青春日記～禁断の恋だとしても、忘れられない日常を綴ります～

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「なんでいつも隼が褒められるんだよ！なんで女の人はみんな隼を気に入るんだよ！なんで………」


取り乱したように泣き叫ぶ村上くんを見て、菜摘さんは驚いていた。

僕も突然の反応に、思わず何も言えないでいた。


「お前なんていつもクラスでぼっちのくせに……。誰にも相手にされなくて嫌われてて、いじめられてるくせに！なんでお前をよく知らない奴等はみんなお前の味方をするんだよ………。お前なんて……お前なんて、しょせんダッサイいじめられっ子の癖によ！！」

「え？村上くん、隼くんのことをいじめてるの？」

「あ、いや…俺じゃなくて……」

「いじめるほうがかっこ悪いよ。ダッサイのはいじめそのもの。私はそう思うんだけど。」


村上くんの心の叫びの中でつい僕へのいじめを認めてしまったのを、菜摘さんは鋭く突っ込んだ。

菜摘さんに突っ込まれた村上くんは、今度は彼が何も言えずにまた黙ってしまった。

「村上くん。私は、村上くんが本当はいい子だと思ってる。だから、人をいじめたりバカにしたりするのは村上くんらしくないと思うんだ。」

「……なんだよ…なんで俺じゃなくて隼なんだよ。」

「え？」

「俺のことをいい子だって言うなら、なんで俺じゃなくて隼と付き合ってんの！？隼の方が俺よりいい子だと思ってるからだろ？！」

「村上くん、落ち着いて。」

「なんだよ！隼のことを好きとか節穴かよ！！見る目なさすぎだろ！センス悪いよ菜摘さんは！バカだよ！ただのバカだ！！」

興奮する村上くんを窘める菜摘さんと、更にヒートアップしてしまった村上くん。

ずっと何も言えないまま二人のやり取りを見ていた僕だけど、村上くんの言葉にはつい我慢できなくなった。


「菜摘さんをバカにするな！」

気がついたらそう言っていた。

僕が突然叫んだことに、2人は驚いたように固まっている。

「僕のことを…色々言うのはいいけど…菜摘さんのことを馬鹿とかセンスないとか…そういう悪口を言うのは嫌だ。菜摘さんはバカなんかじゃない！」

「はぁ……？隼、お前俺に口答えすんの？」

「菜摘さんに言ったこと謝って！」

「は？」

「撤回してよ早く。いくら村上くんでも、菜摘さんをバカにするのは許さないから…！」

「隼くん…落ち着いて？」

「落ち着いてられないよ。…村上くん。」

「う、うるせーよ！だいたいお前らが付き合ってるっての本当なのかよ？？！」

「本当だよ。」

「うそだろ！あの隼が！？菜摘さんと付き合えるわけねえだろ！」

「村上くん。私と隼くんは本当に……」

「なら証拠見せろよ。」

「え……？」

「隼！お前が本当に菜摘さんを好きなら、証拠見せろってんだよ！今付き合ってんのはお前かもしれねーけど、俺より気持ちが薄いなら俺は認めねーから！」

そう言うと、村上くんは僕達が座るベンチの後ろにいたのを僕たちの前に移動してきた。

菜摘さんの前に立って、背負っていたランドセルを下ろした。

「菜摘さん……。俺、菜摘さんのことがずっと好きだった。」


直立のまま緊張で声を震わせて、村上くんは突然菜摘さんに告白した。