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6人目:イマドキJKの話

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「はぁー、高身長黒髪マッシュの色白イケメンいないかなあー………」



親友のなぎさが突然、溜息をつきながら呟く。


「渚は理想が高すぎるんだって。そんな人、この辺にいるわけ無くない?」

「いやここ東京だよ??ここにいなきゃどこにいるの!」

「いたとしても渚は芸能人レベルじゃないとときめかないじゃん…とにかく私達みたいな普通の高校生には頑張っても普通の彼氏しかできないんだってば」


私の言葉に、再び渚の大きなため息が聞こえる。



私は山内愛莉やまうち あいり
16歳の高校2年生。

ごく普通のレベルの学校のバドミントン部に所属していて、バイトも週に2回入れてる。
正直、ありきたりだけど毎日がめちゃくちゃ楽しい。


渚という幼馴染もいるし、今日は来てないけどもう1人、麻友まゆという友達もいて、三人で毎日のように過ごしている。


だけど……


「麻友は今日も彼氏とデートだもんねー。はぁーうらやま。」


私たち三人の中で彼氏がいるのは麻友だけで、私と渚にはしばらくいない。

私は別に今すぐに欲しいというわけではないのに対して、渚は常に彼氏が欲しいタイプだ。


彼氏がいないそんな私達は、基本的に土日は二人で遊んで過ごしている。

今日もある駅のス○バで新作を飲みながらグダグダ話していた。


「ほら見てよ愛莉。麻友たちまたストーリー載せてる」

「ほんとだ。…あ、ここのカフェ前に誰かも行ってなかったっけ?」

「さあ?何故かうちらの高校のカップルみんなここ行くよねw」

「確かにwいいな、普通に雰囲気とか良さげだしこのパフェ美味しそう」

「もーー……愛莉はほんとお気楽だね。純粋にカフェを楽しもうとしてるし」


そう言って渚はまた、自分に彼氏がいないことを嘆く。


「てか渚さ、前に告られた人いたじゃん?あれなんで駄目だったんだっけ?」

「え、言わなかったっけ?申し訳ないけどフツーに顔面が無理。」

「あー……ね……」

「え、だって無理じゃない!?いくら性格良くても顔面好みじゃないとキツイって」

「まあそれはそーだね」

「でしょ??せめて高身長か細身じゃないと無理よ」


渚はぱっちり二重で鼻筋も通っていて、超小顔で髪質も肌の質も最高。

正直羨ましいくらい外見が整っている。

だからなのか、渚はモテるのに基本顔で選んでるからなかなか彼氏ができにくい。


一方で私は……


「愛莉もせっかくかわいいのに。今のボブの長さ超似合ってるよ?もっと自信持って男と話せばいいのにさー」

「だって三人でいても、男子はみんな渚か麻友とばっか喋ろうとするんだもん。」

「それはあんたが大人しくなるからでしょー?てか、愛莉の好みってどんな顔なの?」

「好みの顔かぁ……」


渚に突然問われて少し考えてみる。

だけど私は、基本的にイケメンだと思うストライクゾーンが広めだ。

そもそも、あんまり自分から男子と話したりはできない……

渚のアクティブさが、少し羨ましいくらいだ。


「生理的に無理じゃなきゃ、基本はいけると思う。」

「いけるって言い方w」

「いや、普通に付き合えるって意味だからね?」


そんな冗談を飛ばし合いながら、私と渚は今日もこのまま2人で寂しく女子会して帰るのだと思っていた。



そう、あの瞬間までは…
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