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「おっ!隼くん上手に炊けたねー!」
村上くんが野菜班と合流してから、僕はボランティアの女性から教わりながらお米を何とか炊くことが出来た。
普段は炊飯器で簡単に炊けるので、窯でお米を炊くという経験が貴重で純粋に楽しかった。
思ったよりも上手く炊き上がったご飯は、フワフワと真っ白な艶のある粒が釜の中で輝いていて、ほんのりとお焦げの匂いもした。
「美味しそうにできてよかったです!」
「きっと美味しいよ。隼くん、手際が良くて教えるとどんどん出来ちゃうんだもん。すごいよ~。」
「ありがとうございます!楽しかったです。」
「よし、じゃあ次は野菜班が切ってくれた野菜を煮る作業に入ろっか!」
「はい!」
女性の声掛けによって、向こうで野菜を切っていた4人が戻ってきた。
4人は恐らく野菜を切りつつ遊んでいたようで、芽が取れてないジャガイモや皮の向けきれていないニンジン、汚れの落ちきっていないホウレンソウがあった。
「ちょっとー。みんなこれ、真面目にやったのー?」
「やったよ!こいつがずっとふざけてたんだよ。」
「はぁ?お前だろ!」
「うるせー!お前がちゃんと皮剥けなかったのが悪い!」
「はいはいそこまで!……んもー、これじゃあ安心して食べられないよ?ほら、やり直し!」
「えー。」
「えーじゃない!……ごめん、隼くんも手伝ってくれる?」
「はい!分かりました!」
「隼くん、お米をすごい上手に炊いてくれたんだよ?だから皆も隼くんを見習って!」
「……はーい。」
ボランティアの女性がそう言い残して他の班の様子を見に行くと、野菜のやり直しを言いつけられた4人は僕のことを睨んだ。
「隼お前褒められたからって調子に乗んなよな。」
「それな?ムカつくんだよ。」
「米炊けたくらいで威張んなよ。」
「威張ってないし調子にも乗ってないよ……」
「うるせぇよ。料理できるんだろ?なら、この野菜全部完成させてくんね?」
「えっ……いや…それはみんなでやろうよ」
「やれっつったらやれよ!!」
「口答えすんな!生意気なんだよ!」
結局、4人は僕に野菜を押し付けてまたどこかへ行ってしまった…。
村上くんが野菜班と合流してから、僕はボランティアの女性から教わりながらお米を何とか炊くことが出来た。
普段は炊飯器で簡単に炊けるので、窯でお米を炊くという経験が貴重で純粋に楽しかった。
思ったよりも上手く炊き上がったご飯は、フワフワと真っ白な艶のある粒が釜の中で輝いていて、ほんのりとお焦げの匂いもした。
「美味しそうにできてよかったです!」
「きっと美味しいよ。隼くん、手際が良くて教えるとどんどん出来ちゃうんだもん。すごいよ~。」
「ありがとうございます!楽しかったです。」
「よし、じゃあ次は野菜班が切ってくれた野菜を煮る作業に入ろっか!」
「はい!」
女性の声掛けによって、向こうで野菜を切っていた4人が戻ってきた。
4人は恐らく野菜を切りつつ遊んでいたようで、芽が取れてないジャガイモや皮の向けきれていないニンジン、汚れの落ちきっていないホウレンソウがあった。
「ちょっとー。みんなこれ、真面目にやったのー?」
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「はぁ?お前だろ!」
「うるせー!お前がちゃんと皮剥けなかったのが悪い!」
「はいはいそこまで!……んもー、これじゃあ安心して食べられないよ?ほら、やり直し!」
「えー。」
「えーじゃない!……ごめん、隼くんも手伝ってくれる?」
「はい!分かりました!」
「隼くん、お米をすごい上手に炊いてくれたんだよ?だから皆も隼くんを見習って!」
「……はーい。」
ボランティアの女性がそう言い残して他の班の様子を見に行くと、野菜のやり直しを言いつけられた4人は僕のことを睨んだ。
「隼お前褒められたからって調子に乗んなよな。」
「それな?ムカつくんだよ。」
「米炊けたくらいで威張んなよ。」
「威張ってないし調子にも乗ってないよ……」
「うるせぇよ。料理できるんだろ?なら、この野菜全部完成させてくんね?」
「えっ……いや…それはみんなでやろうよ」
「やれっつったらやれよ!!」
「口答えすんな!生意気なんだよ!」
結局、4人は僕に野菜を押し付けてまたどこかへ行ってしまった…。
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