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『20XX年 10月14日

今日で、私と隼くんが付き合い始めてから1ヶ月。

交際は極めて順調だ。


隼くんは私が今まで付き合ってきたどんな彼氏よりもずば抜けて最高の彼氏。

まだ幼くて可愛いし、弟のような年齢なのにも関わらず、ちゃんと私をドキドキさせてくれる。

誰もが見惚れてしまう程の美少年な上に、あんなに落ち着いていて、かつ優しくてサラリと女子がときめくセリフを言えちゃうんだから……

将来がとても楽しみだ。だからこそ、今のうちに私が捕まえておく必要があるの。

隼くんとの仲は、絶対に誰にも邪魔をさせない。

私が人生で求め続けてきた焦がれるような恋をさせてくれる人だから。

もし私たちの関係が問題になるようなことがあれば、私は隼くんを連れてどこにでも行くわ。

そして隼くんもきっと、私と同じくらいの覚悟で一緒にいてくれている。

隼くんは恋愛自体が初めてだからなのか、時々普段の隼くんらしからぬ暴走をすることがある。

きっと、初めて感じている恋の魅惑に上手く打ち勝てていないようだ。

だけど私は隼くんのそんな初々しいところがどうしようもなく可愛くて、とても大好き。

彼が私への愛で暴走するときに、私もまた同じく、彼への暴走を止められなさそうになる。

でも私の暴走は彼の実直な暴走とは違って、もっと愛欲的で本能的なもの。

だけどいくら私といえども、せっかく手に入れたこのかけがえのない愛を失いたくないから、軽率なことはできないでいる。

まだまだ幼い隼くんを愛しつつ守っていくには、擦り切れそうな我慢も必要なの……。』
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