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「キャーッ!!隼くーん!これすごく楽しいわね!」
二人して恐る恐る入園してから約10分。
僕たちはエントランスを抜けたはいいものの、何をどの順番で回ればいいのかも分からず、真っ先に目に入ったアトラクションに取り敢えず乗った。
そこで菜摘さんは、さっきまでと打って変わって、まるで子供のように楽しそうにはしゃいでいる。
「うん!楽しいね!」
そんな菜摘さんを可愛いと思いながら、僕からも自然と弾んだ声が出る。
それからジェットコースターやコーヒーカップ、ゴーカートなど、遊園地の定番と言われるものに一通り乗り、途中で昼食を挟むことにした。
遊園地の中にあるいくつかのイートインスペースのような場所の中で、最も空いているところで軽食を摂った。
「ちょっとしたお弁当やおにぎりくらい、作って来ようかと思ってたけど…軽く調べたら軽食コーナーもあるっていうから、何も持ってこなかったわ。」
「まだまだ日中の気温も高いし、何よりご飯を半日持ち歩くのは嵩張って大変だからね。それに、僕から誘ったのに菜摘さんに手間をかけさせちゃうし…。」
「あら。そんなこと気にしてくれてたの?やっぱり隼くんは優しいわね。」
「そんなことないよ……。それより菜摘さんが楽しそうで良かった。」
「うん!やっぱり子供の心に戻るって大事なのかもしれないね。大人だからとか人混みだからとか、そういう固定観念捨てたら素直に楽しめるわ。」
本当に子供のような笑顔のまま、菜摘さんはそう言ってストローに口付けドリンクを飲んだ。
実際に子供である僕よりもはしゃいで楽しんでいる菜摘さんが、とても愛おしくて堪らない。
菜摘さんは彼女が言うように、僕といる時は子供心に戻ってくれるときがある。
すると自然と僕もいつもより素直になれるし、菜摘さんに甘えられる気もするのだ。
ふと僕たちの横を通った小さい男女の子供が、僕たちに向かって手を振ってきた。
「フフ。可愛い。」
子供好きな菜摘さんは優しい顔をして子供たちに手を振り返している。
子どもたちを見る菜摘さんの目は、まるで聖母のように暖かい。
僕も子どもたちに向かって軽く手を振り返したが、それを見た菜摘さんが今度は僕の方を向いて笑った。
「ん?どうしたの?」
「いや…なんか、隼くんってやっぱりいい子だなーって思って。」
「ええ?なんで?」
「隼くん自身がすごく大人びてるのはいつものことなんだけどさ、きっと子どもたちに対しても、面倒見がいいんだろうなーと思って。」
「それは菜摘さんこそそうだよ。子どもを見るときの目がすごく優しくて、やっぱり菜摘さんって素敵だなって思ったよ。」
「わ、私は…子どもが好きなだけだもの……」
僕の言葉に明らかに照れたように、菜摘さんは顔を赤らめて言葉を繋いだ。
そんな彼女の様子も可愛くて、僕はまた心の中で1人ニヤけてしまっていた。
二人して恐る恐る入園してから約10分。
僕たちはエントランスを抜けたはいいものの、何をどの順番で回ればいいのかも分からず、真っ先に目に入ったアトラクションに取り敢えず乗った。
そこで菜摘さんは、さっきまでと打って変わって、まるで子供のように楽しそうにはしゃいでいる。
「うん!楽しいね!」
そんな菜摘さんを可愛いと思いながら、僕からも自然と弾んだ声が出る。
それからジェットコースターやコーヒーカップ、ゴーカートなど、遊園地の定番と言われるものに一通り乗り、途中で昼食を挟むことにした。
遊園地の中にあるいくつかのイートインスペースのような場所の中で、最も空いているところで軽食を摂った。
「ちょっとしたお弁当やおにぎりくらい、作って来ようかと思ってたけど…軽く調べたら軽食コーナーもあるっていうから、何も持ってこなかったわ。」
「まだまだ日中の気温も高いし、何よりご飯を半日持ち歩くのは嵩張って大変だからね。それに、僕から誘ったのに菜摘さんに手間をかけさせちゃうし…。」
「あら。そんなこと気にしてくれてたの?やっぱり隼くんは優しいわね。」
「そんなことないよ……。それより菜摘さんが楽しそうで良かった。」
「うん!やっぱり子供の心に戻るって大事なのかもしれないね。大人だからとか人混みだからとか、そういう固定観念捨てたら素直に楽しめるわ。」
本当に子供のような笑顔のまま、菜摘さんはそう言ってストローに口付けドリンクを飲んだ。
実際に子供である僕よりもはしゃいで楽しんでいる菜摘さんが、とても愛おしくて堪らない。
菜摘さんは彼女が言うように、僕といる時は子供心に戻ってくれるときがある。
すると自然と僕もいつもより素直になれるし、菜摘さんに甘えられる気もするのだ。
ふと僕たちの横を通った小さい男女の子供が、僕たちに向かって手を振ってきた。
「フフ。可愛い。」
子供好きな菜摘さんは優しい顔をして子供たちに手を振り返している。
子どもたちを見る菜摘さんの目は、まるで聖母のように暖かい。
僕も子どもたちに向かって軽く手を振り返したが、それを見た菜摘さんが今度は僕の方を向いて笑った。
「ん?どうしたの?」
「いや…なんか、隼くんってやっぱりいい子だなーって思って。」
「ええ?なんで?」
「隼くん自身がすごく大人びてるのはいつものことなんだけどさ、きっと子どもたちに対しても、面倒見がいいんだろうなーと思って。」
「それは菜摘さんこそそうだよ。子どもを見るときの目がすごく優しくて、やっぱり菜摘さんって素敵だなって思ったよ。」
「わ、私は…子どもが好きなだけだもの……」
僕の言葉に明らかに照れたように、菜摘さんは顔を赤らめて言葉を繋いだ。
そんな彼女の様子も可愛くて、僕はまた心の中で1人ニヤけてしまっていた。
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