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それから僕たちは人目を忍んで都内に戻り、菜摘さんのアパートへと向かった。

「わぁ……!すごい!」

部屋に入った途端、僕は驚いた。

今までとは違い、菜摘さんの部屋の雰囲気がとてもクリスマスっぽかったから。


「ツリーも一人で頑張って飾ったし…壁や天井からぶら下げる系のものは、画鋲が使えなくて色々工夫したんだよ~」

菜摘さんは事前に用意してくれていたのだろうケーキや料理、飲み物などをテーブルに運びながら、部屋を見渡している僕に言った。

天井につきそうな高さのクリスマスツリーは、街で見たものとは違って薄くピンクがかっていた。

壁や窓には、サンタやトナカイ、スノーマンなどのクリスマスらしいキャラクターの装飾が沢山あって、テーブルの上には綺麗なクリスマスローズも置かれている。


「僕のことを呼んでくれるために頑張ってくれたの?ありがとう!」

こんなに沢山の準備をしてくれたんだと思うと、僕は素直に嬉しかった。

いつも菜摘さんといる空間が、今日だけは特別な気がした。




それから僕たちは2人でご飯を食べ、ケーキを食べて色々と雑談をした。

冬らしい海外の映画を流しながら、2人は人生で最高のクリスマスを過ごした。

2人ともどこか浮足立ってるのは、何となく雰囲気で分かった。

それはきっと、クリスマスの魔法みたいなものだと思った。
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