呼び出し、ノコノコと着いてきた隼くんに何の疑問も抱かずペラペラと致命的な発言を繰り返す……これではどちらが大人なのか、分かりませんね」



弁護士の煽るような言葉を聞いている間、俺は頭が働いていなかった。

俺は、嵌められたのだ……

こいつらに………



弁護士が醍醐から受け取ったボイスレコーダーを早送りをする。


俺があの殺人事件の犯人は愛莉であることを知っているような発言、

わざと藤井海吏に罪を着せた発言、

そして、醍醐を俺の思うがままにした音声……


全てが隈無く録音されていた。

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