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7人目:とある刑事の話

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俺はそこから何度も言葉で醍醐を責め、追い詰めた。


醍醐は俺による追窮を受ける度に、苦しそうに涙を流し、喘ぎ、そして目を閉じる。



自分が今までしてきたことの重さを、少しでも分かってさえもらえれば、もう二度と例の殺人事件に関して口を出さなくなるだろう…

そして……





「なあ醍醐、お前が関わる事件が起きて、お前のことを調べる度に……ずっと疑問に思ってたんだよ。………お前の魅力って、何なんだろうとな」



そう言いながら、俺は醍醐の両手を縛り、服を脱がせていた。


俺が精神的に追い詰めたからか、醍醐の体は俺のされるがままだった。


「なあ醍醐……まさか俺と菜摘が…こういう意味でも義理の兄妹になるとは思わなかったなあ」


俺は自分も服を脱ぎ捨て、醍醐を縁取るようになぞる。


耳元で囁いたら、醍醐が少しずつ意識をはっきり取り戻したかのように俺を睨む。


そしたその時にやっと、俺に手を縛られていることに気がついたようで、手をバタつかせながら抵抗している。


「醍醐……お前は今までも、こうやって汚い大人たちに反抗するフリをしてきたのか…?」


次第に正気に戻っていく醍醐は、大きく目を見開いて俺を見ている。


「え…フリ……?」

「ああ、そうだよ。……お前、本当は犯されるのがそこまで嫌じゃないんだろう?」


驚きながら首を横に振り否定する醍醐に、俺は断言する。


強姦の被害者や痴漢被害者の中には、敢えて自らその状況を作り出す者や、ターゲットにされることに快感を覚える者もいる。

誰かに必要とされたい、求められたい…

その気持ちが強い奴ほど、こういった行為でその欲を満たしてしまう傾向にある。


もしかしたらこいつも、そうなのかもしれない……


そうでなければ、こんなに何人もの大人に襲われるわけがない。


そんなことを考えつつ、俺は醍醐の体を弄ぶ。

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