その男、人の人生を狂わせるので注意が必要

6人目:イマドキJKの話

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母と男の人のああいう光景………






見るのは初めてじゃない。








だけど……









「愛莉さんっ！！」








家から出て400mほど走った時、後ろから服を着た隼くんが走って追いかけてきた。





「……隼くん……」




「愛莉さん！ごめん、ちゃんと話すから聞いてほしいんだ」



隼くんは私の手を掴み、必死の顔で訴えてくる。





「隼くん、お母さんと……繋がったの？」






私が見たのは、隼くんの上に母が覆い被さっているところだけ。

実際に繋がったかどうかまでは、知らない。




聞いてみたものの、否定してほしいと思った。


だけど……






「うん………」








小さく頷く隼くんの声に、私の頭は真っ白になる。



「そっ……か………」






私は隼くんの返事を聞いて、また隼くんから逃げようとした。


だけど体が思うように動かない。




「っっ！」


「愛莉さん！？」




気がついたら、私は路上に吐いていた。




隼くんが慌てたように私の背中を擦る。



「愛莉さん！どうしたの？大丈夫？」




だけど私の背中を擦るその手は、さっきまで母に触れていたもの……





私は再び吐き出した。



隼くんは、私が吐いてる理由を察したように、私の背中から手を離し、少し距離を取った。


だけど、私が吐いてる一番の原因は……









「隼くん………ごめんなさい……」








私は、それしか言えなかった。







最後に見えたのは、隼くんの驚いたような真っ黒な瞳。







そこに映る自分の姿を確認したのが、私にとって最後の姿見。















私はそのまま、道路を走っているトラックの目の前に飛び出した。