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隠し事JKの話

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私が隼くんに隠していること。

それは、私が隼くんたちと交わらなければ二度と誰にも言うつもりのなかったこと。




そしてそれは、伝えるタイミングを間違えば大変なことになる。

だから今は伝えるタイミングを見計らっているのだった。



そのため、初めて隼くんとLI○Eで話した日からというもの……



「いきなり電話してごめんね、忙しかった?」


私と隼くんは、結構な頻度で電話で話すようになっていたのだった。


「全然大丈夫だよ!何かあったのー?」



私は隼くんにある事実を伝えるために、できるだけタイミングを作るべく電話で直接話す日を増やした。


電話でタイミングを見て伝えたほうが、LI○Eで伝えるよりもずっとハードルが低いからだ。


だけどいきなり話すのにはまだ勇気が要るから、とりあえず通話に慣れようと思ってここ2週間は結構な頻度で通話していた。





「隼くん、愛莉のことなんだけどさー」


だけどあの日……



愛莉が亡くなる前の日、私は初めて電話で愛莉の話をした。


隼くんが愛莉と距離を置いてから、私たちは敢えてその話をしていなかった。


だけど、私の隠し事を打ち明けるには愛莉の話を経由するのが必須だったからだ。


「愛莉からは最近何もない?」

「うん、特にないよ」


「愛莉のお母さんとも会ってない?」

「整体院変えたから会ってないよー」


「愛莉ってね、隼くんみたいにとにかく優しくて性格のいい人が好きなの。ほら、顔にコンプレックスがあるから、それを気にしないでいてくれる人がいいみたい」





こんなふうに、私は怖じ気付いてしまっていた。

他愛も無い愛莉の話しかできなかった。


なかなか本題にも入れずに……




「ごめん隼くん、明日、ちょっと直接話したいことがあるんだ。」


私は電話の最後で、隼くんにそう言った。

もう逃げられないように明日こそは隠し事を打ち明けたいから。


「わかった。明日は3時ころまで部活があるんだけど…」

「その後でいいよ。私も、明日愛莉たちと会うから。……それでさ、愛莉の家に行ってくれない?」

「えっ!?」


私の突然の指示に、隼くんは驚いた声を出した。


「愛莉に関わることで、できれば愛莉と愛莉のお母さんに聞いてもらいたいことなんだ。だから、明日一緒に愛莉の家に行こう。私から愛莉には伝えておくから」


私の真剣な声が伝わったのか、隼くんは色々突っ込みたさそうにしつつも了承してくれた。


どんな話をするのか、何度か聞かれたけど全て「明日話す」と言って何も教えなかった。






私は本当に愛莉の家で会って直接みんなに話そうとしていた。



それなのに、私が愛莉の家に着く前に………愛莉はこの世からいなくなっていたのだった。
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