上 下
62 / 213
5人目:平凡後輩の話

15

しおりを挟む
※若干グロ系の表現が入ります。苦手な方はご注意下さい。










「……やめろ……海吏……何する気……?」


カッターを突き付けられた隼先輩は恐怖の余り、声が震えていた。


「安心してください。傷つけちゃったらキレイなまま俺のものにならないんで。」


俺はそう言いながら、隼先輩の手首にカッターを移す。


シュッ!と鋭利な音が響き、隼先輩の血が一瞬にして滲む。

「あああっっっ!!!」

カッターで手首を一周して傷つけられた隼先輩は、痛みに悶ている。


「やめ……やめろ……お願いだから…ああっ!!」

必死で抵抗する隼先輩の反対の手首も同じように切る。


「この手があれば、俺は隼先輩みたくテニスが上手くなれますよね」


カッターで一周した程度の傷では、まだまだ手を剃り落とすことはできない。

後でちゃんと切りやすいように、俺は両手首の傷をなぞってもう一周する。


「あっ……ああああ!!!」

悶苦しむ先輩を横目に、足首にも同じことをする。


「やめ……ほんとにやめろ……なんでこんなこと………」


痛めつけられる度に泣き叫び、やめてくれと懇願する隼先輩は、もう恐怖でガタガタ震えていた。


「先輩……俺、この先輩のサラサラの髪…すごく好きなんです」


そう言って俺は顔を隼先輩に近づけ、カッターで髪をデタラメに切る。


「髪は痛覚がないからよかったですね。こんなにたくさん切られてて、もし痛みを感じていたら大変でしたよ」


隼先輩のなめらかな髪の毛が、少しずつ床に落ちる。


「あと、このキレイな耳……これもほしいです」


カッターを髪から耳に移す。


「っっああっっっ!!!!」


耳の付け根を掘るように何度も傷つける。

隼先輩の叫び声と同時に、血が飛び散っていく。


「あと、この鼻と唇も下さい」


さっき舐めた俺が好きな隼先輩のパーツを、順番にカッターで切りつける。


「ああああああっっっ!!!」


唇を縁取るように切っているとき、痛みのあまり隼先輩は足をバタつかせて身をよじらせる。


「あ、ちょっとあんまり動かないで下さいよ……口の中まで切れちゃいますよ…?」


そうは言いつつも、顔はできるだけきれいなまま手に入れたかった。

だから俺はそのままカッターを目へと移す。


「このキレイな睫毛……全部俺に下さいね」


俺はそう言って、隼先輩のまつげを切り取るべく目元にカッターを近づける。


「やめろっっ………目に刺さったら……!」

「大丈夫ですよ。そんな綺麗な瞳、傷つけるわけないじゃないですか」


俺のその言葉に安堵したのか、隼先輩は何も言わなくなった。


すでに隼先輩の顔は血だらけだ。


感覚が麻痺したのか、肌を傷つけられないと分かると隼先輩は安心するようだった。


ビクビクしながらも俺が睫毛を切り落としていく間、黙っている。

恐怖と不安で呼吸が不安定になっている。


その震える息遣いは、まるで何かに興奮しているかのようだった。


俺は隼先輩に触れてるときからずっと興奮状態だ。


二人の荒い呼吸が広い部室で響き、重なり合う。



「……隼先輩。俺、隼先輩のパーツだけ手に入れても仕方ないですよね。先輩の遺伝子がほしいです。」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

黄昏は悲しき堕天使達のシュプール

Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・  黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に  儚くも露と消えていく』 ある朝、 目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。 小学校六年生に戻った俺を取り巻く 懐かしい顔ぶれ。 優しい先生。 いじめっ子のグループ。 クラスで一番美しい少女。 そして。 密かに想い続けていた初恋の少女。 この世界は嘘と欺瞞に満ちている。 愛を語るには幼過ぎる少女達と 愛を語るには汚れ過ぎた大人。 少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、 大人は平然と他人を騙す。 ある時、 俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。 そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。 夕日に少女の涙が落ちる時、 俺は彼女達の笑顔と 失われた真実を 取り戻すことができるのだろうか。

女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』

コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ” (全20話)の続編。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211 男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は? そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。 格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。

善意一〇〇%の金髪ギャル~彼女を交通事故から救ったら感謝とか同情とか罪悪感を抱えられ俺にかまってくるようになりました~

みずがめ
青春
高校入学前、俺は車に撥ねられそうになっている女性を助けた。そこまではよかったけど、代わりに俺が交通事故に遭ってしまい入院するはめになった。 入学式当日。未だに入院中の俺は高校生活のスタートダッシュに失敗したと落ち込む。 そこへ現れたのは縁もゆかりもないと思っていた金髪ギャルであった。しかし彼女こそ俺が事故から助けた少女だったのだ。 「助けてくれた、お礼……したいし」 苦手な金髪ギャルだろうが、恥じらう乙女の前に健全な男子が逆らえるわけがなかった。 こうして始まった俺と金髪ギャルの関係は、なんやかんやあって(本編にて)ハッピーエンドへと向かっていくのであった。 表紙絵は、あっきコタロウさんのフリーイラストです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

聖也と千尋の深い事情

フロイライン
BL
中学二年の奥田聖也と一条千尋はクラス替えで同じ組になる。 取り柄もなく凡庸な聖也と、イケメンで勉強もスポーツも出来て女子にモテモテの千尋という、まさに対照的な二人だったが、何故か気が合い、あっという間に仲良しになるが…

ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした

黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。 日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。 ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。 人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。 そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。 太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。 青春インターネットラブコメ! ここに開幕! ※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。

処理中です...