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3人目:爽やか熱血顧問の話

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隼と部室で話した日から3ヶ月。

隼は3年生になり、最後の大会に向けて益々練習が厳しくなった。

この時期になると、部員も顧問もコーチも、皆大会のことで頭が一杯になる。

若干部の空気もピリつくのも毎年のことだ。



俺はあの日以降、隼から何度か相談された。

LI○Nでのメッセージだったり、電話で話したり、直接部活の後に話し合ったり、様々な方法でだ。


俺は隼の話を聞くたびに真剣に答え、一緒に解決方法を考えた。

隼は俺の気持ちを受け取ってくれて、いつも晴れやかな顔で礼を言ってくれた。

すると俺も悪い気はしないので、どんどん隼に相談して欲しいと思うようになった。


まさに今のようなデリケートな時期に、隼からの相談は増えていくのだった。



「ねえ、最近春馬、顔怖いよ?」

金曜日の部活後、同棲中の彼女に顔を覗かれながらそう言われた。

「ごめんごめん。大事な大会が近くてさ。顔に出てた?」

「出てたよー。私と結婚する話も延ばされたし……家にいても最近は全く構ってくれないし……私不安なんだけど」

「それはほんとにごめん。不安にさせないように頑張るから」



俺は結局、彼女との結婚は延期することにした。

理由は様々だ。

だが、彼女を不安にさせていることは重々承知だったし、本当に申し訳ないと思っていた。




「あ、ちょっとごめん。」



俺はスマホに表示された通知を見て、部屋を出る。


「もしもし、隼?大丈夫か?」


俺は隼から連絡が来たら、できるだけすぐ電話をかけることにしている。

元々メッセージのやり取りがマメじゃないというのもあるが、直接声を聞いて話をしたかったのもある。


「ああ、うん、うん。そうかそうか。まあそんなに気にしなくてもいいと思うぞ」


俺は家にいても隼の相談を受けるようにしている。

そのときは廊下に出て話を聞くことにしている。

そうしないと、彼女が不機嫌になるからだ。




「ああ。ならよかった。うん、じゃあまた明日な。ゆっくり休めよ?うん、おやすみー」



隼は俺が彼女と同棲中であることを知らない。

知っていたらきっとこんなに連絡はしてこないだろう。

俺は今日もまた隼の役に立てたということを嬉しく思いながら、彼女のいるリビングに戻った。
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