その男、人の人生を狂わせるので注意が必要

いちごみるく

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4人目:彼女の話

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「ねえ隼くん。ちゃんと説明して?いきなりこんなことしてどうしたいの?」

「隼に触るな話しかけるな。警察が来るまでは俺を通して話せ」

「なに?邪魔しないで。ね、隼くん。あのさ」
「話すなと言ってるだろう」


私が隼くんに声をかけようとすると、すかさず優くんが邪魔をする。

「隼と距離を取れ。……隼、先生たちの居場所わかるか?そこに行って事情説明しててくれないか。ここにいたら危険だ」

「わかった。優、ありがとね」

「ああ。気をつけろよ」

「ちょっと!何言ってんのよさっきから!」


優くんと隼くんのやり取りも私にとっては意味不明。

謎すぎる展開に私の頭は追いつかず、つい声を荒げてしまった。


「今日は俺らの修学旅行の日だ。……空港で自由行動の時にあんなアナウンスされたら、そりゃあ隼だって先生に呼ばれてるのかと思って案内口に来てしまうか…」

「は?修学旅行?」

「さっき隼がしおりを落としていただろう。あれを見ても気づかなかったのか?…マジで精神崩壊してんのな」


そういえば、さっき隼くんは何かを落としてそれを優くんが拾ってた。

だけどそれを見る余裕なんて、私にあるわけない……


「ていうか、あいつが今日ここに来るのも探ってたんだろ?なのに修学旅行だと思ってないってすごいな。妄想と現実が混ざってるということか」

「ちょっと…さっきから何よ!私を狂人扱いして」

「狂人だろどう考えても」


優くんがずっと言ってることの意味もわからないし、根拠もなく私を貶めているようで無性に腹が立つ。


「優くん、あなた隼くんが好きなんだよね?なのに相手にされなくて…というか、男だから結ばれなくて、それで私に嫉妬してるんでしょ?残念ね!」

「俺があいつを好きなことまで把握してるのか。ストーカーって怖いな」

「ストーカーじゃないわよ!!隼くんの子供がここにいるんだよ?」

「お前の妄想の中でな。そもそも隼はあの日、あんたと性行為なんてしてないぞ」


優くんの言ってることが、本当に分からなかった。

セックスしてない? 私の妄想?そんなわけは…
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