青春日記～禁断の恋だとしても、忘れられない日常を綴ります～

11頁

13

「もー……隼くん。あんなの反則だよ……。」


村上くんを見送ったあと、菜摘さんは僕の方を見て顔を赤くしながら言ってきた。

「あんなの、って？」

「全部！不意打ちのタメ語告白はずるいから！」

「だってあれは…村上くんに負けたくなかったから…それに、菜摘さんがして欲しいって言ったからだよ？」

「分かってるよ！分かってるけど……」

「ちゃんと菜摘さんの気持ちを捕まえておかないと、いつ誰に奪われちゃうか分からないから…もう安心しきるのは辞めたんだ。だから菜摘さんがしてほしいって言うことは何でもするし、自分の気持ちも常に伝えることにした。」

「………隼くん……ものすごく成長したわね……好き……」

「僕も！大好きだよ菜摘さん。」

「……っっ！」


お互いに素直な気持ちを伝え合うことに慣れてないから、伝えた直後はどうしても赤面して息が止まりそうなくらい恥ずかしくなる。

だけどそんな互いの様子すらも愛おしくて、こんな時間すらもかけがえのないものなのだ。

僕も菜摘さんにタメ口で話すのは正直まだ慣れなくて、所々で敬語が出てしまうこともあるけど、今日のこの気持ちを忘れないでいたいと思った。

こんなに強い気持ちや決意を持たせてくれた村上くんには、本当に感謝している。

残念ながら村上くんはクラスではやっぱり田中くんたちと仲が良くて、僕と親しげに話すということは無かったけど、誰にも僕と菜摘さんの関係を言わないでいてくれていたようなので、そこに関しても本当に感謝しかないし、とても安心した。