青春日記~禁断の恋だとしても、忘れられない日常を綴ります~

いちごみるく

文字の大きさ
上 下
88 / 217
12頁

10

しおりを挟む
僕は、自分の知らない菜摘さんと自分の知らない自分を発見してしまったことに驚いていたんだ……。

「……っごめん……」

「どうして隼くんが謝るの?」

「僕が、まだ子供過ぎたから……。初めて見る菜摘さんにびっくりしちゃったんだ…。それと、そんな自分が嫌になった……。」

菜摘さんといて、自分の不甲斐なさや子供らしさに辟易することはこれまで何度もあった。

だけど、今回は普段に輪をかけて自分が嫌になってしまった。

菜摘さんの知る世界を知らなかったこと。

菜摘さんが大人だということを実感することによって、これまでの僕たちの経験値の差を考えてしまい、変な嫉妬心が湧き上がってきたこと。

そして、菜摘さんに触れられるうちに…

今まで自分の中で認めたことのなかったある気持ちが自ずと出てきたこと……。

菜摘さんにこれ以上触れられたらどうなるのだろう。

これ以上見られたらどうなるのだろう。

そして僕もまた、菜摘さんに唇や胸だけでなくて…

全てに触れ、見て、菜摘さんの言うように"つながって"しまったらどうなるのだろう……


そんな好奇心や興奮が、自分に込み上げてきていた。


「そっか………」

今の僕の気持ちを全て洗いざらい話したら、菜摘さんはいつもみたいな優しい顔で僕を見た。

「そうよね、隼くんにとっては全てが初めてだものね……。」

「うん……」

「…じゃあ、私がこういうことをするの自体は嫌じゃなかったって思ってもいい?」

「…うん!嫌じゃなかった。……むしろ……」

「むしろ?」

「……教えてくれるなら…続きが知りたい……」


僕はきっと、何もわからないまま進行するのが怖かっただけ。

初めて見る菜摘さんの様子と初めて認める自分の気持ちが何なのか…

まだ分からないのだけど、それを隠して自己嫌悪に陥りながら事が進むのが、どこか勿体無いような気がして嫌だっただけ。

だけど、意地を張らずに菜摘さんに素直に曝け出せば…そして菜摘さんに教えてもらいながらだったら…
僕はこの気持ちや行為を、むしろ知りたいと思えたのだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立

水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~ 第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。 ◇◇◇◇ 飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。 仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。 退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。 他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。 おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。 

処理中です...