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6人目:イマドキJKの話

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「よし!これでとりあえずまた話のきっかけになったね!」

「麻友ナイス~」

「ちょっ……もー!いきなり送って変だと思われないかな!?」

「大丈夫大丈夫!応援してるだけだし、相手もスタンプだけで反応できる内容じゃん?」

「そーだけど…これでもし返信来なかったらフツーに病む」

「それはないでしょ!隼くんそんな人じゃないんでしょ?」



私自身、さすがに返信は来るだろうと思いながらそんなことを言っていた。


だけど……








「隼くんから返信こない……」


あれから3週間。すでに夏休みに入った私たちは、またいつものス○バで集まって話していた。


「え?インハイ頑張れの後からってこと?」

「うん…」

私の言葉に渚が驚いた声を出す。

「まさか…ブロられたりしてる?」

「いや、確認はしたけどそれはされてなかった…」

「ええなんだろ。ナゾだね」


私が開いた隼くんとのトーク画面をみんなで眺める。

そこには、7月下旬に私が送ったメッセージが未読のままある。



「隼くん、私とは会話してるよ?」


一緒に画面をのぞき込んでいた麻友が、私に向かって言う。


「え……?」

「見る?ほら。昨日も話してる」


麻友が見せてくれたのは、隼くんと麻友のLI○Eのトーク画面。

昨日、2時間近い通話したことが履歴として残っている。


「え、てか麻友あんたいつの間に隼くんと話してんの?」

「実はこの間瑠千亜くんから聞いたんだよねー。ちょっと隼くんと話したいことがあったからさ」



渚の疑問に、麻友がサラッと答える。

すべてが初耳で、私は脳内での処理が追いついていない。


「昨日のは2時間も何話してたのよ」

「んー?まあ、色々とね」

「私の話、なんかしてた!?」


渚と麻友のやりとりに、つい口を挟んでしまった。


私の連絡を無視しておきながら、麻友と2時間も話している…

その事実を私はどう受け取っていいのか分からなかった。
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